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【ワンパブ・オープン社内報 vol.18】 今夏で創刊30周年!『歴史群像』編集長が令和の歴史ブームを盛り上げる!

第2メディアプロデュース部 『歴史群像』編集長 星川武

【ワンパブ・オープン社内報】は、ワン・パブリッシングで働く人を通して、会社・雑誌・メディアが、今どのような新しいことにチャレンジしているかをお伝えしている連載です。今回は、ムー・歴史チームの長であり、この夏で創刊30周年を迎える『歴史群像』編集長の星川武さんにお話を聞きました。(所属や肩書は取材当時のものです)

【社員プロフィール】
星川 武(ほしかわ たけし)
1992年学習研究社に入社。『歴史群像』編集部に配属。
同部内で『歴史群像』シリーズ(通称『赤本』)編集部や雑誌『歴史群像』編集部、戦史ムック編集部などに所属。
2014年10月からは、雑誌『歴史群像』の編集長を務める。 


入社以来、『歴史群像』と共に歩んできた30年

―プロフィールを拝見しましたが、星川さんは入社以来、ずっと歴史関連の編集部なのですね!

そうなのです。入社して、最初に希望したのが『歴史群像』シリーズだったのですが、希望通りの配属となり、以降ずっと歴史本に携わっています。配属された月に今編集長をしている雑誌『歴史群像』が創刊になったので、本当に『歴史群像』と共に歩んできた感じですね(笑)。

―ムー・歴史チームの長としても全体を束ねているとのことですが、現在のお仕事内容を簡単に教えてもらえますか。

「一つは、ムー編集部と歴史編集部から成る『ムー・歴史チーム』の長としてのチーム運営。二つ目は、雑誌『歴史群像』の編集長。そして三つ目が、歴史・ミリタリージャンルを中心とした単行本やムックの編集です。

じつは『歴史群像』が、この夏で創刊30周年を迎えます。その記念号に向けて、どんな特集を組むか、また、どんなスペシャルな付録をつけようかなど、今まさに販売担当者も含めて打ち合わせをしている最中です」

―付録と言えば、昨年8月号(2021年7月6日発売)の戦艦『大和』超精密ペーパークラフトが、SNSをはじめいろいろなメディアで大変話題になりました。完成させるのに40~50時間かかる超大作でしたが、あの付録が誕生したきっかけを教えてください。

「『歴史群像』では、太平洋戦争のテーマをよく扱っていることもあり、終戦記念日が近い8月号には特に力を入れています。その流れで、記事だけではなく、毎年8月号に何か目玉となるような付録をつけているんです。ここ数年はボードゲームをつけていましたが、ちょっと新しいことに挑戦しようという話になりまして。コロナで外出できない状況が続いていたので、家の中で楽しみながら没頭できるもの……と頭をひねらせた結果、あのペーパークラフトを付録につけることにしました。

おかげさまで、これまで『歴史群像』を知らなかった方や、買ったことがなかった方が大勢買ってくれました。精密ですごいという意見の一方で、難しすぎるという声もありましたが(笑)。編集部にも完成写真がたくさん寄せられたのですが、皆さんものすごく丁寧に、しかもアレンジを加えてくださっている方もいました。どの作品も素晴らしい出来栄えでしたよ。今年は30周年というアニバーサリーイヤーなので、6月と8月の2号連続で付録をつける予定で、さらに3号連続も検討中です。ペーパークラフトも予定していますが、テーマはまだ内緒です。ぜひ楽しみにしていてください」

2022年はワンパブ初の「児童書」に挑戦!

―続いては、ムー・歴史チームとして、今年どんな展開を予定しているか、教えてもらえますか。

「まずは、月刊『ムー』が今年の7月号で創刊500号、『歴史群像』が30周年、ともに大きな節目を迎えます。『歴史群像』については先程お話しましたが、月刊『ムー』は大規模なイベントや、新たなwebサイトの立ち上げなどの展開を計画しています。

次いで、コンビニで販売する本にさらに注力していきます。いわゆる、コンビニの雑誌棚やその横にある本棚に置かれるものですね。最近は書店さんの数が少しずつ減ってきているなかで、『街の本屋』のような存在を目指して、本売り場に注力しているコンビニもたくさんあるんですよ。特に地方だと、近所に書店がないというエリアも多いので、コンビニにも本を届けられれば、より多くの方に手にとってもらえると思っています。

現状は、学び直し系とミリタリー系ジャンルの2種類がメインですが、他のジャンルにも挑戦していきたい。まだ詳しくは言えませんが、これまでとは違った角度の健康本を狙っています」

―たしかに、ワンパブには『FYTTE』 というメディアもあるので健康系は得意なジャンルですし、興味関心がある方も多そうですね。楽しみです。

「さらに、児童書にも挑戦する予定です。春休み・夏休み・クリスマスシーズンに向けて、まずは3冊出そうと動き始めています。

具体的には……ムー・歴史チームの強みを活かしたテーマです。これらは子どもたちが好きなテーマでもあります。ワンパブで初めての児童書ということで、慣れないことも多々ありますが、新参者だからこその自由さを武器に、ヒットを狙いたいですね」

大人たちの「歴史ブーム」を再燃させたい

ー『歴史群像』の読者は9割が男性とのことですが、年代としてはどのあたりが多いのですか?

「60代前半を中心に、40代後半から70代まで広がっている感じです。創刊当初から読み続けてくださっている方もいますし、読者ハガキにびっしりと感想を書いてくださる方も多くて……とてもありがたいと思っています。そんなこれまでの読者を大切にしつつも、若い層や新しい読者の獲得も重大な課題です。まずは、『歴史群像』のwebサイトにもう少し手を加えていきたいですね。現状は新刊の情報がメインなのですが、記事の紹介や配信もやっていきたいと考えています」

―ちなみに、星川さんご自身は、子どもの頃からずっと歴史好きだったのですか?

「小学生時代から好きですね。学習まんが『日本の歴史』は何度も読み返しました。らくがき帳にオリジナルで合戦図屏風を描いたり、近所の資料館や博物館に行って、甲冑を着させてもらったり。ただ、中学高校大学と、部活や勉強で少し趣味としての歴史から遠ざかってしまいました。それがまた社会人になり、この仕事に就いたこともあって、歴史ブームが自分の中で再燃しました。今では、子どもの頃以上にどっぷり浸かっています。

同じように、子どもの頃に武将や合戦といった歴史ものが好きだった人は多いと思うんですよ。そういう人たちが、大人になって、もう一度歴史に興味を持つようになれば、楽しみが増えて人生がより豊かになるかもしれません。『歴史群像』でそのお手伝いができたらうれしいですね」

―大河ドラマも毎回話題ですし、ロケ地めぐりなども人気がありますから、特集などがきっかけで、若い層や女性読者が増える可能性も大きいですね! では、今後も含めて、『歴史群像』編集長としてこだわりたい点を教えてください。

「常に2つの視点を持つことです。まずは、『のめり込む自分』と『客観視する自分』。これは入社したばかりの頃に、当時の上司から言われたことなのですが……テーマや対象を深く掘り下げて、記事の質を高めるという意識を持つ一方で、俯瞰で見て、それらをどういうラインナップで1冊の本にするかという視点も必要です。記事ごとのクオリティを上げることはもちろん、目次やページ構成含めて、全体として読者に響くものに仕上げること。編集長になって、この両方の視点が欠かせないのだと再認識しています。

それから、すでに歴史に対してたくさん知識を持っている人と、そこまで詳しくない人、どちらにも受け入れられるようにすること。全体のバランスがすごく重要ですね。そのためには、私自身があまりにマニアックになりすぎても良くないんですよ。だから、1冊校了したら、その知識はどんどん忘れるようにしています。と言いつつ、ただ単純に忘れっぽいだけなんですが(笑)。ひとつ仕上げたら忘れて、またゼロの状態で次の特集に取り組む。そんなことを意識していますね」

―最後に、今後の夢や目標、作りたい本、挑戦してみたいことを教えてください。

「まずは、30周年というアニバーサリーイヤーをフックに、『歴史群像』を40周年50周年と続いていくような雑誌に成長させていくこと。また同時に、Webなどの新しいことにもどんどんチャレンジしていきたいです。

あとは……散歩が趣味なんです。特に時間があるときには、会社から帰宅する際に、編集部のある御徒町から適当な駅まで、いろんなルートを歩いています。道端にある碑や銅像、町名や坂の名の由来についての解説板など、電車に乗っていたら遭遇できなかったものや風景を発見できるので、ちょっとした探検のような気分で楽しんでいます。夢というほどではないですが、将来的には東京都内をくまなく歩き尽くしたいですね」

仕事をしていて一番うれしいのは、「編集部に届いた見本誌の包みを開けて、中を見る瞬間です」と星川さん。ページをめくるたびに、大人たちの胸の奥にある「歴史好きな欠片」を刺激するような、そんな本を作り続けてください! 星川さん、ありがとうございました。

(取材:水谷映美/撮影:我妻慶一)

ミリタリー・戦史Magazine
『歴史群像』
発売日:奇数月6日
公式サイト https://rekigun.net/

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