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私達one moreは、ドライクリーニングを極力用いない、人と環境にやさしいクリーニング!というコンセプトでサービスを提供しています。

そうすると、たまに「ドライクリーニングって有害なんですか?」というご質問を受けます。

なるほど、服とは肌に直接触れるもの。その服を洗っている物が有害だと思うと少し怖いですよね。。。

今日は、その質問にお答えするべく記事を書きます!

そもそも、ドライクリーニングって何なの?という方にも分かるように解説致しますね。

この記事は、宅配クリーニングone moreのクリーニング師、久保がお送り致します。

1.そもそもドライクリーニングって何ぞや?


クリーニングにドライもウェットもあるのか?

調べたことがあったり、何かで聞いたことでもない限り、そう思われますよね。実は、普通クリーニングというとウェット(水洗い)ではなく、ドライクリーニングをさすことがほとんどです。

え、水で洗ってないの!?

そうなんです。Tシャツ、ジーパン等のご家庭でも洗えるような物は別ですが、スーツ・セーター等のお店じゃないと洗えない物は、基本ドライクリーニングという手法で洗います。

で、そのドライクリーニングって何?

ドライクリーニングとは、水の代わりにクリーニング溶剤と呼ばれる特殊な液体で洗います。その液体はいくつか種類があって、

・塩素から精製するもの(パークロロエチレン)
・石油から精製するもの(石油系溶剤)
・シリコンから精製するもの(シリコン系溶剤)

などがあります。それぞれの特徴はまた今度お話するとして、ようは、水以外の液体で洗う行為=水を使わない(ウェットじゃない)=ドライクリーニングということです。

ここで疑問がわきますよね。
なんで水で洗わず、わざわざ溶剤をつかうのか?

実は、そこにドライクリーニング誕生の秘密があります。

2.ドライクリーニングの誕生は”洗えない物を 洗えるように”

ドライクリーニングの発祥は18世紀のフランスともアメリカとも説がありますが、そのころクリーニングでは、洗うことによる縮みや、仕上げの大変さが課題でした。

なので、ドレスなどは一度洗った物を元に戻すのは大変なので、使い捨てであったとかいう話も。

そんな時に、アルコールランプのアルコールをテーブルにたまたまこぼした時、「テーブルの汚れが落ちた!」ということから、水ではなく他の液体で洗うという発想が生まれたそうです。

しかも、その洗い方では、シワや縮みが少なく、ドレスも洗える。乾きも早い!というまさに画期的な発明だったのです。

うちの会社でもいち早くドライクリーニングを取り入れました。戦後日本が成長していくにつれ、人々が着る服ももんぺや作業着からスーツに切り替わり、人口もどんどん増えて大量の洗濯物が出さるようになるクリーニング全盛の時代を迎えます。

その対応には、シワなく縮まず洗える、すぐ乾いて仕上げが楽なドライクリーニングの導入は必須だったのです。近所でも熊谷ドライや阿保ドライのように、個人店のクリーニング屋さんでも〇〇ドライとついていませんか?

まさにドライクリーニングは当時のクリーニング業界を支えた画期的な技術だったというわけですね。


3.ドライクリーニングの問題点

さて、ここらが本題です!ドライクリーニングは有害なのか?というテーマに入っていきます。

結論から言うと、問題点は多々あります。我々はその点を重く捉えて、水洗いに切り替えたわけですが、その問題点とは、、、

①化学やけどのリスク

化学やけどとは、高濃度のアルコール等薬品が皮膚に付着することで炎症を起こしてしまう事ですが、ドライクリーニングでも年に数件この事故が起きています。

原因は、乾燥不十分でクリーニング溶剤が残留したままお客様の手元に渡り、着用してしまったこと。

つまり、化学やけどのリスクがあるような、皮膚に直接触れてはいけないような物で衣服をクリーニングしているのがドライクリーニングということになります。

もちろん、お店側が気を付けて、十分に溶剤を揮発させれば問題はないのですが、そもそもそんなリスクがある物で肌に直接触れる衣服を洗うというのに我々は疑問を感じてしまいました。

②土壌汚染等環境に負荷がある

築地市場の移転の時、土中からパークロロエチレンが検出されて土壌が汚染されている!と話題になりました。

このパークロロエチレンは溶剤の一種で、クリーニング店があったところは土壌が汚染されているという話もよく聞きます。

通常に業務をしていれば土中に浸透することはないと思いますが、環境に負荷がある物質であることは間違いありません。

③洗い上がりの臭い

クリーニング後の独特な臭いが嫌!という方も結構いらっしゃいます。その臭いは溶剤の臭いから来ています。

詳しくはこちらの記事に書かせて頂きました!

シリコン溶剤等は、溶剤の種類によっては、臭いが少ないようです。

④規制がなく溶剤の清潔度が店による

溶剤は、使い終わった後、水のように排水口にジャーっと流すわけにはいきません。

なので、機械でグルグルの循環させて繰り返し使っていきます。当然、使えば使うほど汚れていくのですが、その汚れを取り除くのにフィルターを通します。

このフィルター交換の規制がないのです。

つまり、お店によって、コストを下げたければフィルター交換の時期をできるだけ遅らせているというお店もあるのも現実です。フィルター交換が遅いと当然溶剤の汚れが除去できず、汚れたまま服を洗うことになります。

下手をすると、洗う前よりも汚れてる・・・なんてこともないとは言えません。しかも、お店がどれだけの頻度でフィルター交換をしているかなんてお客様から聞けないですよね。

以上、ドライクリーニングには4つの点で問題点があります。

 4.ドライクリーニングは悪か?one moreの見解

ここまでお話をすると、「ドライクリーニングはダメなんですね!悪い物なんですね!」とおっしゃる方がいるのですが、そういうことを言いたいわけではありません。

なぜ、ドライクリーニングが生まれたかというと、「水で洗えない物を洗うため」でしたよね。

なので、全ての衣服が水で洗えればドライクリーニングは必要ないのですが、残念ながら水では洗えない物も少なくありません。

とれてしまうような派手な装飾品、水につけるだけでシワになる、色が落ちてしまう、破れる。。。等水で洗うというのは現状の衣服ではたくさんのリスクをクリーニング店側が抱えなければできません。


メーカーの方からお客様に「ドライクリーニングで洗ってください」と指定があったりもします。クリーニングは自己責任でと言わんばかりのものづくりもたくさんあります。

どうしても今の衣服のものづくりは「繰り返し使う」よりも「使い捨て」を前提としたものになっているように思います。

デザイン・染色・縫製、全ての分野で繰り返し末永く使える文化へとシフトしていかないと、ドライクリーニングを0にするというのはできないでしょう。

one moreとしては、先述のリスクを抱えながらも、水で洗えるものはどんどん水洗いをしていこうと思っています。しかし、ドライクリーニングが悪という端的な物ではなく、それは氷山の一角で、全体の意識をシフトしていかないといけない。

というのが私達の見解であり、大切にしていることです。

皆様も、「使い捨て」から、「愛情をもって繰り返し使う」ことを前提とした買い物、物への接し方を心がけてくださいね。

お読み頂き、ありがとうございました!

ドライクリーニングではなく、天然洗剤&水洗いで洗うクリーニングone moreはこちらからお申込み頂けます。



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