百華王の甘え
ふんわりとではなく、ぶあっと。
姿形、そして香りで、強いインパクトをもち、私を惹きつけた貴方。
強がりで派手好みで、負けず嫌い。
誰もが、貴方のその存在に魅力される。
古来より、人々にちやほやされて御満悦な貴方。
でも、誰にも言えない寂しさも、うち秘めている。
人々が去った後、私は、そっと香りを嗅いでみる。
強いけど、心の底では、『ただ一人の大切な人にずっと愛してもらいたい。』
そんなほのかな甘えん方な一面を見せて。
私は、深紅の花弁を撫でる。
しっかりとしているけど、しっとりと柔らかい。
誰よりも華のある貴方。私は静かに、貴方を愛でる。
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