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週刊 表の雑記帳 第三頁_国は出口を見せるべき、民はできることを粛々と

 なんとか三週目。

1.今週の目についた報道

月曜日(四月二〇日):日米抑止力が新型コロナで試練中国がマスク外交で影響力強化新型コロナ都内感染3000人超え家庭内で増加目立つ、等。

 米軍が通常展開できていない中でチャイナの挑発的行動が増えているとのこと。日米の連携は非常に重要だが、我が国は早く自国を己でしっかり守る普通の国に戻らねばならない。そんな中チャイナは自国から発したウイルスに対して物資や人員を提供しイメージと影響力の向上を図る。しかし質が追い付いていなくて逆に不信感を高めかねない状況に。外出自粛により家庭内での感染が増加傾向というある意味普通の展開に。家庭内でできることは、家族がインフルエンザを発症したときと同様の処置だろう。インフルエンザの場合一週間のところ今回の武漢ウイルスでは二週間と考えれば良い。

火曜日(四月二一日):金正恩委員長が重体報道の自由度ランキング日本「66位」欧米の大学はチャイナからの留学生減少で苦労する飛沫は布で覆うと激減、等。

 北朝鮮の金正恩委員長が手術して重体(というか、grave dangerと書いているから重体よりも重いのかもしれない、重篤とかかな)という情報。あの国のことだから真偽の程は不明だが、火のない所に煙は立たぬとも言うし、あながちなくもないのかも。報道の自由度ランキングで我が国が66位とはこれ如何に。これだけ自由に(というか勝手気儘に)報道しておいてそれはないだろう。欧米の大学におけるチャイナやインドからの留学生の数は凄まじい。今回の武漢ウイルス騒動により一時的にはその数も落ち込むかもしれないが、どうせすぐに戻るだろう。そして同じことが繰り返される。口から飛ぶ飛沫は布で覆えばかなり減らせるという実験結果。まあ当たり前のことを証明したもの。一人一人が少しずつ周囲に気を遣いましょう。

水曜日(四月二二日):オムロン元社長の立石義雄氏が死去スペイン5月後半からロックダウン段階的に緩和へ自民・二階幹事長在職歴代2位に衰えぬ影響力南シナ海で米海兵隊戦闘機訓練UKの武漢ウイルスによる死者数が公式発表の2倍、等。

 また一人大人物が亡くなってしまった。スペインも米国やドイツに続き出口を模索し始めた。我が国もそろそろ出口をもう少し明確に描いておかないと右往左往することになる。二階幹事長はお元気な81歳だ。やっぱり精力的に仕事をしていると元気を維持できるのかな。しかし是非とも国益のためにもっとその影響力を行使していただきたい。武漢ウイルスと戦いながら軍事的存在感も示さないといけないのが米軍の大変なところ。しかし我が国も当然やるべきなのだが、これがなかなか…。UKにおける武漢ウイルスによる死者数が公式発表の2倍程度はあるのではないかという指摘。この状況ならどこの国でもある程度ありそうだが、2倍はなかなか刺激的な数字。

木曜日(四月二三日):横浜の4病院で医師ら10人感染厚労省「重点医療機関」設置を中国がWHOに32億円寄付し国際協力を強調で米けん制、等。

 医療従事者の感染拡大は全力で避けねばならない。患者は治療してくれる人がいなくなればどうしようもない。これは武漢ウイルスに限った話ではない。医療従事者のサポートには多大なリソースを振り向けるべき。米国がWHOへの拠出金停止を指示する中でチャイナマネーが影響力を増すといういつもの構図。自由主義国はそれ以上のマネーで対抗するか、歩調を合わせてWHO改革するかしかないか。


2.注視すべき北朝鮮

 北朝鮮の指導者が手術後重体というか重篤というか危篤という報道。あの国のことだから真偽は不明だが、あの体型を考えれば全く不思議ではない。心血管系ということで、まあそうでしょうという感じ。しかし手術というのは予定していたものなのか、それとも急遽実施したものなのか。金日成主席の誕生日(太陽節というらしい)にも顔を出さないというのは、やはり深刻なのか。太陽節なるものは突然のものではなく予定されていたものだから、その前に敢えて手術をしたということは、予定された手術というよりは急遽決まった手術だったのではないかと思わされる。仮にもしものことがあったとして、後継者は兄か妹か。妹の露出が最近増えているように思えるのは、この事態も見越した準備だったのだろうか。体制転換の可能性もなくはないが、その際に危惧されるのは難民が我が国に押し寄せるようなこと。しっかりとした準備が必要だが、あまり期待できない。そして何よりも、拉致被害者をどうにかして奪還しなければならない。自衛隊が救出に向かうという他国では当然なされることが我が国でできるのか。これをやるのに本当は憲法改正なんて必要ないのだが、ここまで誤った解釈を続けてしまった以上、やはり改正するしかないか。頭が痛い。

3.武漢ウイルスを落ち着かせるべき先はインフルエンザ、各自はできることを粛々と

 武漢ウイルスの流行も数箇月が経過し、そろそろ国としての出口を見せていかないといけないところ。一人一人ができることは限られているし、もうそれなりにやっている。どのような状態に至るとまずいのか(例えば医療崩壊とか)も概ね分かってきた。恐らく妥当な落としどころとしては、まずは通常の感染対策を各自でしっかりやること。インフルエンザと同じように(勿論ウイルスとしては異なるものだが)感染が分かったら学校や職場には行かずにまず自宅療養。重症の場合のみ病院へ。もし学校等で感染が広がるようなことがあればインフルエンザと同様に学級閉鎖等の処置を講ずる。こんなところだろう。

 コロナウイルス自体は珍しいウイルスではなく、今後も今回の武漢ウイルスに限らず変異したコロナウイルスが流行することは想定される(実際に今までもしてきた)。インフルエンザもたまに変異したものが猛威を振るうし、例年通りのものでも流行はある程度起こる。コロナウイルスも同様に対処していく道筋をつけていくことが肝要だろう。現状のように世界各地で爆発的に感染が拡大する局面では一時的に行動抑制等を通してウイルスを封じ込めていくことも必要だが、重要なことはウイルスは基本的に撲滅はできないということ。これまでの人類の歴史で撲滅に成功した感染症なんて、人類史上後にも先にも天然痘くらいなもので、まあポリオや麻疹がそれに近い状態ではあるが、現実的な理由があり全世界で撲滅という状態には至っていない。理屈だけで言えば、一、感染者を容易に特定できる(感度と特異度がともに高い簡便な診断方法が存在する)、二、ヒト以外を介して感染しない、三、効果の高いワクチンが存在する(感染の連鎖を効果的に断ち切ることができる)、の三条件を同時に満たせば感染症は撲滅可能(こちらのページ参照)。なぜなら、感染者を容易に特定できれば隔離なり治療なりが可能となり知らないうちに他人に感染させるということがなくなり、ヒト以外を介して感染しなければヒト集団において撲滅してしまえばもうそのウイルスがどこかで存続するということはなく、効果の高いワクチンがあれば比較的安全に迅速にヒト集団においてウイルスを駆逐することができるから。しかし武漢ウイルスがこれらの条件を満たしていないのは明らか。つまり撲滅はできない。一時的に抑え込んでも、他の国や地域から持ち込まれたり、世界的にヒト集団において抑え込んだとしても動物等からまた感染する。現に今回の武漢ウイルスも動物から感染したと言われている。

 そうであるならば、現在各国が多大な人的経済的犠牲を払いながらロックダウンやそれに準ずる強硬措置をとって武漢ウイルスを封じ込めようとしているが、仮に一時的に封じ込めることができたとしても、第二波、第三波、第n波といずれまたぶり返してくることは避けられない。その度に毎回これを繰り返すのか。運良く二年後あたりにとても有効なワクチンができたとして、上述の三条件を満たしていない武漢ウイルスは根絶不可能。しかも恐らく発展途上国や更に貧しい国や地域では十分なワクチン接種率を維持できないところもあるだろうし、先進国でも一定数ワクチン忌避者が存在するので、果たしてどこまでそのワクチンも効果を上げるか。どちらかというと効果的な治療薬の方が活躍するだろう。現在色々なところで試されている既存薬やこれから出てくるであろう新規の薬候補から、武漢ウイルスによる症状を効果的に治癒する薬が出てくれば、対応としては要するに毎年のインフルエンザのような形になる。打ちたい人はワクチンを打つ。感染者が出れば隔離する。感染者はなるべく早く薬を使って治療する。これ。

 そんなことを考えていたら、WHOのウェブサイトに誤ってレムデシビルの臨床試験の結果が公開されてしまったらしい(例えばこちらの記事)。これでギリアド社の株価が下がったとか。しかしこれはまだ悲観する段階ではない。記事によると投与一か月後の死亡率でレムデシビル投与群と対照群とで統計的有意差が出なかったとのことだが、これからサブグループ解析(更に詳細な群間の比較)が行われるはず。その結果、例えば年齢によって効きやすい集団がいるとか、治療開始時の重症度や症状によって効き方が違うとか、持病の有無や種類によって効果が異なるとか、そういったデータが恐らく出てくるでしょう。そうなれば、特定の集団にはレムデシビルが有効だ、ということにもなるかもしれない。そして他の治療薬候補でも同様に薬剤が有効に作用する集団が特定できてくれば、適した集団に適した薬を投与しながら治療する指針のようなものもできてくる。まああまり期待しすぎてがっかりするのも嫌だから、ほどほど程度に見守るしかないが。

 まあそれは少し未来の話として、ではワクチンも薬も約束されたものがない現状でどうするかと言ったら、一人一人がするべきことはなるべく生活を維持するために感染リスクの低い行動を心掛け自分と周囲の人間の安全を可能な限り確保すること、国としてするべきことはとにかく医療リソースを維持することに全力を投じることだろう。人々が苦しんでいる病気は武漢ウイルスだけではない。寧ろその他多くの病気の方が深刻な場合も多い。適切な治療を適切に受けることができるように、医療リソースを適切な状態に保つことは死活的に重要である。この点、我が国はかねてから人口当たりのICU(集中治療室)病床の少なさが問題視されてきた(下図、出典はこちら)。まさに今回の武漢ウイルスにはそこを突かれた形。この点は日本集中治療医学会も警鐘を鳴らしている(例えばこちらの理事長声明)。今回の騒動がある程度落ち着いたら、適切な医療提供体制の整備を加速させるべきだろう(勿論、例えばこの資料にあるように既に議論されているが、更に加速させるべきだろう)。

ICU病床数の各国比較

 その間、何ができるか。ワクチンや治療薬の開発は世界中で行われている。国も色々と有効な対策を打っているが、とにかくコミュニケーションの仕方が拙い。あるときは安倍総理が、あるときは西村大臣が、あるときは専門家会議のメンバーが、あるときはクラスター対策班のメンバーが、国民に向けて情報発信している。そしてそれらがたまに整合していないことがある。こういうときは、混乱を減らすために情報発信者は固定すべきだろう。そしてこういうときは、朝令暮改も厭わないことも大切だと思う。状況が変われば対策も変わるのは至極当然。初期の段階ではPCR検査を実施する対象を絞りながらクラスター潰しを推進、最近は少しずつPCR検査を拡充していく段階に変わっている。そしてそれは正しい。しかしこれを明確な説明なくして進めると、国民の混乱を招く上に、一部野党やメディアからの無駄な批判を受けることになる。例えば、このまま進めると、「それ言ったことか、我々が当初から言っていたようにPCR検査をとにかく増やすことが重要なんだ」といった間違った批判を増長させる恐れがある(まあそもそもそういうことを言う神経が非常に問題ではあるが)。なので国はしっかりその時々で時々刻々と変わる状況にあわせて最善の対策を打っていることをデータを示しながら透明性をもってしっかり国民に伝えること、メディアはそれを歪めずに伝えること。国民一人一人は各自にできる感染症対策を徹底し、人に感染させず自分も感染しないように気を付けながら日々を暮らすこと。今はこれだろう。この情勢下での足の引っ張り合いや、意見や価値観の異なる者が互いに貶め合っている姿は、本当に情けない(この情勢下でなくても情けないが、猶更)。

 ちなみに私個人としては、万が一自分が感染している可能性を考慮し外出時はマスクを着け、外出中は自分の顔を触らないことにとにかく神経を使い、人混みを避け、帰宅時には真っ先に石鹸で手を洗う。これを徹底すれば基本的には大丈夫でしょう。

 もうすぐゴールデンウィーク。人生で二度と経験しないかもしれない特殊なゴールデンウィークになるかもしれない。また来週も一週間頑張ろう。

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