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Paris とピカチュウのバッグ

海外で暮らしてきた私。
留学したことで、たくさん恩を受けたからそれ以上に返さないと。

そんな要らぬ義理堅さで、他の国には目もくれず彼の国との架け橋になるべく学び、働いた数十年。

数年前、ふとした私の処遇をみたある人から君は国を愛しているけれど、君は愛されてないようだ

と言われた時は動転した。
その話はまたいつか。
でもそれがきっかけで他の世界、国や言葉に目を向けることに。

再スタートには遅過ぎるけれど、もうこのままではいられなかった。

それから数年。
私は東南アジアは卒業、ここではないどこかを終の住処にと願っている。

さて、前置きはこれくらいにしましょう。

ピカチュウのこのバッグ。
ある日、SNSで見かけたピカチュウのこのバッグ持って歩いていたら、あちらの人によく声をかけられたというお話。

もうお店では販売されていないけれど、結婚資金を貯めている女の子から譲ってもらった。

まだ行く予定のない街へのチケットを手に入れたような気分でいる。

おばちゃんが持つには十分奇抜な黄色いビニールのバッグが夢の街へのチケットなんて、まったく想定外でよい。


自分があの街でこのカバンに野菜なんかを詰め込んで歩いている姿を想うだけで楽しい気分になる。そういう幸せがあっても良いなぁと思う。

実際に声をかけてもらって話のきっかけになったら楽しいし、ならなくてもいい。

その日が一日、また一日と近づいてきているのを感じられるからそれが嬉しい。

あの街で黄色いあのバッグをもって歩ける日がきたら、また新しいストーリーが始まるのだろう。

その日を楽しみに。




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