月百姿 おもひきや雲ゐの秋のそらならて竹あむ窓の月を見んとは 秀次
関白・豊臣秀次は秀吉の数少ない成人した親類(秀吉の姉ともの子)で政権の後継者として栄華を極めつつあったものの、秀頼の誕生によって一変する。京都聚楽第から高野山蟄居した後、さらにいわゆる秀次事件として本人のみならず一族郎党の切腹へと繋がった。同時に人々の不興を買ったであろう、豊臣政権の短命化につながってしまったのかもしれない。
漫画センゴクの秀次の最後のシーンはこの月百姿を参考に描いたようだ。天才秀吉についていくことができない木下家の秀才・秀次が精神を追い詰められながらも、一代で天下人となった秀吉の人間的限界を追及した場面は屈指の名場面だった。
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