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【No.10】年収比較@こうならいいなサラリーマン劇場

 サラリーマンの世界で起きているかもしれないことをドラマ風に綴ってみたいとおもいます。内容は架空の話ですが、思い当たることがあれば要注意ですよ。それから、この劇場の結末は「こうならいいな」という内容で終わります。なので、現実界とは少し違うかもしれません😊

 それでは、幕を開けてみることにしましょう。


通常の会社では基本給に諸手当、そして残業代と通勤費が合算されてサラリーになっている。もちろん、通勤費は半年単位の支給かもしれないので毎月一定ではないかもしれない。いずれにしても基本給という括りの部分が大抵の会社では定義されているのではないだろうか? 働き始めて落ち着いてきた頃に退職金や産休の時の給与などが気になり始めるものである。たまには同級生と再開して飲み会の席などで手取りの額の話で盛り上がるかもしれない。そんなお金にまつわる話はどんな会話をしているのでしょうか。違う会社に就職していった仲良し3人組の健太、慎二
、裕子が久しぶりに会って居酒屋で話をしている様子を伺ってみましょう。

天の声

「サラリーマンも結構大変だよなぁ。俺は経理部門で働いてるから締めの時は残業が多くてさ。早く帰れる部門だと思ってたのになぁ。慎二のところは?」
「僕の会社? 中堅のシステム開発で僕は開発だから残業は毎日だなぁ。裕子はコンサルだから結構優雅なのかな」
「私? 勘違いしちゃだめよ。目に見えない残業だらけなのよ。寝る時間は毎日4-5時間ってとこかな。まぁ、その分年棒がいいからそれが唯一の救いかな。健太は収入どのくらいあるの? 学生の時は優秀だったから結構もらってたりしてね」

 いよいよ、収入の話になったようです。

「俺はそんなに多くないよ。年収でいうと600万強くらいかなぁ。そんなに多くはないね。慎二はITだから結構あるだろう」
「いやいや、僕のところは中堅だから結局大手の下請けが多いから給料はそんなに多くない。年収にして残業があるからだけど650万くらいだよ。多分裕子が一番稼いでいると思うよ」
「私は、年棒契約だから一年一年が勝負なのよ。去年の年収は900万弱までいったわよ。でも、個人契約みたいなものだから、福利厚生がほとんどないのよ。退職金も無いし。でもなんとかやってるわ」

 健太は大手の会社に勤めているのにも関わらず、学生時代の仲間に収入で置いてけぼりを食らっている感覚に襲われた。やっぱりベンチャーとかを狙っていればよかったのかなぁと思ったりもした。健太は給与と年収などの関係をよく知らなかったので、この後真剣に転職について悩むようになってしまった。 


おやおや、やっぱり収入の話になると「金額」が重要に感じてしまうようですね。特に同級生に先を越されていると感じてしまうと焦ってしまうのかもしれません。しかし、会社ごとにいろんな規定があり、給与明細の手取り額だけを気にしていると間違った判断をしてしまうかもしれませんよ。そんなことを事前に知った状態で飲み会に参加していたらどうなっていたかをみてみましょう。

天の声

 健太は、入社して6年が経過しようとしている時、給与規定や退職金規定が社内オンラインで参照できることを知り、一応目を通しておこうと思い立った。健太の会社は退職金は全て401k(確定拠出型企業年金)になっていた。一通り目を通したところに、同級生からの飲み会の誘いがLINEで入ったのだ。

「サラリーマンも結構大変だよなぁ。俺は経理部門で働いてるから締めの時は残業が多くてさ。早く帰れる部門だと思ってたのになぁ。慎二のところは?」
「僕の会社? 中堅のシステム開発で僕は開発だから残業は毎日だなぁ。裕子はコンサルだから結構優雅なのかな」
「私? 勘違いしちゃだめよ。目に見えない残業だらけなのよ。寝る時間は毎日4-5時間ってとこかな。まぁ、その分年棒がいいからそれが唯一の救いかな。健太は収入どのくらいあるの? 学生の時は優秀だったから結構もらってたりしてね」

 いよいよ、収入の話になったようです。

「俺はそんなに多くないよ。年収でいうと600万強くらいかなぁ。そんなに多くはないね。でも、福利厚生や退職金制度がしっかりしてるから、自分だけでは厳しい将来の資産づくりが会社の中ではできているかな。401kだから運用商品は自分で選ぶけど、掛け金は全額会社が負担してくれているからね。年間で70万円以上出してくれてるはずだよ。それに、育児休暇を取ってもある程度給与は出るし、健康保険なんかも会社独自で運営してるから、結構福利厚生と合わせてスポーツ施設とかホテルとか利用価値が高いんだよ。個人で会員になろうとしたら毎月それなりにかかるけど、そんなのは一切いらないしね。慎二はITだから結構あるだろう」
「いやいや、僕のところは中堅だから結局大手の下請けが多いから給料はそんなに多くない。年収にして残業があるからだけど650万くらいだよ。残業代が100万円以上あるよ。だから退職金は健太のところみたいな期待できないし401kでもないから、個人でiDeCoをやってるよ。まだ年間30万くらいだけどね。多分裕子が一番稼いでいると思うよ」
「私は、年棒契約だから一年一年が勝負なのよ。去年の年収は900万弱までいったわよ。でも、個人契約みたいなものだから、福利厚生はないのよ。退職金も無いし。だから私もiDeCoをやってるし、国民保険にもはいってるのよ。厚生年金にも入れてないから国民年金に入ってるわ。多分それでも足りないから投資もしてるけどね。でもなんとかやってるわ。もしかすると一番いいのは健太かもね」

 健太は見た目の収入だけを比較してもあまり意味はないんだなと自覚した。大切なのは、友達との比較より、将来のために蓄えられていて、何か起きた時の保証もあり、気分転換のための福利厚生がしっかりしていることを合わせて考えなければならないんだなと思った。健太は社内で時々行われている401kの運用セミナーに早速申し込んだ。将来転職するにしても現在の待遇をしっかりと把握して比較検討できるようにしておくべきだなと考えている。


 どうしても明細に示されている金額だけで判断しがちですが、いろんな要素が会社の規定には入っているので理解するまで読み込んだ方がいいみたいですね。手当がたくさんある場合も要注意です。賞与のベースとなる金額に含まれているのか、退職金積み立てへの影響、中途退職の時の一時金、401kなら、月々の会社が出してくれている掛け金などを知っておくことが大切ですね。営業職の場合などは歩合給なども要確認ですね。将来につながるお金なのか一時金なのかもしっかり把握していろんなことを判断した方が良さそうです。

 あなたの会社では、社内規定(給与、退職など)のことを細かく教えてくれましたか? そうでない場合は、自分から調べるべきですね。将来設計に必要ですから。



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#創作 #サラリーマン #サラリーマン劇場 #慣習

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