見出し画像

スポーツ×旅、スポーツ×食。スポーツで地域振興を

理事 有木真理

新型コロナウイルスの感染が猛威を振るい、早2年半が過ぎ、世界は一転。
感染拡大を防ぐため、様々な規制が強いられ、自由に国内外を行き来することも阻まれた。私も先日、2年半ぶりに海外渡航をしたのだが、ヨーロッパのマーケット回復のスピードに危機感を感じるほどであった。
渡航先はスペイン・バルセロナ、目的はトライアスロンの最高峰レースともいえるIRONMANに出場すること。まさにスポーツツーリズムである。

IRONMAN

バルセロナから車で1時間ほど海沿いを走ると現れる小さな街カレーリャは、人口2万人ほどのリゾート地。この街で毎年開催されるIRONMAN。このちいさな街に、3000人の選手とその帯同者が集結するのだ。ロングレースでもあり、海外からも多く訪れるため、前後泊含め、長期滞在するのも特徴だ。私は調整のため、3日前に現地入り。バルセロナとカレーリャで7泊8日を過ごしたのだが、スポーツがこんなにも地域活性化させるのだと身をもって感じ、つい、仕事目線で街をリサーチしたのだ。

私と同じように、レース3日前から選手は続々と現地入り、エキスポの様々なブースは、賑わっている。街の飲食店は、IRONMAN限定のメニューを提供し、様々な店舗にIRONMANの旗が飾ってある。その経済効果は手に取るようにわかった。

IRONMAN限定のメニュー
IRONMANの旗が飾られている様子

レース当日は、早朝6時から、深夜2時前まで、街のいたるところに交通規制がかかり、大きな音量で街中にDJの声とにぎやかな音楽が鳴り響く…
住民の生活への影響も否めないがクレームどころか、この1年に1回のお祭りを心待ちにているようにさえ見えた。
この話はだけでも、1本のコラムが掛けそうだが、今日は、この辺にしておきたい。
今回が初めてのコラムとなるため私がなぜ、ワンスポの理事を務めさせていただいているのか?ここからは自己紹介を兼ね、記述していきたいと考える。

前述をご覧いただけば、どんなアスリート理事なのかと思われがちだが、実は、スポーツとは無縁の世界で仕事をし、生活をしてきた。
現在、じゃらん、ホットペッパーグルメ、ビューティーといった日常消費に関わるメディアを運営するリクルートライスタイル沖縄の代表取締役社長を務めると共に、外食総研の上席研究員を務め、食の文化、トレンドについて研究発表をしている。

大学を卒業後、外食チェーンに就職し、店舗運営に携わり、その後本社に異動し、人事、採用、教育を担当した。一度フリーランスで独立し、現リクルートの業務に従事。
飲食店の販促サポートを中心に業務を遂行してきた。
プライベートでは、トライアスロン、アドベンチャーレース、ゴルフなど様々なスポーツを趣味としているが、10年ほど前まではスポーツとか全く無縁。500メートル先への移動でさえ車を使いたいほどだった。
その私が、トライアスロンを始めたのは、最愛の母の死や、友人の死、プライベートも仕事もうまくいかず悩んでいた時に、何かに打ち込みたいと思ったのがきっかけである。
スポーツで汗をかき、綺麗なお水をたくさん飲み、おいしい物を食べる。
身体を循環させていくことで、人は心身ともに元気になる。
スポーツを生活に取り入れることの価値を、身をもって体験したのだ。
またトライアスロンを始めたことで、国内外のレースを目的に旅をする回数は増え、レースの度に、その地域のおいしいレストランを予約し、食とその土地ならではのアクティビティを仲間と楽しむ。
私と私の周囲にはスポーツツーリズムを体現する仲間が数多くいるのだ。

スポーツといえば、野球やサッカー、バスケなどを中心とした「みる(観戦)」。の他に、「する(体験)」マーケットが存在する。
中でも、トライアスロンやアドベンチャーレース、スパルタンレースなど長期滞在、地域消費の高いであろうスポーツに注目している。このようなスポーツを地域振興に取り入れていくことで、イベント時の活性化だけではなく、アマチュアアスリートの間で地域の知名度が上がり、合宿などで再来も促せる。

ワンスポは、「スポーツ」を様々な産業とかけ合わせることで「稼ぐスポーツ」すること。
つまりビジネス化していくことだ。
私のミッションは、「スポーツ×食」「スポーツ×観光」で地域振興をすることであると考えるが、「食」を通じて地域を元気にしたい。
これは私がかれこれ20年以上従事してきた飲食業界を通じ、掲げた使命である。
そこに新たに地域創生のコンテンツとして「スポーツ」を掛け合わせ、観光産業に貢献したいと考えている。

沖縄マーケットの可能性ついては、代表理事である青田氏、石塚氏が記述しているため割愛するが、沖縄には多大な可能性が存在する。
一方で、世界を見渡すと、魅力的な資源を持ち備えた地域は数多く存在する。
青い空、青い海、ホスピタリティだけでは競争力が保てないのだ。
沖縄の可能性を最大限に活用するためには、掛け算が必要である。
様々な産業をかけ合わせることで生じる新たなマーケット、差別化された高付加価値。
それを地域の皆さんと共に創り、磨いていきたい。
そして、スポーツを他の産業とかけ合わせることで、沖縄の基幹産業のひとつにしていきたい。それが今の私の想いである。

今回は初回ということもあり、抽象的、かつ私的な話が中心となったが、
次回は、スポーツツーリズムの可能性について、より具体的に記述していきたいと思う。

どうぞお楽しみに。