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ドイツでクビになった時にやること

ドイツで会社員(iOS開発者)として働いていましたが、2024年7月末、会社をクビになりました。

クビの原因は、勤務先の会社の業績不振に伴うCEO辞任かつリブランディング、それに対応するための組織の再編成と聞かされています。

先日Termination agreementにサインし、正式に会社を辞める運びになりました。もちろん個人の状況によって異なると思いますが、備忘録として自分のケースや自分のやったことを書き留めておきます。

ドイツでのクビ(解雇)とは

タイトルではクビというキャッチーな単語を使用しましたが、実際紙面上は「会社都合の理由ではあるが、双方が同意をした上で契約を解消した」ということになります。

ドイツは正規雇用の社員は非常に手厚く守られています。基本的にドイツの会社で試用期間(主流は最初の6ヶ月)を超えて正社員として働いている場合「明日から会社所属じゃないよ」というタイプのクビは発生しません。

もし、勤務状態やパフォーマンスに問題があったりするようなことがあった場合、会社はAbmahnung(警告書)というものを正式に発行し、それでも改善が見られなかった場合、クビにすることができます。

しかし、業績不振などの会社都合で人員整理を行う場合、法的な処理(時間もお金もかかる)を取らず、それ相応のパッケージを提示し双方の同意のもと契約を解除するという方法が用いられることがあります。

今回はその後者が自分に発生しました。

実際にクビになった場合

もし会社主導でこのようなことが発生した場合、取りうることは2つあります。
1. 条件を理解して、パッケージに同意して解約同意書にサイン。
2. (こちらは詳しくありませんが)不当な解雇だとして、法的な処置を取る。(時間とお金がかかる上、もらえるものもパッケージと変わらないことも。会社的にも避けたいが会社側が何か証拠等を出した場合、退職金等が発生しない場合もあり)

私は今年中には転職しようと決断していたので、面倒なことを避けるためにサインすることにしました。

ドイツの一般的な雇用契約には、必ず解雇通知期間というものが設定されています。これは普通に辞める場合も事前に通知をしてその期間が過ぎたのちに正式に雇用契約が解消されるというものです。僕の周りはその期間が3ヶ月というところが多く、実際に自分も3ヶ月でした。(勤務年数に応じて変更することもあります)そのため基本的に解約同意書には、契約解消の実際の日付は現在の日付+解約通知期間で、それまでは書面上は会社に所属しているということになります。

実際に受け取った解約書のおおまかな内容はこちらです。

  • 契約解消日時は2024年10月31日(通知が行われたのが7月最終週)でそれまでは通常通り給与が発生する。

  • 契約書にサインすると、社員アカウントが停止され、契約解消まで仕事をする必要がない(Garden leaveと言います)

  • 最終給与支払日には解雇手当が支払われる。(具体的な条件は避けますが、一般的には月間給与*勤続年数*0.5程度と言われています。こちらは必須ではなく、最初提示されないケースもあるようです。)

  • Recommendation/Performance letterを良い評価で発行

  • 勤務に使用したデバイスをデータを初期化した上で付与

上2つはほぼ必ず入ってくる条件で、それ以外は任意だと思います。

雇用解消条件を受け取ってやるべきこと

雇用解消を提示された場合は、まず経験のある知り合い、いなければ弁護士に相談しましょう。

聞いた話や自分の体験談だと、通常会社は最初から最大出せる条件をオファーしてきません。相場感や会社の規模、法律を知っている方にアドバイスを求め、できるだけ交渉をしましょう。また失業保険を雇用解消後すぐに受け取れるような契約書になっているかなども確認する必要があります。

去年レイオフで実際に影響された同僚が何人かおり、その同僚から詳しく話を聞いていたことや、弁護士の友人に相談し、弁護士費用を払う労力や費用に対してリターンが少ないと考えられることから弁護士の利用はしませんでした。しかし、弁護士を利用することは自分を守る上で考慮することも良いと思います。

実際に、自力で交渉を行い、解雇手当の引き上げ、Performance letterを最も良い評価での発行、デバイスの付与を追加できました。

最終的にこのような形で、契約にサインしました。会社側も早めに処理を終わらせたいので、通知期限を設定してくるなどストレスがかかるとは思いますが、自分が少しは納得できる形まで持っていけると良いかと思います。

人生やキャリアプランが急に変わるのは非常に辛いことですが、仕事なしでしばらく給与が出るのは事実です。その期間を生かして次へ繋げるようなチャンスとして捉えています。

もし同じような状況になってしまった方も、こちらのnoteが参考になり、さらに良い機会に恵まれますように…と思っています。

参考にしたサイト


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