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星の教科書

脛毛に
触れて思うのは星くずだった記憶
湯船に浮いたのは そしてそのメモ

睫毛はくらやみを覆い 水平線を食べ尽くした そのくらやみの中だけで僕は走れた

嘘つき北極星は
目覚めるとポストの中にいる
狂ったコンパスを持つことがファッションを語る上では重要らしい

君が生まれる前の君は
僕が溶けていく姿をビデオに焼き残した人で いまの君は教科書のインクの匂いが好きな人だからまた僕に出会った

経験済みの感情が音を立てなくなったとき
電化製品が共鳴した
ああ 性能の高い機械はわたしより3次元に近い心臓を持ち 心までも発達している

二足歩行の生き物は感情という便利な機能を持っているのだな と思った
なんどでも同じ人間から生まれるのだから

兄は土星の近くで溶けたらしい
随分遠くまで行ったんだな
あの頃の僕たちにとって長旅は勲章

君が捉えてくれることを生まれた時から知っていた 地球のそばで燃えることにした

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