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なぜNetflixやYouTubeがあるのに、本を読むのか?|「華氏451度」 レイ・ブラッドベリ

外出自粛で家にいる時間が増えて、みなさんどのように過ごしていますか?時間に余裕ができたら本を読もうと思っていたのに、いざ時間ができると意外と読まないっていう人が多いんではないでしょうか。だって、Netfilxがあるし、お気に入りのYouTuberも毎日更新してるし・・。

僕はレイ・ブラッドベリの「華氏451度」を読んで、どれだけ様々な新しい娯楽が生まれても、人類は本を読むことを続けなければならないと確信しました。

以下、あらすじです。(ネタバレなし)

本を読むことが禁止された社会

近未来の地球では本の所持が禁止され、ほぼすべての本が燃やされてしまいました。人々は本の代わりに、刺激の強い映像や直情的な物語などを楽しんでいます。たとえば、めまぐるしくダイナミックに映像が変わる壁からは様々な番組が流れ続け、耳元では小型の巻き貝が四六時中語りかけてきます。

人々は刺激的な娯楽とお金を稼ぐことに忙しくて、すぐには役に立たず、意味が明確ではない小説や詩を読むことを放棄してしまいました。

本を燃やすことが仕事である主人公のモンターグは、ある日こっそりと本を持ち帰り、その内容に衝撃を受け、同士を探しつつ社会から逃れながら生活するようになっていきます・・・。

本 < Netflix, YouTube?

すぐに想像がつくように、物語中の、映像の壁 ≒ Netflix, YouTubeで、耳元の巻き貝 ≒ AirPods+Siriと捉えることができます。

僕たちの生活はすでに多くの情報で溢れ、人に見てもらうために情報はどんどん刺激的で扇情的になっています。

一方で、読むという作業を能動的に行わなければならない本は、待っているだけで届く映像や音声に比べて労力を要するし、刺激に欠けるため、年々市場規模が縮小しています。

自分の頭で考えよう

本を読むことは、自分でその意味を考え、解釈することを読者に求めます。それは絶対的な正解があるものではなく、むしろとても曖昧でグレーなニュアンスを多く含んだ作業です。効率や快楽の面から言えば、本なんか読むより、動画を見た方が刺激が強いし、まとめサイトをチェックすればあらすじは読まなくてもわかります。

それでも本を読むのは、自分の頭で考えるためです。与えられた答えや娯楽をただ受け取るのではなく、自分で頭をひねり、自分なりの考えを身につけるためです。

なぜ本を読むのかの答えは、(もちろんそれについて語られてはいますが)この本に明記されていませんし、僕もこれが答えだと断言するつもりはありません。

繰り返しになりますが、自分で読んで、自分なりの考えを持つことが大切なのです。

オンライン読書会のすすめ

この本はオンライン読書会のテーマ本として友達と同時期に読んで、感想を話し合いました。本を読むモチベーションになるし、自分と違った観点に気づくきっかけにもなるので、オンライン読書会は外出自粛中のアクティビティとしておすすめです。

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