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実体験。治療中の患者が抗がん剤の副作用を解説します。

kazuki-ONEMaster(けいゆう)です。

 前回、入院直後(初日)の検査などを紹介しました。翌日から抗がん剤の投与も始まり、体調が日々変化していきます。
 (※訂正 抗がん剤の投与は翌々日で、入院後すぐに始めたのはベサノイドという白血病細胞を抑える特殊な錠剤でした。半年の治療を終え、通院中にも3ヶ月のうち2週間内服しておりました。2週間分で万単位のお値段で、私の場合は頭痛の副作用が強く出ました。)

 今回は、最初の入院から最初の一時退院までの体調の変化と副作用を紹介したいと思います。記憶がある限りではありますが、ご覧いただけると嬉しいです。
 
 また、現在の治療の一時退院の際に、自宅で書類などを確認し、詳しい内容がわかった場合は修正していこうと思います。

それでは進めていきます。

抗がん剤投与(イダマイシン+シタラビン)

 鼠径部から挿入したCVカテーテルからの投与になります。抗がん剤の前に吐き気止めの点滴から始まりました。30分程度だったと思います。吐き気止めの点滴が終わり、続けて抗がん剤が始まります。

吐き気

 私の場合、脳出血による頭痛と吐き気が酷く、さらにベッド上安静と絶食でしたので、抗がん剤による吐き気やだるさをあまり感じないまま数日過ごしました。
 食欲はなくなりますが絶食だったし、食べていないのもあってか、吐き気がしてもそんなにキツくなかったです。

 “吐き気”については、最初の抗がん剤のときはこんな感じでした。ただ、これでは参考にならないと思うので、地固め療法以降の状態を少しお話させていただこうかと思います。

 抗がん剤を投与して間もなく、普通の胃もたれ、ムカムカなどとは少し違う、こみ上げてくるような吐き気がして、胃部に苦しさもありました。胃が張っているような感じです。

 昨今では吐き気止めも進歩して(いるらしく)、ずっと吐き続けるような人はいないそうです。私も、現在の治療までで嘔吐したことは無く、病院食を残したことすらありません。

 ただ、その吐き気止めにもいろいろあって、私の場合は1種類合わないものがありました。
 注射(静注)のものでしたが、症状は精神的なものでした。閉塞感といいますか、急に病室が狭く感じたり、どうにもならないぐらいイライラして、意識していないのに手足に力が入っていたり、言葉で表現するのは難しいですが、確かに合わないものでした。

 合わないことをどうやって認識したかと言うと、私が入院している病院では、新しい薬を使い始めたときに薬剤師さんが副作用など、症状について確認しに来ています。その時に、薬剤師さんから言われて初めて確信しました。

 薬剤師さんに言われるまでに5〜6回程、投与をお願いした記憶があります。最初はもちろん気がつかないので、精神的におかしくなるのは入院生活のストレスが限界に来ているからなのかと思ってました。
 ところが、日を置きながら3回目、4回目と投与しているうちに、どうも吐き気止めの注射の後だけ精神的におかしくなるなと思い始めていました。
 それからさらに1回か2回投与した頃、たまたま薬剤師さんとお話をする機会があり、その時に言われて初めて確信に至りました。

 “吐き気”から少し話が逸れてしまいましたが、合わない薬はあるものです。別の記事で紹介しますが、私は他にも点滴で合わないものがありました。
 薬を使って何か変化があった場合は、些細なことでも速やかに先生や看護師に相談することを勧めます。

排泄

 まず尿に関しましては、抗がん剤の色がそのまま出るぐらいかなと思います。私のは、緑や青などありました。そのままの色のが約1日出ます。

 ちなみに、点滴が多くなると体重がみるみる増加し、手足もむくんできます。それを管理する為に体重制限をつけられますが、制限を超えると利尿剤を使います。
 具合が悪いとき、CVカテーテル、また、点滴スタンドで移動するときに数分おきのトイレはなかなか大変でした。

 排便につきましては、3〜4日目にかけて少しずつ便秘気味になりましたが、5日目ぐらいからは突然、下痢に変わりました。そこから1週間ぐらい下痢で、それ以降もゆるい感じがしばらく続きます。

 先生からは、“腸の粘膜がただれる”というニュアンスで言われたような気がします。実際になるとイメージしやすいと思います。

 便の話題からついでにいきますが、単純にトイレの回数が増えるという要因もありますが、粘膜が弱ることで切れ痔などになる人が多いようです。
 私はあまり酷くなりませんでしたが、出血が多い場合(というか少しでも出血したら)、感染症の対策など必要になります。即、先生、看護師に相談です。

口内炎

 粘膜、というワードから続けてお話をします。口内炎ができやすくなります。うがいの徹底と痛み止めの使用になるかと思います。
 私もそうでしたが、歯磨きの際、力を入れてブラッシングしている場合だと歯茎下がりも酷くなり、口内炎もあると磨くのに一苦労です。ブラッシングを見直すいい機会になりました。

体温(熱)

 熱に関しましては、白血球の数値が上がり、体調が落ち着く頃まで安定しませんでした。
 何もしていなくても突然38.0℃、39.0℃に上がり、頭痛、寒気、だるさなどの症状も出ます。
 それでも案外、熱が上がっても何ともない時もあって、軽く筋トレしちゃったりしましたが、結局、夜になって具合悪くなったりもしました。

 病院により規定があるかと思いますが、私が入院している病院(病棟)では37.6℃以上の熱で採血、検査となってます。
 ほとんどの人はそうだと思いますが、何回も採血するのは嫌ですね。

脱毛

 こちらは画像あれば良かったのですが、当時のはないので、今後の治療の際に撮れたらと思います。

 抗がん剤の投与開始から10日〜14日ぐらいだったでしょうか、お風呂(シャワー)で髪を洗う時に突然、大量の抜け毛が手や体に付きました。流せば流すだけ抜け落ちました。
 翌朝には、枕にびっしりと抜け毛が付いていました。手で髪を触るだけで抜けますし、手ぐしでサッと抜け落ちます。ここから4〜5日は抜け続けます。
 そして、ほとんどが1回の抗がん剤できれいに抜けるわけではなく、ハゲ散らかしてみすぼらしくなったところで落ち着きます。

 特に髪の抜け毛に関しては、ドラマやよくある再現VTRのイメージで合ってると思います。手ぐしでサッと、指の間に大量の抜け毛が・・・って感じです。

 ちなみに、男性の場合は、半年〜1年でそれなりのショートヘアにできます(私も1年ぐらいでいい感じになりました)。
 ただ、女性の場合は特に、髪が抜けるのは精神的な苦痛も大きいと思います。ベリーショートでない限り、戻るまでの期間としても1年〜2年はかかるのかなと思います。
 ここはご家族の支えなどがあると、少しは気持ちが楽になるかと思います。

 体毛については、ある程度抜けても、けっこう残ってる人が多いようです。私も少し抜けてる程度でした。

 ヒゲも徐々に抜けて、少しの間だけつるつるになります。ただ、真っ先に生え始めるのもヒゲでした。

 眉毛、まつ毛についても、やはり抜けます。私は入院前から眉毛は描いてたので、とりあえず、あまり気にしませんでしたが、まつ毛はそこそこ多かったのが薄くなったのでショックでした。
 こちらは、1年もあればちゃんと元に戻ります。

 “二枚爪”になりました。なったことがある方はわかるかと思いますが、先端が薄くなるのではなく、付け根(根元)から突然薄くなります。
 最初のうちはいいんですが、それが伸びて先端付近まで来ると、爪の厚い部分の端がタオルなどに引っかかることが多いです。間違って引きちぎって出血となると大変です。

味覚

 特に初回の抗がん剤のときが酷かったんですが、味覚にも異常が出ました。抗がん剤投与から3〜4週間ぐらいたった頃だと思います。

 ある朝、牛乳を飲んだときに、まるで洗剤でも飲んでいるかのような風味を感じました。他の食べ物についても、やはり普段と違う感じで、さらに、何も食べていないときは常に口の中が甘ったるい感じがしていました。

 対策として、普段、牛乳を飲んでいたのを亜鉛を多く含んだ飲み物に変更してもらいました。
 味覚につきましては、そこから3週間ぐらい、一時退院の頃にはだいぶ良くなり、いつの間にか気にならない(回復した)状態になりました。

 冬場だったこともあるかもしれませんが、抗がん剤の影響でかなり乾燥しました。普段から化粧水は使っていましたが、全然間に合わず、乾燥が酷くなる一方でした。
 顔も体全体も乾燥して、手の届かない背中などは看護師さんにクリームを塗ってもらったりしました。
 ちなみに、私はヒルドイド(美肌クリームとしての人気もあるようです)を処方してもらいました。効果抜群ですので、先生に相談してお願いしてみるといいかもしれません。

 再発の時には小型の加湿器を使いました。肌に限らず、のどの調子も良くなりました。病室の湿度管理がされておらず乾燥している場合は加湿器は有効かと思います。

筋力、体力

 最後に、筋力、体力については、言うまでもありませんが確実に低下します。
 私の最初の治療の場合は、絶食にベッド上安静だったので当然ですが、抗がん剤そのものにも筋力を低下させる作用があります。

 また、最低限の栄養の病院食では身になりませんし(胃腸の状態も悪いですからね)、ほぼベッドの上での生活では想像以上に体を動かしておりません。病棟内を散歩する程度では到底リカバーできないです。それゆえ、以前の記事で運動、トレーニングを勧めております。

 しかしながら、『歩くのがやっと』の状態から『普通に歩けるようになった』とか、『具合が悪い』または、『点滴が多くて動けない人』、『検査直後』、『白血球、好中球など、データが下がっている人』などは無理をする必要は無いですし、先生とよく相談したうえで、目標としているところまで回復できればいいと思います。

 いかがだったでしょうか、初回の化学療法は、だいたいこんな感じでした。参考になれば幸いです。
 最初の一時退院の頃には吐き気と頭痛は無くなり、熱も安定していました。
 特に、吐き気のところでお話した、“薬が合わない”ことについては、同じ病室や病棟に会話をする人がいれば、その人に話してみることからでもいいと思いますし、確実なところであれば、やはり先生や看護師に速やかに相談するのが良いと思います。

 次回は、入院生活の続きについてお話する前に、“闘病”という言葉について記事を作成したいと思います。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 抗がん剤の名称の追記と、投与期間について訂正と追記をしました。2020/06/23

簡潔にリライトした記事もあります。よろしければご覧ください。https://onemaster.info/2020/09/22/kouganzaifukusayou/

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