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哲学対話とAIの共通項

 私、勤務校で 哲学対話を始めました 。興味を持ってくれた生徒たち何人かと放課後に集まって、1時間ほど対話しています。
 哲学対話とは「日常で感じる問いに対して、考えたことや感じたことをみんなで話し合うもの」で、街場では「哲学カフェ」と呼ばれたりもしています。対面またはオンラインで、幼児から老人まで、いろんなテーマで、行われています。
 今日は私が経験しながら考えたことをお話しして、「哲学対話とAIの共通項」へと話を進めます。

 さて、対話は「聞く」ことから始まります(私はそう捉えています、話すより聞くのが先)。この場合の「聞く」は、次の3つの意味を含みます。
  ▷ 耳で聴く
  ▷ 受け入れる
  ▷ 質問する
 普段の会話では、聞いているようでいて実は「聞き流し」ていたり、もしくは「自分の尺度で」批判的に聞いていることが多いように思うのです。私自身、哲学対話を始めて「最近ようやく人の話が聞けるようになってきた」と感じています。

 一方で、私は ChatGPT を使ってみて「哲学対話とAIの共通項」を感じています。以下のこと、どちらにも当てはまります。
  ▷ 正解を求めない姿勢
  ▷ 問うことの方が大事
  ▷ 参加者みんなの共同作業
 AIに「教えてもらう・作ってもらう」のではなくて、自分とAIとで「一緒に創り上げる」つもりでいましょう。AIから何が得られるかは、問い方次第です。問い方によって、どちら方向にどれだけ進むかが、まるで変わってきます。

 こうしてみると、人との対話もAIとの対話も同じようなものなんですね。大事なのは、聞くこと=問うこと。
 ところで、上のようなやり取りを通じて ChatGPT が出してくるものは、すでに誰かが発した言葉であって、上手く編集・要約されているけれども、そこに真新しさはありません。
 一方、人と人との対話では、うーんと唸りながら新しいものがポッと出てきたりします。それはAIには出せないものです。それが人の強みです。哲学対話の醍醐味です。

 AI時代になれば、対話の重要性は減るどころか、ますます増えていくでしょう。AIとの対話が上手になれば、人との対話にも活かせます。逆も然りです。両者には相乗効果が期待できます。
 それでいながら、「AIとの対話術を身につけて人と対話すると、AIを超えたものが飛び出して来る」、そんなことが十分ありえるのです。面白いですね。

◇      ◇      ◇

〜 哲学対話×AI 〜 
▷ 哲学対話とAIの共通項      
▷ AIに対する漠たる不安の正体は? 
▷ 問いを通じて人とAIが共に創る未来

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