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書くことで、文化を残していく

越後上布や小千谷縮の原材料でもある、からむし。
本州で唯一からむしを栽培し、繊維にしているのが、福島県昭和村らしい。

でも、その技術を継いでいるのは、いまや数人だけ。

こうした失われつつあるからむしの作業を伝える〈渡り舟〉のおふたりが、文章と写真で残そうと書籍『からむしを積む』の制作を企画。(からむしの繊維をさいて、糸を作ることを積む(うむ)というらしい)

哲学者の鞍田崇さんの文章と、写真家の田村尚子さんが写したありのままの昭和村が記録されている。

日本各地に継ぎ手が少なくなっている文化がある。

生業だけではない。
祭りやどんど焼きなどの行事や習わしも続いていかないかもしれない。

10年先はあっても、50年先に続いているかは分からない。
正直、今ある文化をすべて繋いでいくことは難しいのが現状だ。

だからこそ、文章や写真で文化を残していく。
生業が、行事が、習わしが、確かにこの地で行われていたこと。
その軌跡を残すことが、私たちの役割なのかもしれない。

もうずいぶん前だけど、玉川堂で行われていた展示を見て、そんなことを考えていた。

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