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改めて、あの日のコロンビアについて。

8月の後半から身の回りも、頭の中もバタバタしていた。

伴って、気持ちもそぞろになってしまい、なかなかnoteする余裕もなくなり、すっかりオサボリさんである。

それでも心中では「note...」と思っていた。義務ではないけれど感じる後ろめたさといったら。

そんな中、ほぼ言い訳程度で、美味しいコーヒーを飲んだんだーということを呟いた。本当に本当に美味しいコーヒーだったので、改めて記事にしてみたい。

素晴らしい風味のコーヒーに出会ったシーンが思い浮かんでくる。体力も精神力もカッスカスであったことを差し引いても、あのコールドブリューのコーヒーは私の人生の中でも「逸品」としたいくらい衝撃であった。

どうにも暑かった日で、どうかもう勘弁して欲しい...と這う這うの体で、励ましを求めて入ったコーヒーショップ。大きな交差点からスイっと小道に抜ける手前の、ビルの角に小さなグリーンの看板がかかっていた。

「今日はコロンビア産です」と、絶対働きものに違いないお姉さんがニコニコと手渡してくれた。それだけでも充分に嬉しかった。

暑くて、なんだかミルク入りの気分ではなく、それなら、と選んでコールドブリューにしたのだけれど。今となっては神さまなるものの、お導きがあったとしか思えない僥倖だったと思う。

ペットボトル入りのアイスコーヒーを飲むくらいの気持ちで口をつけた。


ダ......ダークチョコレート?


カカオ85%くらいのダークチョコレート、そのものの風味であった。
「へ?」と思わず顔をグラスから遠ざけ、よく冷えたそれをまじまじと眺めてしまった。大きな窓から差し込んでいる陽光が、ピカピカしていて、後光みたいにみえた。


コ?......コーヒー????


今までにも、幾度か「美味しいコーヒー」は頂いてきた。けれども、こんなに驚いたのは初めてで。ちょっと怒りすら感じるのだけれど...と胸を高鳴らせていると、フワッとチェリーみたいな果実味と香りが後味として立ち上がってくる。


言葉にならない。

「美しい」とさえ思った。


ふたくち、みくち、と飲み進めるのだが感動は薄れず。お酒でも飲んでいるかのような、トロンとした、夢心地に沈んでいくようだった。

ドラッグとか、こんなカンジなのかな...なんて考えてしまう。


コーヒーに生きる悦びを見出し、人生を捧げ、探究していく人がいるのは、きっとこの感動と同じような、それ以上の衝撃を受けてしまったからに違いない。



そして今日、夢にまでみてしまった。

夢の中でもしっかりと、ダークチョコレートの香りが鼻から抜けていったし、カランと氷がグラスに当たる音もしていた。そして私は新鮮に感動していた。

やばい予感しかない。

この先私は、香料が添加されたペットボトルのコーヒーを飲むたびに「フッ」と感じの悪い態度を...嘲笑ってやつを浮かべてしまう人間になるのだ。


もっとコーヒーを知りたい。


-20220916-




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