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脳梗塞と運転免許証⑤【念願の再交付】

この病気になって初めて知って驚いた事の一つは、脳梗塞だけでなく脳の疾患にかかると発症から半年は運転が出来無い事。
病気にかかった事は警察に報告する訳ではないので、幸い軽度で済んだ方は退院後早々に運転してしまう方もいるようですが、病院からは固く禁じられます。


発症直後の昨年12月。急性期病院で運転免許証についての説明があった際、年明けの1月に免許証の更新があると思い出しその旨を伝えました。その後、回復期リハビリ病院に転院した際は免許証の件は引き継がれ、運転免許証再交付の為の試験に向けたリハビリも身体のリハビリと平行に行なわれました。

運転免許証再交付の為のリハビリは作業療法士か言語聴覚士の担当するそうで、私の場合は手に重度の麻痺があったため作業療法士は手のリハビリに専念。言語聴覚士が運転免許証再交付に向けた認知テストや知能検査に向けてまず脳トレから始まりました。
運転の為のテストの数々は、何度も受けられないので脳の回復が一番進んでいるはずの退院間際に集中して行なわれました。


思いがけないリハビリ中の事故で眠れない日々を過ごしたり、ドライビングシュミレーターで極度の車酔いになったり。ハプニング続出の入院後半にもかかわらず、ほとんどの方が入院中に最後まで終わらせられずに外来で通って終了させる課題を全てこなして退院に至りました。
あとは発症から半年の6月中旬を待って、主治医に運転可能な旨を証明する診断書を書いてもらうのみです。
その間に運転免許証センターから診断書用紙を用意して待つのみ。
用紙の請求が想像以上に手間がかって、直前に動いていたらヤキモキする所でした。
(たまたま私の間が悪かったのか…)


そして、とうとう回復期リハビリ病院に行く日がやって来ました。
この日は、嬉しさと切なさが入り混じる一日。おまけに大雨だしずっと心に残りそうです。


無事にリハビリ病院での担当医に運転可能である旨の診断書を書いていただき、元担当療法士氏達との前向きな別れをして、これで完全にリハビリ病院を卒業しました。

リハビリ病院からその足で運転免許センターに行くの?と、元担当作業療法士氏に聞かれてはじめて同じ日に再交付の手続きまでその日に済ませられる事に気づく要領の悪さ…トホホです。
もっと早く教えてよねー!と作業療法士氏をせめて
なんでー!笑 と、じゃれあってみたり。



後日、診断書用紙を請求した時に記載されていた必要書類や顔写真を持参して、電車とバスを乗り継いで運転免許センターに行きました。
13時からの受付で免許センターには早めの12時少しすぎるあたりに着いて、終わったのが16時ごろ、この日はかなりすいていたらしいけど想像以上に時間がかかって疲労困憊。

診断書を貰った足で妹と車で来ていたら楽だったけど、病院でも免許センターでも待たせる事になったと思うと日を改めて行って正解でした。

一つ一つの待ち時間が長かったものの手続き自体はスムーズで、係の方に状況説明をして書類を作っていただき、視力検査、問診、講習を受けて晴れて免許書再発行とあいなりました。

運転免許証の更新のタイミングが、入院中に重なってしまい間が悪くも免許証を失効してしまい、再交付までがこんなにハードルが高いとは思いませんでした。

期せずして脳トレをしまくる日々を送る事になり、入院仲間の皆さんと免許を取った時よりもずっと大変と、よくお互いにボヤいていた程です。それでも私はスムーズに検査等を済ませられた方で、後遺症の出方によってはとても苦労されている方を多く見てきました。

脳卒中のような脳の疾患は、目に見える身体の後遺症も大変ですが、脳への後遺症はとても複雑で本人にしか解らない辛さがあります。
ほんと、病気になってはいけません。
再発もしたくありません。
あらためて自分自身の不摂生を反省して健康的な生活習慣を身に着けなくてはと思いました。 

運転の方は、まず近くのスーパーへ行く事から始めて徐々にならして行こうと思います。
重たい荷物もまとめ買いも出来るようになると思うと、それだけでも嬉しいです。

ここれで脳梗塞と運転免許証は終わりです。




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