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不安定な時代を安定的に生きる7つの方法

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突然ですが、あなたの人生の天気予報は今どんな感じですか?今週はどうですか?来週のお天気は?これからの3ヶ月予報はどんな感じでしょう。

「いやぁ、全く先が読めない」と言う人も少なくないですよね。(筆者も同じです。笑)

最近様々なところで頻繁に耳にする「VUCA」という言葉。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったものですが、実は30年前に生まれたものと言われています。しかし、新型コロナウィルスの蔓延や災害、AIの急速な進化による生活様式の変化など、正に「VUCA」は今の時代を象徴する言葉とも言えますね。

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こんな荒波のような時代を安定的に乗り越えていく方法。それが今回のテーマです。

では、具体的な方法に入る前に、まず曖昧さや不確実性に対する私たちの脳の仕組みについて簡単に確認しておきましょう。

脳は曖昧さや不確実性を感知するとそれを「脅威」と認識します。その脅威に対処するために、何とか確実性を生み出そうとエネルギーをそのことに集中させます。すると他のことへの意識がどんどんおろそかになり、他のやるべきことにも手付かずになって不安が増大していきます。

曖昧さがいかに「脅威」か。それを示すこんな実験結果があります。「あなたには50%の確率で痛みのある電気ショックが与えられます」と言われた人は、確実に電気ショックを受けると信じている人よりも不安を抱えてしまうというもの。

ですから大事なことは、不確実性や曖昧さに振り回されないこと。それは「無視する」ということでなく、「不確実さや曖昧さが存在する」という確実さを受け入れることです。

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その具体的な方法について7つのステップでご紹介します。

1)抵抗しない
皮肉なことに、抵抗は辛い気持ちや困難を長引かせます。ですから抵抗する代わりに現実を受け入れましょう。そうすることで落ち着いて状況判断ができ、麻痺した状況から抜け出し前に進むことができます。

例えば、今パートナーとの関係がうまくいっていないとします。その場合相手を非難し攻め立てるという抵抗をするのではなく、うまくいっていないという現状を受け入れるのです。そうしたからといってイライラや失望がなくなるわけではありませんが、「物事や関係性はずっと同じではないんだ」という認識が現状を落ち着いて把握する力を私たちに与え、頭の中に被害者意識を増大させることにストップをかけます。そうすることでウェルビーイングが高まり、より良い行動選択ができるようになります。

2)自分に投資する
不確実な時代を生きる中であなたが活用できる最高の資源それはあなた自身です。ですから質の良い食事・睡眠・運動を心がけ、身体や心が喜ぶ活動に時間を費やし、自分自身をケアしましょう。

でも決して「自己中」にならないでください。自分の行いが「自己中」かそれとも健全な「セルフケア」かどうか迷ったら自分にこう問いかけてみてください。

この行動は人の心を踏みにじってないか?自分自身を裏切るものではないか

3)ヘルシーな方法で自分を癒す
脳が不安定さや不安を感じるとドーパミン(脳の部位「側坐核(そくざかく)」から分泌される物質)が分泌されます。ドーパミンはやる気を生み出す物質ですが、すぐに報酬を得られる行動を促したり、誘惑をより魅力的に捉えてしまったりということを引き起こします。ですから、即座に気持ち良くしてくれるお酒やジェンクフードに手を伸ばしてしまうというようなことが起きるのです。その結果何が起こるかは、もうお分かりですね・・・。

ですから、そのようなインスタントで不健康な「癒し」ではなく、健康的な癒しを求めましょう。友達と山に登ったり、家族と食事に出かけたり、感謝の手紙を書いたり、昼寝をしたり。小さな行動でも意識的に重ねることで、なりたい自分に近づくことができます。

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4)頭に浮かぶことの全てを信じない
最悪の事態を思い浮かべ、あれこれ検討することに時間を費やすのはやめましょう。もちろんこれはリスク回避のために必要なプロセスではあるのですが、それがまるで起こってしまったかのように反応し始めると恐れが大きくなり、視野が狭くなり、それによって機会を逃したり、創造性や度胸で新しいことにチャレンジすることもできなくなってしまいます。

最悪のシナリオを描き始めている自分に気がついたら思考を止めて、最善のシナリオを描き始めましょう。そっちの方が何十倍も意義深いですし、何百倍も楽しいはずです。

5)確かなことに注意を向ける
確かなこと、それは「今」、そしてあなた自身の存在です。起こるか起こらないかも分からない恐ろしい未来に意識を向けるのではなく、あなたの呼吸、感情に注意を払いましょう。

「もうどうしようもない」という状況であっても、自分が何に意識を向けるかはいつでもコントロールすることができます。不安を煽るニュースや噂話は避け、今この瞬間の自分の心の世界に意識を向けましょう。こうすることで、不確実でおそらくくだらない外の世界が自分の心を支配することを防ぎ、自分の中に自分の人生に対する主導権が宿ります。

6)助けてくれる人を探すのをやめましょう
手を貸してくれる人に依存しすぎると自分自身の責任感が損なわれ、相手に負担をかけすぎてしまう可能性があります。もしも人に助けを求めるのであればあなたの代わりに問題を解決してくれる人ではなくあなたが自分で解決できるようにあなたの感情に寄り添ってくれる人を求めましょう。

そして一番は被害者意識を抱き問題を嘆き、文句ばかり言わないこと。「この状況から何が生み出せるか」という結果に意識を向けることです。

7)カオスの中に意義を見出す
人生の意義とは何でしょう。あなたの人生の目的、価値、そして周囲への影響がどの程度のものかという問いに対する答えと言えるでしょう。特に人を満たし、幸福感を感じさせるのは自分の働きや努力によって人に喜びがもたらされたと感じた時と言われています。

「どうしようもない」「先が見えない」と感じたら、ただ漠然とその思いに飲み込まれるのではなく、自分の持つ強みで他の人ためにできることはないか探し、行動を起こしてみましょう。この新たな目的意識が地に足をつけるきっかけとなり現実を生きる力をもたらします。

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まとめ

今回は不安定な生き方を安定的に生きる以下7つの方法についてご紹介しました:
1) 抵抗しない
2) 自分に投資する
3) ヘルシーな方法で自分を癒す
4) 頭に浮かぶことの全てを信じない
5) 確かなことに注意を向ける
6) 助けてくれる人を探すのをやめる
7) カオスの中に意義を見出す

どれもマインドをシフトすることで容易に始めることができることばかりですが、容易であるからこそ元の状態に戻ってしまうことも簡単に起こってしまいます。朝起きた時のベッドの中、皿洗いの時、電車に乗っている時など、7つのステップを確認する自分の対話時間を設定するのもいいですね。

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(寄稿:泉谷道子 - 心理学博士)


*本稿は以下の記事に基づくものです:
Seven Ways to Cope with Uncertainty
What should we do when everything feels so out of control?
BY CHRISTINE CARTER | JULY 27, 2020
https://greatergood.berkeley.edu/article/item/seven_ways_to_cope_with_uncertainty

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