改めて、あの日のコロンビアについて。
8月の後半から身の回りも、頭の中もバタバタしていた。
伴って、気持ちもそぞろになってしまい、なかなかnoteする余裕もなくなり、すっかりオサボリさんである。
それでも心中では「note...」と思っていた。義務ではないけれど感じる後ろめたさといったら。
そんな中、ほぼ言い訳程度で、美味しいコーヒーを飲んだんだーということを呟いた。本当に本当に美味しいコーヒーだったので、改めて記事にしてみたい。
*
素晴らしい風味のコーヒーに出会ったシーンが思い浮かんでくる。体力も精神力もカッスカスであったことを差し引いても、あのコールドブリューのコーヒーは私の人生の中でも「逸品」としたいくらい衝撃であった。
どうにも暑かった日で、どうかもう勘弁して欲しい...と這う這うの体で、励ましを求めて入ったコーヒーショップ。大きな交差点からスイっと小道に抜ける手前の、ビルの角に小さなグリーンの看板がかかっていた。
「今日はコロンビア産です」と、絶対働きものに違いないお姉さんがニコニコと手渡してくれた。それだけでも充分に嬉しかった。
暑くて、なんだかミルク入りの気分ではなく、それなら、と選んでコールドブリューにしたのだけれど。今となっては神さまなるものの、お導きがあったとしか思えない僥倖だったと思う。
ペットボトル入りのアイスコーヒーを飲むくらいの気持ちで口をつけた。
ダ......ダークチョコレート?
カカオ85%くらいのダークチョコレート、そのものの風味であった。
「へ?」と思わず顔をグラスから遠ざけ、よく冷えたそれをまじまじと眺めてしまった。大きな窓から差し込んでいる陽光が、ピカピカしていて、後光みたいにみえた。
コ?......コーヒー????
今までにも、幾度か「美味しいコーヒー」は頂いてきた。けれども、こんなに驚いたのは初めてで。ちょっと怒りすら感じるのだけれど...と胸を高鳴らせていると、フワッとチェリーみたいな果実味と香りが後味として立ち上がってくる。
言葉にならない。
「美しい」とさえ思った。
ふたくち、みくち、と飲み進めるのだが感動は薄れず。お酒でも飲んでいるかのような、トロンとした、夢心地に沈んでいくようだった。
ドラッグとか、こんなカンジなのかな...なんて考えてしまう。
コーヒーに生きる悦びを見出し、人生を捧げ、探究していく人がいるのは、きっとこの感動と同じような、それ以上の衝撃を受けてしまったからに違いない。
*
そして今日、夢にまでみてしまった。
夢の中でもしっかりと、ダークチョコレートの香りが鼻から抜けていったし、カランと氷がグラスに当たる音もしていた。そして私は新鮮に感動していた。
やばい予感しかない。
この先私は、香料が添加されたペットボトルのコーヒーを飲むたびに「フッ」と感じの悪い態度を...嘲笑ってやつを浮かべてしまう人間になるのだ。
もっとコーヒーを知りたい。
-20220916-
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