ローリングストック食について②

ローリングストック食の構想を思い付いたのは今年の8月くらいのことです。

現在発売しているレシピは3つ(12月号も含めると4つ)で、アイディアだけのものも含めると現状10種類のレシピができています。

ただ、できてはいるけどこのままでは販売できないレシピや、今の時期には発売できないレシピもあるので、すぐに出せるレシピのストックは二つだけです。1月号と2月号までは確定、そのあとはどうしようかなー、という感じです。

できてはいるけどこのままでは販売できないレシピとは、カオマンガイのことです。人気のある料理なので、ご存じのかたも多いかと思われますが、鶏肉を茹でて、そのスープを使って米を炊き、炊いた米の上に茹で鶏を乗せて、ナンプラーやスイートチリソースで調味して食べる、というシンプルなタイ料理です。

いなばとかが出しているささみフレークの水煮をメインに、乾燥レモングラスを風味付けに使い、フレークの煮汁を使って米を炊き、炊き上がりにフレークをのせてスイートチリとナンプラーをかけて完成、というレシピは三十秒くらいでできました。まあ、それなりにおいしそうなものができそうではあります。でも、「キャンプに行くために飯を仕込んでたけど家に忘れた! キャンプ場の最寄りのコンビニででっち上げよう」くらいの状況ならまあまあ良くできたレシピかもしれませんが、人様からお金をとっておいてこれでは、ちょっと寂しすぎるなあ、と思います。少なくとも僕なら、こんなものを送られてきた時点で、即座にサブスクの解約手続きを行うでしょう。

もうふた捻りくらい加えないと商品にはならないけど、カオマンガイの良さはシンプルな構成にあるとも思うので、あまりごてごてさせるのは興ざめです。なにかおもしろいアイディアはないものか・・・・・・と考えてみて、「ラオス風のカオマンガイてどうだろう?」と思い浮かびました。

突飛な発想と思われるかもしれませんが、実は僕が勤めている酒蔵にはラオス出身の女性がパートで働いているのです。料理上手な人で、時々料理教室の講師をしたり、地域のお祭りでラオス料理を振る舞ったりもしています。ちなみに、家では家族の要望でもっぱら日本料理を作っているそうですが、「日本料理なんて簡単よ。醤油とみりんと味噌使えばなんでもできる」と断言したことがありました。僕はそれに対して反論を試みかけましたが、「まあ、言われてみれば家庭料理は大抵それだけでなんとかなるな」と逆に考えさせられたこともあります。

それはさておき、カオマンガイに似た料理は実は結構あります。シンガポールやマレーシアで食べられる海南鶏飯やベトナムのソイガーなど、味付けは異なりますが、いずれも鶏を茹でたスープを使って米を炊くという点では一致しています。職場のラオス出身の女性にいくつかのラオス料理のレシピを教えてもらった限りでは、(日本で手に入る食材がタイ・ベトナムに片寄っている影響もあるのでしょうが)タイ料理やベトナム料理との共通点を多々感じました。あの辺に行ったことはないけど、なんとなくメコン川流域という点では繋がっている土地なので、環境に共通項もあるのでしょう。

「タイ料理にもベトナム料理にもカオマンガイ風の料理があるのだから、ラオスにも似たような鶏飯があるのでは? おそらく、ラオス料理は日本人の99%くらいが食べたことないと思うので、ラオス風のカオマンガイみたいなレシピならおもしろかろう」などと考えて、仕事の休憩時感に質問してみました。

「ラオスにもカオマンガイみたいな料理ってあるんですか? 」

「カオマンガイってなに?」

「ほら、鶏肉を茹でて、茹でたスープでお米を炊いた炊き込みご飯みたいな・・・・・・」

「あー、ラオスで食べるお米は餅米ばっかりだから、炊き込みご飯は作らないよー」

・・・・・・ということで、カオマンガイのようなものは現在開発途上でございます。

最近、米の配達で回っているところにベトナム人のコミュニティができているようで、本場の人向けのベトナム料理やベトナム食材店ができ始めたので、この辺でなにかヒントがもらえないかな、と思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?