【CAS@大阪】 非営利のアートスペース

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皆さんは「非営利のアートスペース」と聞いてどのような印象を持つだろうか?



どのような活動を行なっているのか?

お金儲けのためだけなく、何を信念にやっているのだろう?

と気になる方も多いと思う。



なので、今回は大阪の難波にある特定非営利活動法人キャズ(CAS)を運営している


運営委員長の笹岡さんと副委員長の新堀さんに話を伺った。



(写真右:笹岡さん、写真左:新堀さん)


CASは今年で設立20年を迎える歴史ある団体だ。

その間にも天満橋、谷町四丁目、本町など、場所を移転している。



CASという名前は、Contemporary Art and Spirits の略である。

この「Contemporary Art」は、現代アートという意味であり、

「Spirits」は、魂や精神ではなく、「お酒」という意味である。


なぜギャラリーの名前に「お酒」という意味が入っているのだろうか。


それは、「アート」の本場のヨーロッパでは、アートイベントの最初には必ずお酒を飲み、アートについて楽しく語らう場だからである。


その当時、ヨーロッパで笹岡さんと共に活動を行なっていた友人がアーティストや関係者のためのバーを開き、アートを盛り上げていたことがその名前の由来である。



各ゆえ、作家としてもご活躍される笹岡さんが、西欧で展覧会などの多くの活動を行う中で、日本と西欧のアートの違いを感じ始める。

「日本では西欧と同じことをしても伝わらないのではないか。」

「日本のアートの場を耕す必要があるのではないか。」

という想いを胸に設立したのがCASである。



アートを私物化せず、ここでやりたいという人は誰でも展覧会を行うことができるような場を作る。


非営利であることにより、営利目的において発生するしがらみから解放された美術を創り出すことができる。


そして、しがらみから解放された美術は、すべての人に美術の自由を与えることができると考えている。



展覧会は、キュレーターを立ててアーティストを選び、取り行うというシステムになっている。


もちろん、基本的に門戸は開かれているが、キュレーションによる精査をきちんと行うため、展覧会のクオリティは高いものとなる。



CASでは基本的に作品の売買はせず、アーティストやアートの現場にとってのエクスペリメンタルスペース(実験的な場)になっている。



取り扱う作品は、主にコンテンポラリーアートである。



笹岡敬 <Luminous>


また、CASはyoutube上で、アーティストトークを発信している。

URL  https://www.youtube.com/user/CASnpo 


CASの運営は無給で参加する協力者によって開かれており、無給だからこそ得られるやりがいを感じながら、展覧会の成立を目指す。


現在(2018.9.8-9.22)は「The Astrologer Who Fell Into A Well 展」を開催している。



「CASのなかに、小さいヨーロッパのようなアートのシステムを作っておきたい」と語る。


すなわち、アーティストやアートの愛好者が自発的に活動する「アートシステム」である。


アーティストの役割は展覧会を開くことだけではなく、メッセンジャーでなければならない。


アーティストが様々な場所に行き、経験をするいうこと自体に意味があり、そこで世界の情報をミックスしていくのである。


日本におけるアートの役割が硬直化してきたときに、CASという「場所」があることで、アートをもう一度考え直すきっかけになるのではないだろうか。



笹岡さん、新堀さん

取材にご協力いただきありがとうございました。













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