ワンセント

「変わり者」と呼ばれています。風変わりなトピックを記事にしていきます。著書 『オランダ…

ワンセント

「変わり者」と呼ばれています。風変わりなトピックを記事にしていきます。著書 『オランダの香り』

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著書 『オランダの香り』

風変わりな私(ワンセント)による人生初の電子書籍になります。未熟者ゆえ、力不足な点は否めませんが、精一杯書き上げましたのでどうぞよろしくお願い致します。

    • Leidenの街

      オランダの不思議な街。 Leiden(ライデン)を初めて訪れたのは20代前半の頃だったと思う。私はまだバックパッカーに夢中な大学生だった。 ライデンは、シーボルト(江戸時時代に長崎の出島で研究職を務めていた)により開拓された街らしい。ただ、私の記憶に間違いがなければ、シーボルトはドイツ人だったはず。なぜにオランダに関与しているのだろうか? 私はその辺の事情にまでは詳しくはない。同じ新教国ゆえに、ドイツ人でも出島への居住が許されたのかも知れない。 オランダに渡った当初、私

      • 大晦日〜真夜中に山に登る〜

        2023年大晦日。人里離れた辺境の地。低山の頂には神社があるという。もはや人が住んでいるのかどうかも知り得ないが、とにかく山へ登ってみることにした。そう、一応は初詣。エキサイティングな真っ暗な山道。 その1 不気味な登山道の入り口 参道。道はアスファルトで舗装されている。タイヤの跡からも、日中は人の出入りがありそうだ。さて、ここを歩いて行く。 その2 空気の薄い細道 なだらかな坂道。だが随分と息苦しい。夜は草木が光合成をしないからか? カサカサと物音がする。まさか熊じ

        • 老人と山

          年の瀬に山を歩いた。 奥行きのある冬の空。 日中なれど霞むような空気。 世間では本日が仕事納めであろうか? 年末年始の休暇が待ち遠しい方々が大勢いらっしゃるかと思う。風変わりな私にとっては、享楽からは距離を置き、ストイックに身体に追い込みをかける時期でもある。例年この時期になると、山から人の気配が消える。登山及びキャンプ愛好家を除けば、真昼間に山歩きなぞをしているのはよっぽどの変人であろう。 私は黙々と山を歩いた。ザクッ、ザクッと、そんな足音が心地よく響く。林道をしばらく

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        著書 『オランダの香り』

          ひろっちゃま、レスパイトへ行く(後編)

          8日目 ひろっちゃまと尊師 「そんしー、そんしー、そんしそんしそんしー🎵」 なぜかあの凶悪テロリストを崇めるひろっちゃま。ひろっちゃまもそのうち本当に空中浮遊ができるようになるかも知れない。私の同級生にもひろっちゃまみたいな奴がいたな。坐禅しながらピョンピョンしてたっけ。 そう言えば、地下鉄サリン事件が勃発した当時、ひろっちゃまは何歳だったのだろう? おそらくまだ20歳前後では? 特に何が言いたいわけではないが、とりあえずは光陰矢の如し。へけけ。 9日目 スペースに登場

          ひろっちゃま、レスパイトへ行く(後編)

          深夜のコンビニ

          私「ごめんくださーい」 応答はない。私は再度声を張り上げた。 私「お会計お願いしまーす」 すると、カウンター越しの奥の部屋から老齢のおばあちゃん店員が顔を出し、そろりそろりとレジまで歩いてきた。 店員「ごめんなさいねぇ。今お会計しますね・・・」 店員さんは僅かに息を切らせていた。 私「いえいえ、夜分に申し訳ないです」 私は急に忍びない気持ちになった。まさか高齢の方がお仕事をされているとは。私は想定すらしていなかった。しかもこんな遅い時間に。 店員さんの年齢は80歳ぐらいだろ

          深夜のコンビニ

          ひろっちゃま、レスパイトへ行く(前編)

          2023年師走。今年も富山のひろっちゃまがレスパイトへと向かった。レスパイトは、暖かく快適だ。だけど、どことなく寂しい。晴れ時々缶コーヒー。我らがひろっちゃまは、今年もやり遂げた。 レスパイト前夜 「あ、あぁ…自撮りyoutubeやわー」 レスパイト入院を前日に控え、ひろっちゃまより熱いメッセージ。締めはニワトリのようなヘアスタイルで、さいならっきょー。 1日目 いざ出陣! 本日はレスパイト入院の日。早起きして準備に取り掛かる。無心で荷物をまとめる母君の後ろ姿に、悲し

          ひろっちゃま、レスパイトへ行く(前編)

          思い出の牛すき鍋膳

          今年も吉野家にあの定番メニューが帰ってきた。「牛すき鍋膳」が寒い日に食欲をそそる。甘くて、具沢山で、そして何よりも美味しい。 「どれ、牛すき食ってくるか…」 いつも口癖のように言っていた。 ずっと昔にお世話になった人を思い出す。前職場の課長である。私は当時20代半ばの新人。課長は50歳だった。夕方5時近くになると、課長は決まって吉野家へと向かう。そう、「牛すき鍋膳」は、独身課長の好物だった。 課長は働き者で、休日出勤をものともしないタフガイ。だけど、要領が悪いからいつも

          思い出の牛すき鍋膳