桜塚やっくんが目指した「お笑い界のトキワ壮」計画 前編
現在、noteでは「さくらももこさん」というハッシュタグでイベントをやっていますが、それを見て、連想ゲームのようにある人物を思い浮かべました。
それが、桜塚やっくんです。
あまり仔細に思い出すと悲しくなるので、軽めに書きますが、僕とやっくんは大親友でした。
どれくらいの親密度だったかと言うと、僕は東京に行くときには、いつも彼のマンションに泊めてもらっていました。ですから、ホテルなど予約したことがありません。
親友になった詳細な経緯は省きますが、僕の原作『エブリ リトル シング』が2回舞台化されて、のべ50人ほどの役者が出演し、その中から何名か友人ができて、その友人の友人がやっくんだった、みたいなイメージです。
なにせ大親友でしたので、やっくんと一緒に撮った写真はたくさんありますが、僕が一番好きな写真が、これは本当に偶然なのですが、僕が現在noteで連載中の『無限ループ』を手にしたやっくんを、僕がふざけて抱きしめている写真です。
やっくんは僕の作品を愛してくれて、「先生の『カブトムシと少年』もいいですけど、僕は『無限ループ』のほうが好きというか、先生のやさしい人柄が表れている気がするんですよね」と言っていました。
ちなみに、「先生」というのは、知り合った当初、やっくんの友達が僕を「先生」と呼んでいた影響で彼はそう呼び始めたのですが、付き合ううちに「先生」はただのニックネームになりました。
ですから、仕事など真面目な話をするときは「大村さん」と呼んでいました。
ちなみに、僕は出会った日から「やっくん」です。「やっくん君」ではおかしいので(笑)。
やっくんのマンションに泊まるときには、目の前のコンビニで買い出しを済ませ、夜が明けるまでお互いの夢を語り合っていました。
やっくんは大きな野望を2つ持っていました。
1つは、当時、やっくんは「女子メン」という男性4人が女装をしたロックバンドをやっていたのですが(例の事故は、「女子メン」のメンバーと九州のライブハウスに向かう途中で起きました)、この「女子メン」で天下を取ること。
一度、お笑い界で頂点に立ち、また、その後の苦労も知っているやっくんですから、ただの「夢語り」ではなく、かなり緻密に計算をして、計画も練っていました。
まず、やっくんは、YouTuberなど日本で一人もいなかった時代に、すでに
「音楽はYouTubeで観てもらう時代が来る。かつ、自分たちの番組を持つことになる。そのときには、トーク力も必要とされるが、それは僕がやれば大丈夫。そして、レーベルなど関係なく、インディーズでも普通に人気は出る」
と言っていました。
今の状況を見ると、まさしくそのとおりになっています。
レペゼン地球などは、やっくんの予見を地で行くように大成功を収めています。
もう1つは「女装ブーム」です。
当時はまだ「LGBT」という言葉は浸透していませんでしたが(ちなみに、僕もやっくんも異性愛者です)、
「『女装した男性』という新しいアイドルの形が生まれる」
とよく語っており、確かに「男の娘(おとこのこ)」という新しいジャンルが生まれているようです(このあたりは僕は詳しくありません。すみません)。
ですから、もしやっくんが生きていて、「女子メン」を続けていたら、ネット上では確実にスターになっていたと思います。ちなみに、業界の酸いも甘いも知っているやっくんは、テレビは見限っていました。
こうしたことは、今になってやっくんの「先見の明」に驚かされるばかりですが、僕がやっくんの死に直面して真っ先に思ったのは
「え! お笑い界のトキワ壮計画は・・・」
でした。
僕がやっくんの事故死を知ったのは共通の友人からの電話でした。
厳密には、その日、Yahoo!を開いたときに、
「やっくん、交通事故死」
という見出しは目にしていたのですが、本当に本当に失礼な話ですが、シブがき隊のやっくんのことだと思ってしまいました(薬丸裕英さん、申し訳ありません)。
でも、2日前にLINEをしたばかりの、しかも大親友が交通事故で亡くなって、しかも、それがYahoo!のトップニュースに載っているなんて普通は思いませんよね。
ちなみに、この2日前のLINEは、いまだに残っています。
恐らくですが、ご親族がスマホを解約せずに、かつ、LINEも退会しないようにしていると思われます。
・・・。
すみません!
冒頭で「軽めに書く」と言いながら、肝心の「お笑い界のトキワ壮計画」を書く前に力尽きてしまいました!
ということで、このノートは急遽「前編」として、後日、「後編」を書きますので、お待ちいただけると幸いですm(_ _;)m
→ 後編へ
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僕の小説家としてのデビュー作
「ドラゴンボールZ」ベジータの声優による感涙の朗読
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