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【本の紹介4】13歳からの地政学(田中孝幸)

4冊目に紹介する本は、2022年に出版された、当時、注目を集めていた「地政学」に関する本です。

この本も、これまで紹介してきた本と同じく、ストーリー性のある話を聞きながら、役立つ知識を得ることができるタイプの本です。

これまで4冊紹介して、そのすべてがストーリーをともなうビジネス教養系の本です。今回の本もこれです。自分は、この形式が、大好きなようです。

Audibleで聴いてすごくよかったときは、本物の本を買うことがあります。50冊に1冊くらいの割合です。この本は、実際に買った、ごくわずかな本のうちの一つです。

ストーリーの紹介

ストーリーは、古びた地球儀を目当てに骨董店に入った、高校生の男の子と中学生の女の子が、「カイゾク」と呼ばれる大人から、毎日数時間ずつのレッスンを7日間、受ける、という形で、一日ずつテーマを変え、地政学の基本の考え方を知っていく流れをとっています。
3人は、無事7日間のレッスンが終わって、卒業試験に合格したら、地球儀がもらえるという約束をします。

内容の紹介(特に印象に残った部分)

1日目 
世界の貿易は、ほとんどが海を経由し、海を支配するアメリカが世界の仕切り役になっている。世界のほとんどのデータは海底を経由し、海を支配するということは情報を抑えることにつながる。 ※今後は少し違ってくる?

2日目
遠くの国と仲良くして、近くの国の脅威に対抗する「遠交近攻」は地政学の王道である。特に、小国が大国に対抗する手段。

3日目
中国やロシアなどの多くの大国の侵攻的な行動は、時刻を守ろうとする心理が強く働いている。

4日目
多くの国では、王様と政治家は多忙な国の代表としての仕事をワークシェアしている。

5日目
アフリカが貧しい最大の原因は、歴史的に、お金が欧米に大量に流れだす仕組みが存在するからである。

6日目
大国は他の国に目が向きにくく、無知からテロや戦争を引き起こしてしまうことがある。朝鮮半島など大国に囲まれた土地は独立を保つのが難しい。

7日目
歴史上、強い大国は自らが中心であるという世界観を他国に受け入れさせてきた。

エピローグ
最後に、「自分にとっての世界の中心はどこか?」という卒業試験を無事終えた二人は地球儀を受け取ります。しかし、「カイゾク」はどこかへ行ってしまったあとでした。
カイゾクがどんな人か、という「種明かし」と、子どもたちへのメッセージが残されます。

面白いし、シンプルでわかりやすい本です。お勧めです。


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