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【#はじめての仕事】営業の思い出

新卒で入社した会社の初任業務は、アポなしの訪問営業だった。

大学4年生時はちょうどコロナが流行り始めた頃で、就活の市場も大荒れだったように思う。
私は早く内定をもらって、早く就活を終わらせたくて、向いてないことにも挑戦してみるか…と半ば妥協して、学習塾の営業に就職した。

同期4人は凄く仲が良かったし、職場の先輩たちも良い人ばかりで、周りの人たちにはとても恵まれていたと思う。
ただ、お昼頃から知らない土地の知らないお宅をひたすらピンポンし、夜の20時ごろまでそれを続けるというのは中々辛かった。
「〇〇ならできる!」「できないならどうすればいい?」と毎日先輩方に鼓舞されて、なんとか営業の目標成績を達成できることは多かった。

が、やっぱり辛かった。私自身セールスに対して不信感があるのもあり、申し訳なさを感じつつもピンポンを押し続けるストレスや、目標を達成しなければいけないというプレッシャーがどんどん膨らんでいった。
出社しても過呼吸になるほど泣いてしまう日が増えていき、結局は適応障害と診断され辞めてしまった。

ただ、悪いことばかりではなかった。
あの仕事を頑張れたなら、他のどの仕事も頑張れるだろうという謎の自信が生まれたし、(実際今は別の仕事が天国のように思える。)

見知らぬセールスマンの私に優しくしてくれる人もたくさん居た。
急に雨が降ってきた時に「もう使わなくなった傘をあげる」と傘をいただいたり、おばあちゃんの井戸端会議に混ぜてもらったり、みかんをくれたり、お家の中まで招いて話を聞いてくれたり…
ふとした時に、こんなこともあったなあと思い返せるような思い出にはなったと思う。

もう営業に就くことはないと思うが、あの経験は無駄じゃなかったと思えるように、今の仕事も頑張ろうと思う。

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