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PR SEO(ピーアールエスイーオー)のススメ


新垣結衣さん、ご結婚おめでとうございます!
あなたの笑顔には本当にたくさん励まされました。
いつか現場でお会いできる日を、今もそう願っています。

さて、今日は「PR活動と検索性」について。

「推しロス休暇」に見る検索のチカラ

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「推しロス休暇」
リアル・二次元に関係なく、自分が「推し」としている人・キャラが結婚したり、脱退したり、退場したり、と何かあったときに休暇が取得できる制度
出典:トラストリング株式会社

大阪のIT企業の社内制度。新垣結衣さんと星野源さんの結婚報道を機にtwitterで話題に。更に日本テレビ「スッキリ」にて、2週に渡って報道されたことで、大きな話題を呼びました。

私が気になったのはこの取材が決まった経緯です。
番組の方はどのようにこの情報を掴んだのでしょうか?
おそらくそれはプレスリリースやメディアプロモートを介してではなく、twitterやweb検索によるものだったのでは・・?


PR SEOとは?

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PR SEO(ピーアールエスイーオー)
・記者や編集者に見つけてもらう為のSEO対策。
・主にプレスリリースやtwitter投稿に特定のキーワードを盛り込むこと。

すみません、完全な造語です。定義も今考えました。
こうした考え方は古くから多くのPRパーソンが実践しているテクニックとも言えます。

「プレスリリースのタイトルには社会記号やキャッチを盛り込め!」

入社してすぐに教わりました。
ただ、今回は単にキーワードを盛り込む行為に、「検索性」を持たせようという意図を含んでいます。


テレビ東京の取組み

PRエージェンシーに勤めてはや十数年。封筒にプレスリリースと紙焼き※をしたためて、媒体各社様の宛名を書く・・あの日から時代は大きく変わりました。※写真のこと

最近では脱FAXの流れも加速。
プレスリリースをメールのみで受け付けるメディアも少なくありません。
そんな中、2020年6月にテレビ東京がこんな取組みを発表しました。

AIを活用したプレスリリースのデジタル管理
・散逸しがちなプレスリリースの情報を一元化
・デジタル管理による業務効率化/テレワーク環境の整備
・データの資産化と報道の質の向上

出典:PRTIMES ※一部改編

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デジタル化によって情報のアクセス性を高める試みです。コロナ禍のリモート作業にも適しており、生産性の向上も期待されています。


PRはプル型・ストック型へ

「えっ!WBSがプレスリリースをデジタル化!?」

「記者さんは検索をかけてるってこと!?」

この日を機にPRパーソンは色めき立ち、ありとあらゆるトレンドワードをプレスリリースに盛り込んだのではないでしょうか?

2007年にプレスリリース配信のプラットフォーム「PRTIMES」が誕生してから、メディアリレーションズは緩やかにプル型・ストック型へと移行してきました。「検索」を前提とするメディアリレーションズの夜明けです。

最近ではPRTIMESの「キーワードランキング」を参考にするPRパーソンも多いと聞いたことがあります。

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一方で言葉に振り回され、身の丈以上の出で立ちをしたプレスリリースも。記者の方々にとって、時として「迷惑なノイズ」となってしまうかもしれません。


したたかな広報担当者vs仕事を減らしたい記者


「私のことを見つけて欲しい!」

そんな想いで、様々な言葉を身にまとったプレスリリース。

今なら「SDGs」や「ESG」、「サステナブル」といった言葉をついつい盛り込みたくなるものですよね。

しかし、いくら魅力的なキーワードをまとっていても、肝心な中身が追い付いていなければ意味がありません。

日々忙しく報道と向き合う記者さんの時間は奪いたくないですよね。
(すみません、本当に気を付けます)


言葉を「行動の源泉」に

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一方で、PRパーソンには「身の丈以上」に挑戦し続けていただきたい気持ちもあります。例えばスタートアップのPR担当者が経営者にこう訴えたとします。

「社長!TBSが"地球を笑顔にするWEEK"でSDGsを前面に押し出す時代です」

「もはやSDGsは高尚な思想ではありません!お茶の間の話題なんです!」

「今回のプレスリリースにも絶対このキーワードを盛り込むべきです!」

そこにちょっとでも、ファクトがあるのであれば。
こうした訴えを続けるかもしれません。

「だからこそ、収益の一部を環境保全に充てるなど、もう一歩踏み込んだアクションが必要です!」

社会との関係性を鳥の目でデザインするのがPRパーソンの仕事の一つ。
こういった視点が事業を動かし、社会が少しでも良い方向に向かうのであれば… それは決してwoke-washingでは無く、立派なアクションなのかもしれません。


PR SEOが社会を前進させる(?)


社会記号化/トレンド化した言葉は、ソーシャルニーズである。
そう捉えることができるかもしれません。

言葉が先か行動が先か。

「SDGs」「ジェンダーイコール」「DX」…

言葉の流通を加速させることで、その実態がついてくる。
逆説的ですが、その一端を担うのもPRパーソンの醍醐味なのかもしれません。

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