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プロジェクトのあぜ道

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omusubi不動産が携わったプロジェクトができるまでの道のり、関係のある方々とのインタビュー記事です。
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#omusubi不動産

コロナ禍の誕生から4年。散歩社×omusubi不動産、BONUS TRACKの歩みとこれからの話。

2020年春、下北沢駅と世田谷代田駅のあいだに誕生した複合施設「BONUS TRACK」。小田急電鉄が思い描く「支援型開発」という夢のバトンを受け取り、いっしょにこの場所をつくってきた散歩社。そして下北沢という新天地でまちづくりに挑戦をすることになったomusubi不動産。今回は両者でBONUS TRACKの4年間をふりかえりつつ、未来の話もしてもらいました。 お話してくれるのはこちらの4人。 (右から) ▶内沼晋太郎さん/散歩社 代表取締役 BONUS TRACKの仕掛

”文化の発信点”としての常盤平の可能性。ときわ平まちの人インタビューvol.6 大塚美貴子さん(「喫茶と読書 ひとつぶ」店主)

常盤平駅の改札を出て、駅前のロータリーに降りる。 豊かな枝振りを見せるケヤキの木々を眺めながら、ロータリー右側を進むと、正面には茶色いレトロなタイルのビル。 ビルの1階のすみには、まるで隠れ家の入り口のような、小さな階段。 トントントンと3階まで上ると、水色の扉が見えてくる。 キイ、という音を立てて開くと、飛び込んでくるのは、「ひとつぶ」の文字。 「喫茶と読書 ひとつぶ」は、”ひとりの時間を過ごすための場所”として、常盤平の駅前にオープンしたお店です。 店内では、そ

「ちょっと手伝って」と誰もが声をかけ合える街へ。ときわ平まちの人インタビューvol.5 平野将人さん(地域社会活動家)

常盤平の街で暮らし、働く人々にインタビューを行い、これからの常盤平の街の変化の兆しを探るインタビュー「ときわ平まちの人インタビュー」。 今回ご登場いただいたのは、平野将人さん。カンボジアやラオスでのNGO活動などを経て、現在は常盤平団地の自治会活動に深く携わるほか、外国籍の子どもたちの支援など、「地域社会活動家」として松戸を中心とした様々な活動を手掛けています。 今回は、平野さんが常盤平団地を中心とした地域活動に関わることになったきっかけや、常盤平の街について感じていらっ

緩やかな集いの真ん中にあるキッチンカー−ときわ平まちのひとインタビュー vol.3 「喫茶ニューフジコ」大塚千枝さん・「猫夫人」馬田かすみさん

オレンジと黄色のストライプのタープ。コロンとした茶色の車体。遠くからでもはっきりとわかる看板の「フジコ」の文字。 こんなキッチンカーを見かけたら、紛れもなく「喫茶ニューフジコ」が開店中。 「喫茶ニューフジコ」は、大塚千枝さんが店主を務める、2021年に始まったキッチンカー中心の移動喫茶。ちょっと懐かしい雰囲気ただよう車体や看板から感じられる通り、メニューもコーヒーのほか、「昭和かためのプリン」や「なんてことない母の味 玉子サンド」、クリームソーダなど、昭和レトロさが満点です

常盤平にルーツを持つ人々が、街の多様な可能性を育む。ときわ平まちの人インタビュ−vol.4 宮浦晋哉さん(株式会社糸編 代表取締役)

常盤平の街で暮らし、働く人々にインタビューを行い、これからの常盤平の街の変化の兆しを探るインタビュー「ときわ平まちの人インタビュー」。 今回はこれまでとは少し変わって、「かつて常盤平に住んでいた方」と一緒に常盤平の街を巡り、その変化や今後について考えていきます。 ご登場いただいたのは、宮浦晋哉さん(株式会社糸編 代表取締役)。 素材や技術とデザイナーを結びつける役割を担い、繊維産業・テキスタイルについて体系的に学ぶスクール「産地の学校(*1)」や日本のテキスタイルの魅力を

街に必要なのは、ゆるやかに創造性とつながる場−ときわ平まちのひとインタビュー vol.2 星雅治さん(かものはしの造形おもちゃ代表)

常盤平のまちに暮らし、働く人にお話を伺い、この街の未来の兆しを探るインタビューシリーズ、「ときわ平まちのひとインタビュー」。 2回目となる今回ご登場いただくのは、特殊造形を手掛ける「かものはし」さんこと、星雅治さんです。 少し耳慣れないかもしれない、特殊造形という言葉。一般的に、様々な素材を使って立体物を作る技術のことを指します。その技術を使って、星さんはマスクや造形物などを制作しています。 星さんのアトリエには、特殊造形によって作られた作品や、制作に使う様々な工具や塗

常盤平の未来は”団地開発のルーツ”にある。-ときわ平まちのひとインタビュー vol.1 石川文秀さん(石川興業株式会社代表取締役)

omusubi不動産では、団地という大規模な開発から60年経った常盤平の街の未来について、アイデアを出し、「できたらいいな」を一緒に実践していくプロジェクトを、常盤平に暮らす人々や地域の企業とともに進めています。 (プロジェクト発足のきっかけなどは、ぜひvol.0をご覧ください。) このプロジェクトでは常盤平にゆかりのある方々のインタビューも行い、そこから見えてくるまちの未来へのヒントを探っていきます。 第一回目のインタビューにご登場いただくのは、石川文秀さん(石川興業

はじめまして、「ときわ平 やってみようプロジェクト」です-ときわ平まちのひとインタビューvol.0 プロジェクトがはじまった背景

こんにちは。「ときわ平 やってみようプロジェクト」記録係のハラダです。 突然ですが、「常盤平」という街の名前を聞いたことはありますか? きっと多くの方が初めて耳にする名前なのではないかと思います。 (聞いておいて、という感じですが・・) 常盤平は、千葉県松戸市東部に位置する街。JR松戸駅からは新京成電鉄に揺られて約10分、上野駅からも約30分という、比較的都心からのアクセスも良い場所でもあります。 日本の道100選にも選ばれた「さくら通り」、その道と交差する「けやき通り

船出を応援するクリエイティブスペース せんぱく工舎|千葉・松戸市

松戸市の新八柱駅から徒歩15分のところにあるせんぱく工舎。ここは昭和35年に建てられた社宅を改装したクリエイティブスペースで、ショップやカフェ、アトリエとして15組ほどの入居者が日々活動しています。オープンした2015年からomusubi不動産が管理・運営してきましたが、今運営も少しずつ見直す中で新たにラジオ「せんぱくポートラジオ」なども始めることになりました。今回はその第一回の公開収録として、omusubi不動産の代表・殿塚と、まちのコーディネーターでせんぱく工舎の運営を担

官民・国内外のつながりから生まれた市民による芸術祭「科学と芸術の丘」|千葉・松戸市

2018年から松戸市で毎年秋に開催されている芸術祭「科学と芸術の丘」。その立ち上げと運営に、omusubi不動産は関わってきました。どうして不動産屋が芸術祭を?そんな疑問に少しでも応えるべく、これまでの歩みについて、第一回から芸術祭を支えてきた松戸市役所の尾形一枝さん、omusubi不動産の殿塚建吾・関口智子でお話をしました。インタビューを行ったのは、水戸藩最後の藩主であった徳川昭武の別邸跡「戸定邸」。松戸市の小高い丘の上にあるこの建物は、第一回から芸術祭のメイン会場となって

まちの寛容性を育むアーティスト・イン・レジデンス PARADISE AIR(パラダイスエア)|千葉・松戸市

omusubi不動産代表の殿塚が、松戸のまちづくり会社で働いていた約10年前に、立ち上げに関わったアーティスト・イン・レジデンス「パラダイスエア」。誰も立ち入ることのなかった駅前ホテルの空き物件が、今では国内外からアーティストが集まる世界的なアート拠点になっています。そんな驚きのストーリーも、クリエイターや行政職員のみなさんとの協業、そして、松戸という土地柄だからこそ起こり得たことなのかもしれません。現在、パラダイスエアの運営をされている一般社団法人PAIR代表の森純平さん、

独立を後押しする曜日替わりカフェ One Table|千葉・松戸市

八柱駅から歩くこと4分。日本の道百選にも選ばれているさくら通りに、曜日代わりの店主が営業するカフェ「One Table」があります。omusubi不動産が創業当時、この物件の隣に事務所を構えており、私たちにとっても想い出の地。シェアキッチンという概念がまだ一般的ではなかった2016年から営業を続けるOne Tableからは、今や松戸で人気店を営むたくさんの卒業生を排出する場所になっています。One Tableの名付けの親であり、一緒に立ち上げを行ったTeshigotoの古平賢

文脈をデザインする不動産プロデュースのかたち building C|千葉・松戸市

松戸駅西口から歩くこと5分ほど。夜のお店が立ち並んでいたエリアに立つ4階建てのビルを2018年にomusubi不動産がプロデュースしました。ネーミングから内装デザイン、収支計画からテナントの募集までトータルでプロデュースできたのは、地域の仲間たちのおかげでした。ロゴマークやビル全体の設計を担当されたデザイン設計事務所 STAGの小川宏之さん、2階でカフェを営むym.の本庄真由美さんとともに、building Cがどのようにできたのか、これからどんなことをやっていくのかについて