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【新社会人必読】最速で仕事力を上げる方法 ~第二章~

第二章:私が仕事力を上げた時の話


第一章では、「仕事力は目線で上がる」という話をしました。
これは事実なのですが、「まだあまり想像できない・・」という方の為に
私の体験談を踏まえて具体例をお伝えいたします。

第一章はこちらから:


~プロローグ~

私は大学卒業後、新卒として大手電機メーカーでのキャリアをスタートさせました。これから東京のオフィス街でバリバリ働く姿を思い描いていましたが、言い渡された配属先はまさかの「生産管理部」。
東京とは縁遠い宇都宮の工場での戦いの日々に、「仕事力の上げ方」が詰まっていました。


当時私はCSチューナーの生産を担当しており、
その生産会社(委託工場)が毎回生産遅れを出しているのを知っていました。そしていつもその生産遅れの件で上司が会議で詰められて(怒られて)いました。(資料は私が毎回作っていました)

また、当時そのCSチューナーは国内営業が大口の受注を受けたばかりで過去最大の生産数となっており、これが遅れたら大変な信用問題になるという事を上司と国営が電話で話しているのを聞いていました。
(小耳にはさんだ程度です)

しかし、実際は私はそのCSチューナーの生産担当といいながら、CSチューナーって何?という状態で資料を作っていました。
モノも見た事がありませんし、やっている仕事と言えば毎日システムから打ち出される、数字が羅列された生産数を見るのみです。
もちろん工場にも行った事も見た事もありません。
(ちなみにこの製品は今で言うスカパーのチューナーの事です)

売るのは国営(東京本社)、設計は技術、資材の発注は資材部、生産は台湾の工場。私はひとり宇都宮で生産実績の数字を眺めていました。そして私がしていたのはプリントアウトされた数字の羅列をエクセルに直していただけです。

ところが生産が遅れると怒られるのは生産管理です。
ちなみに生産遅れの理由は、設計遅れか部品遅れがほぼ70%くらい。残りの30%が工場の責任です。

なので、生産遅れしないように!と生産管理が工場に釘を刺すと、「だってお前の所の部品が届かないんだからしょうがないだろ!」
「ていうか、お前の所の設計が遅れているから生産出来ないんだ!」と逆に怒られました。

「そっかー」と、新人の私はオロオロし、取りあえず資料を作って会議で説明すると「テメー!なんでこんなに生産が遅れてるんだ!お前ら一体何を管理してるんだ!」と怒られます。

はじめは「俺、何も悪くないと思うんだけど・・・」と思いましたがここで目線を変えます。

会社は生産管理に何を求めているのか?
出来るビジネスマンだったら一体どうするだろう?

そして私はスタンスを変えます。

なるほど、生産を遅らせない為には資材と技術にもプッシュをしなければならない。そして、本当に生産遅れが発生する時には事前に営業に情報を伝え、大問題にならないように調整してもらおう。

そして、実際CSチューナーの生産見込みが大幅に遅れそうだと思った私は「だったらこんな資料作ってる場合じゃないな」と言う事で、国営の人にまずどんな受注を受けたか聞きました。
すると国内の大手のパチンコ店が大口の発注をしてキャンペーンの景品の目玉として使うという事がわかりました。

「これは遅れる事はできないぞ・・・」

そして技術の方にも根回しをしました。
私は下っ端でしたが、担当の部長に連絡をいれて状況を聞きます。結果、設計や部品は何とか遅れずにいけそうだという事がわかりました。

「これで生産が遅れたら、それこそ本当に生産管理(私)の責任だな・・・」という事で、気合いを入れ直します。

そして過去の生産が遅れた理由の一つに、シッピングの書類が遅れたというのがありました。

ちょっと複雑なのですが、工場から製品を出荷する際には様々な書類を添付して出荷し、船に積みます。そして海を渡り、通関をして相手先に納品します。これらの書類が一枚でも不足すると通関できず、結果として納品が遅れるという事があったので、ここは絶対にミスが出来ないと思いました。生産管理はそんなシッピング書類から、支払処理までを担当しています。

そういう書類がオンタイムに台湾の工場から生産管理に送られてきて、私が処理をし、はじめてスムーズな出荷・納品となるわけです。

ちなみに、当時オーダー書類の発行をミスして、出荷が遅れ、やむなく船便ではなく航空便で出荷し会社に1000万以上の損害をもたらした強者(馬鹿者)がいました。(←ちなみに彼は同期で、今は外資系メーカーで事業部長をやってます。)

私は受注額の大きさと相手工場の信頼度の低さを考え部長に言いました。

「部長!この生産が遅れたらホントにヤバイと思うので私、台湾に行って生産指導とシッピング書類のやり取りについてもう一度直接説明しに行きたいんですけどいいですか?」

その時、私は社会人歴1年8か月くらいの小坊主です。
しかし、なんと奇跡的に会社からGOの決済がおりました(!)。
私一人で台湾の工場に海外出張し、生産指導をする事が決まったのです。

相手先は当時無名な台湾メーカーです。
名前をACERと言います。
あのACERです。今なら誰もが知っているメーカーだと思います。

無知な私は、ACERって小っちゃい台湾の工場だろ・・と思って調べたら、売上げ3700億の自社に対し、なんと売上5000億!
当時たしかソニーの売上が1兆円くらいでしたので超巨大企業だったのです。

そこに無謀にも一人で出張する事になりました。
当然英語での会議となります。
私の英語力は日常会話がぎりぎり出来ないくらいだったと思います。実際に台湾に行ったらACERが超巨大でビビりました。(((( ;°Д°))))


ACERからすると、一応客先から担当が来るとのことで、先方のデカい会議室に一人通され管理職の方々にシッピング書類の説明をして
「絶対に生産遅れをしないでくれ!」と釘を刺しました。英語でのプレゼンでヒヤヒヤでした。

そして、結果はどうなったかと言うと・・・実はよく知りません。。。
というのはその結果が出る前に、私は仕事を評価され、商品企画に抜擢されて異動する事となったのです。

宇都宮の田舎とやっとオサラバ!という事でルンルンで本社商品企画へ異動し新たな戦いが始まりました。

CSチューナーの生産管理の仕事は完全に後任に引き継ぎました。
たまたまですが引き継いだのが元々総務で課長をやっていた方で、私が商品企画に異動した時に、「課長に仕事を引き継いだヤル2年目」というレッテルを貼られ、無駄な脚光を浴びてしまいました。
(その化けの皮はすぐ剥がれる事となります)

長々とエピソードを書きましたが、
大事なのは視点
です。

私が言われた事をやっていただけだったら・・・
言われた通り作業をこなし、
会議で怒られ続け、
宇都宮で生涯を終えたかもしれません。

でも管理職目線で、本気で「良い生産管理」をやろうと思ったから海外に出張させてくれ、色々と非常に勉強をさせてもらう事ができました。

担当目線で仕事をするのか、
主任目線で仕事をするのか、
課長目線で仕事をするのか
もしくは社長目線で仕事をするのか・・・?

これでその人の実力が決まってきます。

第三章では、より皆さんに馴染みの近い具体例を挙げて仕事力の上げ方について語っていこうと思います。第三章でこのテーマは最後となりますので、是非ご一読ください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

これからも一人でも多くの方の学びに繋がるような記事を投稿していきますので、よろしくお願いいたします!

海渡

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