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【オマージュMV】地方の魅力を再発見 ~高知のソウルドリンク リープル~

 渾身の新曲リリース。RIPPLEと書いて実はリープルと読みます。これで乳酸菌飲料を思い出した方は高知県民か、もしくは高知に何らかの縁がある人がほとんどではないでしょうか。


ソウルドリンクの共通点

 マイナーな公務員、学校事務職員の仕事を紹介している当noteです。が今回は夏休みに書いていることもあり、ちょっと旅行気分のテーマにしてみました。冒頭の曲は、私たちのロックバンド「音楽事務検討委員会」の最新リリース楽曲「RIPPLE」です。リープルというのは「高知のソウルドリンク」とも評される乳酸菌飲料で、同じく高知のひまわり乳業株式会社さんの製品になります。高知県内のみで販売されているので、それ以外にお住まいの方にはあまりなじみがないのではと思います。私もこの曲を作るまで知りませんでした。同じ四国で飲み物というと愛媛のポンジュースがまず思い浮かびますが、こちらは製造も愛媛ローカルにとどまらず、日本全国で販売されていることから地域限定のソウルドリンクという意味とはやや異にします。私は九州発祥の「スコール」が好きですが、こちらも全国展開を果たしています。
 リープルのように地域限定の「ソウルドリンク」と評されている飲み物は他にあるのかなと思って検索したら、北海道の「ソフトカツゲン」広島県の「チー坊」福島県の「酪王カフェオレ」栃木県の「レモン牛乳」奄美大島の「ミキ」などが上位ヒットしました。不思議とこれらはみな牛乳由来の飲み物です。なぜでしょうか。以下、私が考えた仮説です。
 一つ目。牛乳は供給が安定しているから。主食のコメもそうですが、牛乳は原材料として欠かせないので生産体制が整っています。飲用乳についてはほぼ国産ですね。調べたら乳価(牛乳の価格)の変動は多方面に影響が大きいようなので、農林水産省の人もだいぶ気をつけている感じです。
 二つ目。日本人は伝統的に乳製品が好きだから。伝統的、といっても乳製品が現在のように普及するのは戦後のことですが、発酵食品自体は古くからありました。平安時代にあった「醍醐」は一説にはヨーグルトみたいなものだといわれています。平安京のソウルドリンク。
 三つ目。学校給食に出ていたから。ここが私たち音事検が強調したいポイントです。過去の記事でも、愛知ヨーク株式会社さんの「コアコア」や、学校給食そのものの歌を紹介しつつ学校給食に言及してきました。学校事務職員にとって学校給食は割と仕事の多くを占めます。
 私の地元、滋賀のとある街では「コアコア」が毎週水曜に出ていました。上記広島県の「チー坊」はチチヤス乳業さんの製品ですが、こちらも学校給食に出ていたとのこと。もちろん、今回の「リープル」を製造しているひまわり乳業さんも学校給食に卸しています。私たちの歌「学校給食ノスタルジア」にはこんな一節があります。「私たちみんな給食を食べて育った」。
 その地域に育った人々の共通の記憶として、ソウルドリンクが生まれるのかもしれません。

旅先でスーパーに入る楽しみ

 私が旅行に行ったとき、観光客向けの土産物屋さんよりも興味がわくのが、現地の食品スーパーです。どこにでも売っているものばかりの棚の中に紛れている見慣れない商品に、旅情を感じられるんですよね。
 たとえば、滋賀県で有名な「つるやパン」。看板商品のサラダパンがマスメディアに取り上げられて大ヒットしたおかげでいまでは観光客向けの展開もしているものの、元々は地元密着の、高校生がお昼のパンを買うようなお店でした。それは今でもそうで、地元のスーパー平和堂にはお土産や特産品としてではなく、普通に生鮮食料品の列にサラダパンが並んでいます。前述の「コアコア」も、東海地方のスーパーでしか売っていません。ヨソから来る人へ:ヨーグルト売り場で見かけたら、迷わず買いましょう。現地でしか味わえないものを楽しむ。これが旅行の「醍醐」味です。ビジネスホテルに泊まってやることがなくてとりあえずテレビをつけて観るローカル番組とローカルCMにも共通する魅力です。

高知に行ったことがないのに作った歌

では、本題の「RIPPLE(リープル)」の歌の話です。高知県満載の歌詞ですが、実は私は高知県はおろか、四国にすら行ったことがありません。メンバーのTERUが高知にルーツがあり、彼にお土産でもらったリープルがおいしかったことがこの歌をつくるきっかけでした。なので、リープルを飲みつつ彼に高知のあれこれを教えてもらって想像を膨らませて書いたのがこの歌詞です。

縁側でスイカを頬張りながら 汗に濡れたシャツ扇風機に揺れ
今夜8時赤鉄橋のそばで 打ち上がるスターマイン観に行こう
あれから僕たちはここで育ち ここで生き 想い出積み重ねていく

オレンジの陽射し跳ね返し 流れる川にきらめいてるRIPPLE
南国の風にさざめくひまわり
いつまでも続く少年の 記憶の景色呼び覚ましてRIPPLE
優しさと淡く甘酸い切なさ連れ

日曜朝イチで汽車に飛び乗り 追手筋で約束 待ちぼうけ
「ごめんね遅れて」小走りの君の シトラスの匂い風が運んだ
アクセル踏み込んだ55号 ビスケットかじり続く道の先へ

灯台の光跳ね返し 夜の海を優しく撫でるRIPPLE
南国の空に瞬く星影
こだまする音に振り向いた 君の横顔オレンジに染めた
一瞬の刹那 夜空に咲くひまわり

音楽事務検討委員会 / RIPPLE

「桂浜」とか「高知城」みたいに高知を象徴するアイコンはあえて用いず、できるだけローカルな、現地の食品スーパーを覗いた感覚を歌詞に落とし込みたかったのでこんな表現になりました。以下、自作解題です。

赤鉄橋・スターマイン=四万十市の鉄橋とそこで開かれる花火大会
オレンジ=リープルのイメージカラー
流れる川=四万十川
南国=南国市
ひまわり=ひまわり乳業株式会社様
日曜朝イチ=日曜市
汽車=電車のことを高知県民はこう呼ぶ
追手筋=日曜市の会場
ごめんね=後免駅
シトラス=ゆず
55号=室戸市に向かう国道
ビスケット=ミレービスケット
灯台=室戸岬灯台
こだまする音=ふるさと室戸まつり

音楽事務検討委員会 / RIPPLE

高知に行ってみたくなりましたか?
よかったら↓この歌も聴いていってください。


これからの音事検にご期待ください!