【郷土料理】かぼちゃの味噌汚し
よごし・・・?
料理の名前に「汚し」を入れるのは、果たして正しいのか
祖母がカボチャをもらったり買ったりするたびに作ってくれていた料理。
ずっと料理名を知らずに、「祖母がいつも作るカボチャのやつ」という認識で好んで食べていた。初めて料理名を聞いたときは3回は聞き返した。
「汚し!?」
本当に汚し(よごし)であってる?
汚し=きたない、泥団子・・・みたいなイメージがあったので、
こんなに美しい山吹色のどこが汚しなのか全くわからなかった。
そもそも料理名によごしというマイナスな言葉をつける意味もわからなかった。こんなに美味しいのに、かわいそうと思った。もっと素敵で食欲が湧く名前に改名してあげたい。(カボチャパラダイスとか)
けど、私が汚しという言葉に対して偏見があるだけで、「よっしゃー!」が変換されたとか、いい意味で使われているかもしれない。
そのままでした。
汚すからよごし・・・・・
調べていると、富山県にも「汚し」があることがわかった。
こっちの方がいい!!!
そもそも、料理をするときに手が汚れることなんて当たり前のことだ。
昔の長崎県民は、急にこの料理にだけ手が汚れることに対して厳しくとらえ、敏感になっているのだ。
私にとっては「カボチャの味噌汚し」が定番だが、同じ長崎県でもさまざまな食材の違いがある。とにかく、味噌やごまで味付けしたものを「よごし」と呼んでいるみたいだ。そして、家庭によって味のバリエーションもかなり豊富みたいだ。
富山のよごしは、一晩寝かせることから名前の由来が来ていると書いてあったが、カボチャの味噌汚しは、出来立ても、一晩置いて冷やしてでも2回も楽しめる。
「待つ」必要がないのだ。
富山の人は、「どうせ今日作っても、食べれるのは一晩寝かした明日だから」と思って、調理器具とかも存分につかって、ゆっくり作っていたのに対し、
長崎県の人は、一刻も早く食べたい一心で、急いで作るから、調理器具とか探したり用意したりする暇がなく、手で作るから、手が汚れるという意味で名付けたのかもしれない。
その混ぜた手で、そのまま出来立てをすくって口に入れたらさぞかし幸せだろう。
よごしは美味しすぎるが故につけられた名前だったのかもしれない。
カボチャの味噌汚し、サラダでも、主菜でも、デザートでもない、不思議な立ち位置だけど、ジャンルづけするなら「ご飯」の部類だと思う。私はいつも茶碗に山盛り持って、食べる。
とにかく食べ始めると止まらない。
作り方
郷土料理を作るときの基本。
地元に根付いた商店や八百屋で食材を買うこと。
作るものを言ったら、それにあった食材を選んでくれます。
これが本当にすごくて、中身が見える透視能力があるのかというくらい100発100中なんです。
そもそも、私にとっては、立派なカボチャを切るのが1番のハードルなのですが、ここに関しては、現代の知恵と技術を使うのが一番です。
丸ごとレンチンして、柔らかくしてから切ります。
あとは、気合と、包丁そのものの良さが大事になってきます。
地元の金物店に包丁を研いでもらいましょう。
どうせとんでもなく崩すので、煮崩れとか一切気にしなくていいのがいいところ。そして、皮ごと使えるのも本当にいい。
しかも、よく見たら、カボチャのタネもまだ残ってる。
けどそれでも全然大丈夫。
万能味噌を入れ、空炒りしながら潰して、味も馴染ませていきます。
潰し具合はお好みですが、ある程度食感が残っていた方が食べるとき
楽しいです。味噌の加減もお好みで。
冷やすと結構味噌が効いてくるので、ちょっと薄いかな?くらいがおすすめ。
味噌のしょっぱさがカボチャの甘みを最大限に引き立ててくれます。
カボチャサラダにおけるマヨネーズは、正直、目立ちすぎ。
味噌汚しの味噌は、名前に「味噌」と入ってきてはいるものの、実際はあくまでも脇役ということをしっかり自負している。
カボチャは、
甘い煮物も、コロッケも、マヨネーズのサラダも、カボチャのケーキやモンブランなどのスイーツも、なんでも美味しいけど、結局カボチャ本来のポテンシャルが一番発揮できてカボチャが輝いている料理はこれだと思う。
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