◆仕事が大好きなわたしが、アイデンティティについて考えた話
「かわいいねー」
「大人しいねぇ」
「いい子だねぇ」
目の前で我が子がほめられている。
「ありがとうございます」
わたしは笑顔でそう言いながら、頭を下げる。
誰の手柄?週に何回あるだろうか。
すれ違うだけの他人であっても、このやりとりはかなりの頻度で起きるイベントである。
子どもを抱いていなければ言葉を交わすことが一生なかった人と、このご時世であっても、マスクの下で笑顔を交わすのだ。赤ちゃんってすごいな。
そう思う反面、わたしは心の中でこうつぶやく。
「わたしは