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冬はなぜ寒いのか?

 地球・太陽・月の動きから、理由を考えてみよう。それぞれ3つ挙げてくださいね。
 ところで、設問に「図をもとに」とありますから、それ以外のことを答えてもダメですよ。主観的なものはボツです。図から客観的に言えることを答えてくださいね。
 さて、この【問題】の狙いは知識ではありません。図を見ながらいろいろ考えてもらうことが狙いです。ですから、初見であって良いのです。図を見ながら理解すれば良いのです。理由を言葉で表すことで、また理由をいくつか考えてみることで、理解が深まります。

冬はなぜ寒いのか?

 地球の自転軸は、地球の交点面に対して垂直から 23.4°だけ傾いている。
 では、ここで【問題】です。冬はなぜ(夏に比べて)寒いのか? 下図をもとに理由を3つ挙げ、それぞれ1行で書いてください。

地球の公転

人はなぜ三日月で月見をしないのか?

 月の満ち欠けは月と地球と太陽の位置関係によって決まる。
 では、ここで【問題】です。人は満月のときは月見をするのに、なぜ三日月で月見をしないのか? 下図をもとに理由を3つ挙げ、それぞれ1行で書いてください。

月見1

北極と南極ではどっちが寒い?

  【1】北極と南極ではどっちが寒い?
  【2】なぜ? 理由を3つ考えてみよう。

 理由を言葉で表すことで、また理由をいくつか考えてみることで、理解が深まります。
 間違ってもいいのです。正しいことだけを考えていては、思考が広がりません。苦しくなってからが勝負です。がんばってひねり出してください。

星の動き方は緯度で決まる

 地球から見たときの星の動きは、地球の自転と見る場所の緯度だけを考えればいい。地球の公転地軸の傾きは考えない方がいい。
 まず、地球から見たときの星(恒星)の位置は変わらないとしてよい。星までの距離が非常に遠いからである。
 次に、地軸の方向に北極星があるため、北極星は北半球のどこで見ても動かない。南半球からは見えない。
 また、星は東から上って西に沈む(北極点と南極点は除く)。太陽と同じである。これは地球の自転に因る。

 はじめに日本での星の動きを確認しよう。日本の緯度を北緯 35°とすると、北の空の地平線から 35°上の方向に北極星があって、その回りを反時計回りに星が回る。
 東の空では右上の方向に星が上り、西の空では右下の方向に星が沈む。南の空では左から右に(東から西に)円弧状に星が移動する。

星3

 では、ここで【問題】です。北極点ならびに赤道上では星の動きがどのように見えるか、東西南北の4方向に分けて、星の動きを図示してください。


《解答編》

冬はなぜ寒いのか?

  • (冬は夏に比べて)陽の当たる時間(昼)が短いから。

  • (   〃   )太陽(の南中)高度が低いから。
           (単位面積あたりの日射量が少ない)

  • (   〃   )太陽から(その地点まで)の距離が遠くなるから。
           (公転軌道は楕円だから一概にそうは言えないのだが)

(追記)北半球での見かけの太陽の動きは、季節によって上のように変わる。

人はなぜ三日月で月見をしないのか?

  • 三日月は(満月に比べて)暗いから。

  • 三日月は(満月に比べて)光っている面積が小さいから。

  • 月の模様(うさぎが餅をついているとか)が見えないから。

  • 三日月は夕方と明け方の短い時間しか見えないから。

  • 三日月になる日数が多い(満月の2倍?もあって飽きちゃう)から。

など。
 初めの3つは「月の形」すなわち「ある瞬間の動かない月」について考察することで出てくるでしょう。後の2つは「時間経過」(地球の自転と月の公転の相互関係)から出てくることです。

 なお、苦し紛れなんでしょうけれど、3つ目あたりにこんなのが出てきます。《珍答例》として、

  • 三日月の夜は狼男に襲われる心配がないので、安心して寝ていられる。
      (満月の夜は外で見張ってなきゃならない)

  • 三日月の端に魔女が腰掛けて魔法をかけようと狙っているので、
      家から出ない方がいい。(魔女宅ネタ)

  • 満月の夜は、かぐや姫が月に帰るのを見送れるかも。
      (牛車が満月を横切る映像見たいよね)

 挿絵付きの説明もあったりします。でもそれだけでは「図をもとに」という条件を満たしませんよ。
 また「月の引力=潮の満ち引き」に関連づけ(こじつけ)ようとしたりして、グダグダとたくさん書くので何を言いたいのか分からないものが多いんですが。

(追記) 地球が自転すると、月と太陽はほぼ同じ軌道をほぼ同じ速さで回っているように見える。

北極と南極ではどっちが寒い?

【1】 南極

  • 北極が海であるのに対して、南極は大陸だから。
         (水は暖かくて冷めにくい=比熱が大きい)

  • 南極は標高が高い。
         (氷の厚さは平均2,500m)

  • 南極大陸の周りを寒流が回っていて、暖かい海水が入ってこない。
         (北極には暖流が流れ込んでいる)

星の動き方は緯度で決まる

◇ 北極点では、頭上真上に北極星があって、その周りを反時計回りに星が回る。
  地平線近くを見ると、星は左から右に移動する。なお、星の半分は見えない。

◇ 赤道上では、星は全部見える。東の空では星が真上に上り、西の空では星が真下に沈む。
  北の地平線上に北極星があって、その周りを反時計回りに星が回る。南の空では時計回りに星が回る。

 以上のことを理解したうえで、地球の公転と地軸の傾きを絡めれば、
  ◇ 季節(春夏秋冬)ができる
  ◇ 季節によって(地球から見たときの)太陽の移動経路が変わる
  ◇ 季節によって見える星座が違う(冬の星座、夏の星座など)
ことも理解できるようになる。
 というわけで、天体の動きを理解するには、太陽より先に星をやっちゃった方が良さそうだな。

◇      ◇      ◇

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