A:漫才のコンテストがあるんだけどさ。 B:おお、いいじゃん。やろうよ。 A:漫才やるんじゃないんだよ。 B:どゆこと? A:台本。 B:何それ。漫才の台本を評価すんの? A:そうみたい。 B:へー、よくわからんな。ちな賞金は? A:5万。 B:しょぼ! A:ちっちゃい賞は大体こんなもんだよ。 B:新しいSwitch出たら買おうと思ったのに。 A:お前それ前にも言ってたな。賞金の使い道、Switchしか考えてないのかよ。 B:内容も賞金もなんだかなあ。正直、テンションあがらん
A:選挙ですね。 B:選挙ですな。 A:ついこないだ知ったんだけどさ、白票って意味ないらしいぜ。 B:え、そうなん。誰の名前も書かずに投票するやつでしょ。 A:そうそう。てっきり「入れたい人いませんがな。ほなわし、さらのまま出しますさかい、あんじょうやりや」て意思表示でやってたけどさ、意味ないんだって。 B:マジかよ。なぜコテコテの関西弁なのかは謎だけど、そうなんだ。 A:むしろ「誰でもいいですわ」て丸投げしてるのと同じらしい。つまり”その目は死んでいる”わけですよ。 B:そ
◯とある会社の屋上 休憩しているAの元にBがやってくる。 A:おやあ、営業1課のエースじゃないですかあ。 B:やめろや。何観てんの。 A:『ダンダダン』。おもしれー。 B:へー。 A:それより聞いたよ。6カ月連続で社内の売上最高記録更新中なんだっけ。 B:おかげさまで。 A:すごいねえ。何か裏でやってんだろ。 B:まあね。 A:マジ?教えろよ。 B:やだよ。 A:別に俺に教えたところで部署違うし関係ないじゃん。 B:それもそうだけどさ、いうても機密情報だし。 A:じゃあ
◯電車 車両に乗り込むビジネスマンA。 どこか疲れた様子。 出発する電車。 何気なくスマホを取り出すA。 画面:『<小説>帰宅電車』 おや、という表情でタップ。 * * * 男は疲れきっていた。 上司の圧力、同期の活躍、後輩の反発。 とはいえ、この種の憂いは特別な悩みでもあるまい。 仕事もある。家庭もある。これを幸せと呼ばず何が幸せか。 しかし、自分の思い通りにならず満たされない毎日。 これといった趣味もなく、自由に使える時間も金も心の余裕もない。
A:TBSの公募出した。 B:ほう。 A:うまく行ったらTBSのドラマで華々しくデビューですよ。 B:おお、いいね。賞金は? A:300万。 B:すご!Switchのゲームが全部買える! A:誰が買うか。一気に300万分のゲーム買ってもどうせやらねーだろ。 B:そうか。 A:まあ、いい報告ができたらと願ってますけどね。どうなることやら。 B:ちゃんと努力してるんだな。……最高じゃん。 A:おお、ありがとう。 B:いつか絶対売れるよ。 A:いつかじゃ困るわ。 B:それはもう実力
A:個性を出そうとするのはやめた。 B:何よいきなり。 A:今までは変わり者扱いされくておかしなことばっか言ってたけど、これからは普通の回答をしようと思う。 B:どうぞお好きにって感じですけども。じゃあ、好きな食べ物は? A:揚げごま団子。 B:普通かなあ。 A:普通だろ。少なくとも奇をてらった感じではないでしょ。 B:いや微妙だと思うよ。 A:以前の俺なら「アンデルセンのメロンパン」つってボカンだったけどね。 B:ボカン……? A:大爆笑。 B:んなわけないだろ。ていうか、
A:ネットカフェ行ってさ。 B:ほお、ネットカフェ。いいですね。 A:ドリンクバーあるじゃん。 B:ありますね。 A:何飲もうかなー、て思ってたらさ。英国紳士的なおじさんがいたの。 B:はあ。 A:こんなジェントルマンもネカフェ来るんだなあと思って。 B:たしかに違和感あるっちゃあるね。 A:どうやらドリンクバーの使い方がわかってないみたいなのよ。 B:はいはい、初見だとよくわかんないもんな。 A:どうしました、つって。 B:話しかけたの? A:おお。メイヤイヘルピュ?つって
A:どうもー、カーニバルのように陽気で楽しい笑いをお届けにまいりましたー、カニバルズです。モジャコー。 B:棒読みするぐらいなら言うなよ。 A:そうですか。 B:すみませんみなさん、よろしくお願いしますね。 A:えーと、はじめましての方も多いと思いますが僕らは「考察系漫才」なんてものをやらせてもらってまして。 B:そうでしたっけ。初耳ですけど。考察系漫才? A:最近、マンガとかドラマの考察コンテンツあるじゃないですか。 B:あー、作中の細かい描写やセリフをファンが読み解いて、
A:まだ暑いですな。 B:ね。9月入ってもこの暑さ。 A:10月も暑さが続くとかいうからね。どうしたもんかいの状態ですわ。 B:たしかにね。まだまだ暑いわけで。あら。 A、ハンカチで額を拭う。 B:上品ですねえ。今までハンカチなんて使ってなかったのに。 A:まあ、僕もいい大人ですから。ところで。 B:はいはい。 A:感動する夢見てさ。 B:ほお。 A:タイトルは『最後のダコタ族』。 B:夢にタイトルとかあるんだ。 A:まあ、聞いて。ダコタ族っていう少数民族なんだけど、いよい
A:売れたいなー。 B:まだ言ってんのかよ。すみません、詳しくは前回のネタを見てもらえるとうれしいんですけど。 A:そりゃ売れたいだろ。え、売れたくないの。 B:実は別にって感じで。 A:おいマジか。もっと必死になれよ。 B:ダメダメ。 A:何が。 B:売れたいなんて言ってると、いつまでも売れないね。 A:ええ。 B:スピリチュアル系の本にハマってた時期あってさ。 A:やば。 B:別にやばくはないだろ。 A:水をポジティブに飲むとピラミッドパワーでお金持ちになれるってやつでし
A:あれ、何食べてんの。 B:ばかうけ。 A:あらー、いいですね。 B:よかったら。 A:おえ、ども。珍しい。 B:いっぱいあるから。 A:なぜ急にばかうけ。 B:CM。 A:ほお。 B:ザコシのCMがめっちゃいいんですわ。 A:あそうなん。 B:観てない? A:ちょっと存じ上げないです。 B:ではリンクお出ししておきますね。 A:はえ。 B:ビーイーエフシー…… A:読み上げるスタイル。 B:ウソですよ。こちらです。https://befco.jp/bakauke_pr
A:最近やけに暑いよな。温暖化の影響かね。 B:さりながら。 A:さりながら……? B:エアコンをはじめとする文明の進化にも驚きだよね。 A:ああ……でも家涼しい、外暑い、電車涼しい、外暑い、会社涼しいてんで温度差めちゃくちゃよな。 B:けだし。 A:けだし……? B:今やこのコンクリートジャングル、東京こそが試される大都会と言えるかもね。 A:こう暑いとさ、「すみません、暑くて遅れました」とか「暑いからやめよう」とかいろいろ寛容な社会になって良いようなもんだけどな。 B:か
A:勉強捗ってる? B:浪人生が浪人生に言うセリフじゃねえだろ。 A:夏を制したのに受験を制することができなかったでおなじみの。 B:うるせえな。お前もだろ。 A:夏はどうもモチベーションあがんないすわー。 B:まあねえ。 A:オリンピックばっかり観ちゃって。 B:そうなの。 A:不思議なもんでさ、別に興味ないのよ。 B:なにが。 A:選手も、競技も、もっと言ったら日本がんばれとかも別に思わない。 B:じゃなんで観てんだよ。 A:わっかんない。 B:現実逃避じゃん。 A:かも
インタビュアー:金メダルおめでとうございます! 優勝者:うぃーす、あざーす。インスタ撮っていいすか、うぇーい。 インタビュアー:今の率直な気持ちをお聞かせください。 優勝者:最高でーす。超絶気持ちいい。何ともいえねー、やばたにえん。 インタビュアー:史上最高記録という偉業達成です。 優勝者:自分で自分を褒め倒してやりたい、つーか。今まで生きてきた中で4番目ぐらいに幸せっす。 インタビュアー:勝因は何だったと思われますか。 優勝者:最高で金、最低でもピンクつーマインドかな。あと
A:突然で申し訳ないんだけどさ。 B:ほえ、なんでっか。 A:ぼたもちって何? B:ええ、いきなりだな。 A:昔話とかに出てくるイメージあるじゃん。ぼたもち。でも生涯食べたことも見たこともないと思ってさ。ぼたもち。 B:ああ、たしかに。 A:もちなの? B:もちではないんじゃない? A:ぼたってなに? B:質感?量感?ぼてっとした手持ち感とか。 A:スーパーとかで売ってるの? B:いや、どうだろう。俺も見たことないな。 A:何屋さんで食べれるの? B:知らんねえ。 A:謎の食
◯会社の喫煙所 スマホをいじりながら、たばこを吸っているA。 そこにBがやってくる。 A:おう。 B:うす。 Bはライターを落としたり、たばこの向きを間違えたり不自然。 A:なんでそんなドタバタしてんだよ。落ち着かねえな。 B:それがさ、一昨日からあれがないんだよ。 A:なにが。 B:ぎこちが。 A:ぎこち? B:ぎこち。 A:あ、「ぎこちない」ってこと? B:どうもここんとこ何をするにしてもヘタなんだよなあ。 A:ええ、おかしな人。 B:おぼつかでも