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あの日 あの時 あの列車

ミュンヘン駅の日記もRhBの日記もまだまだ全然書けていないのに、ワールドカップの影響からかロシアの鉄道が気になる今日この頃。

ロシアの鉄道に初めて出会ったのはウズベキスタンの首都タシケントだった。

ブハラ行の夜行列車に乗るためにホームに行くと、隣のホームに「MOSKVA」のサボを掲げた列車が停まっていた。

列車の写真を撮っていいか聞くと「ノーフォト」と言われしかたなく眺めていると、窓を半開きにして別れを惜しむ人たちがたくさんいて、夕暮れの中、出発の汽笛合図を響かせて列車は走っていった。

写真には残っていないけど胸の中に残る光景だった。

それから数年後、ストラスブールに行くときに列車から外を眺めていると、ドイツとの国境の駅に西欧の車両とは違う雰囲気の車両が停まっているのを見つけた。

その時は何気なく写真を撮っただけだったが、その列車の正体が分かったのは翌日のベルリン中央駅でだった。

すごい!この列車はモスクワまで行くんだ!

右側にベルリンまで乗ってきたCityNightLineが停まっているが、そっちのけでモスクワ行きの列車の写真を撮りまくった。

「MOSCOU」行の夜行列車。タシケントでの記憶がよみがえったのかもしれない。

以前、トワイライトエクスプレスが引退するときに、デジカメを持って沿線に行ってみたことがあった。

何気ないJR京都線沿いの道路だったが、ものすごいカメラを持った人の多さで驚いた。

トワイライトエクスプレスは私にとっても子供の頃に家族旅行で乗った思い出の列車であったが、これだけ人が多いとみんなが良いというから良いのではないかと思えてくる。

九州新幹線が開業する前も、有名撮影地に行くと なは が通り過ぎるとカメラマンたちは皆撤収していった。これから私の大好きな787系が走って来るのに…。

鉄道趣味が盛んなドイツでも、このモスクワ行きの列車の写真を撮っている人は私以外誰もいなかった。

日本の雑誌でもNightJetと違ってこのモスクワ行きの列車が取り上げられることはほとんどない。

みんなが注目する列車も悪くないが、自分だけしか知らない あの日の あの時の あの列車の方がよっぽど価値があるんじゃないな。と思ったり。

それから数年後。憧れのRZDに乗るために再びヨーロッパを訪ねることになった。

つづく。

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