台風19号の被災地・長野市を巡る 「デジタルスタンプラリー」

台風19号が大きな被害をもたらしてから1年が経ちましたが、依然として長野地域の復興活動は続いています。
「ONE-NAGANO」取材班は、いま、長野地域でがんばっている、「復興のカタチ」を紹介します。

今回は、長野市内で展開している復興祈念事業「いまこそ応援『がんばろうNAGANO2020』」のひとつ、被災地の今を知るデジタルスタンプラリー[開催期間:2020年10月3日(土)〜11月8日(日)]を体験しました。

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参加方法は、長野市内6地区・8カ所の施設や直売所にあるチェックポイントにあるQRコードをスマホのカメラで読みとるだけ。とくに面倒な登録は必要ありませんでした。
しかも、4個以上集めてアンケートに答えると記念品がもらえるとのこと。

【デジタルスタンプラリーのチェックポイント】
(それぞれ台風19号で被災した地域です。)
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【長沼地区】  長野市長沼支所・交流センター奥
         ながの農協・直売所「アグリながぬま」
【豊野地区】  豊野温泉「りんごの湯」
【古里地区】  北部スポーツ・レクリエーションパーク
【篠ノ井地区】 南長野運動公園
【松代地区】  グリーン長野農協・松代農業総合センター直売所
         ロイヤルホテル長野
【若穂地区】  温湯温泉「湯~ぱれあ」

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まず向かったのは、豊野・長沼方面。

長沼地区を通る国道18号の周りにはりんご畑が並ぶことから、通称「アップルライン」と呼ばれます。
台風19号発生時は、まさに収穫最中の一番大切な時期だったのですが、そのほとんどが水に流され甚大な被害に会いましたが、今年もしっかりと赤い実をつけていました。

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アップルラインを通り、豊野地区へ足をのばし、チェックポイントのひとつ、「豊野温泉 りんごの湯」へ到着。

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階段を上がってすぐの出入り口のところにQRコードがありました。
折り鶴の絵で作られたハートの中にQRコードがあって、かわいい。
ケータイのQR読み込み機能を立ち上げて、読み込むだけ。

そうすると……

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台風19号で起きた豊野地区の被害記録が表示されました。
QRを読み込むと、その地域の被害の概要がわかるようになっています。

また、周辺の飲食店の情報などもありました。
その場で1年前の被害状況を見ると、今は復旧再開をしていますが、
当時は大変だった事をリアルに知る事ができました。

そのページをスクロールしていくと一番下に、
スタンプラリーの「スタンプを押す」ボタンがありました。
そのボタンを押すとこんなスタンプが出てきます。
そして、折り鶴のマークのあたまの部分がピンク色に染まりました。 

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「豊野温泉りんごの湯」は、1階部分が80cmまで浸水して、主電源や機械設備などに被害が発生。約2ヶ月休館をして一部再開。今年10月19日に全館再開。源泉かけ流しで、毎月5のつく日は、りんごが湯舟に浮かぶ「りんご風呂」になるそうです。1階には、農産物直売所もありました。
今回は、スタンプ目的だったので、今度はりんご風呂の日にお邪魔したいと思います。

千曲川堤防近く。被害の大きかった長沼地区へ。

災害時、長沼支所は平屋建ての建物で、3m以上あった天井まで水が来ていたそうです。現在、長沼支所はプレハブの仮設の建物でした。

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同じ敷地内にある長沼体育館は、被害にあった時のまま。
被害の凄さを物語っています。
そのすぐ近くにQRコードの看板がありました。

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堤防の修復も進んでいましたが、まだ大きな土嚢もありました。
そして、QRコードの看板の回りは更地になっていますが、そのあたりには神社や住宅があったそうです。

そのあとは、同じく長沼地区の直売所「アグリながぬま」

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長沼周辺のりんごや野菜など沢山の農産物が売られていました。
りんご畑や農作物の畑などにも、大量の土砂が流れ込み、作物が取れるまでは大変苦労されたそうで、作る事をやめた方もいるとか……。

スタンプラリーのQRコードは、外にありました。

場所を移して、松代地区へ。

高速道路「長野IC」近く。松代にある「ロイヤルホテル長野」へ。
台風19号発生時は、ホテル周辺も車が埋まってしまうくらい水が来ていたそうです。

スタンプラリーのQRコードはロビーにありました。
そこには台風19号の被害写真のパネル展示が行われていました。

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地元の皆さんが集めた写真という事で、生々しい被害の状況を知ることができました。

スタンプ4つが集まったので、記念品と交換。

引換場所であるロイヤルホテル長野でアンケートに答えて、オリジナル記念品をいただきました。
オリジナル記念品は、復興祈念りんごとオリジナルのマスクケースか、バッチのどちらかがいただけます。
友人も一緒にいたので、ひとつずついただきました。

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1年たった今もまだまだ復興の途中。

「デジタルスタンプラリー」を使って被災地域を周りましたが、場所によっては、時間があの日で止まってしまったような所もありました。
被災された方々がどんな想いでこの1年を過ごしてきたのか図り知れないところもありますが、確実に復興に向けて進んでいる地元の方々の元気な姿も見る事もできました。
自分のできる事は微力かもしれませんが、こうした発信を続けていきたいと改めて思いました。