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最近の記事

せかいのめがね

春の隙間に現れたの その曇りは 自分をみるために用意した いちばん透き通ったグラス 晴天の声の大きさに隠された本音は この日を待っていたよう 馬の毛が靡くように立つ波を 窓から眺めれば 戸締りに煩い母が出て行ったこの部屋に 透明な風の香りが吹く ああ これが本当の休日 いちにち いちにち 来るはずもないあの一日が 愛おしいのだと知れるのは この日が訪れるから これはきっと今世紀の大発見 歴史の教科書に載せてね わたしのひ孫が目にするから それは石碑に刻むより価値のある

    • あきらめ たいよう

      頭上に現れれば グラデーションを与えられた海 ゲレンデは燃える わたしが顔を出せば 祭りが始まる国もあるらしい 列をなして歩く 赤い帽子の子ども ずっとそれになりたかった いつまでも あかるい孤独 せかいを照らす自分であるより 南に向かって洗濯物を干す人生 望んでいたのは  電車の中 座る場を見失った孤独 都会の夜景を一望できる孤独 に、あこがれる孤独 あきらめたい あきらめたい 唯一、あいしている自分は 星の反対に身を隠したとき  あらわれる ひとつの月

      • 洗濯物のタイムライン

        物干し竿で揺れているからだは 風に吹かれ 代わりに生きていてくれる 優秀な建築家たちは なんちゅう、なんぷうを探しつづけた いのちを与えるものは世界から 消えることはないのだよ ぶんがく も きょうてん も めいが も 使いまわされることで それをつたえてくれているね きづいてる? 滅ぼしたがりの人類は 朽ちたものを美としたい 言い切りたいのだ ハレ と いのちはめぐる そうわたしに伝えてくれたのは 冬に乾き切らない毛布と明日 夜にはそれで眠る予定だから 望んでいるの

        • 代替可能なきみの

          きみのその せいぶつ としての輝きを ひとつひとつ数えて書き留めてある くしゃみ1 くしゃみ2 白髪1 〜 白髪6 シャツの皺  9(両肘) 5 (尻) チャージ 2000 〜 5000 きみが好んでいるのは 暗がり あるいは 眠れずに迎える朝 そんなきみの 代替え可能な存在のせいで かがやきからは逃れられない のだと 伝えていくの  悲しみの暮れは 暖をとるために 世界のあちこちで生まれている 残念です 終わりがあることで 暗がりにいたい君の 望みはかなわな

        せかいのめがね

          星の教科書

          脛毛に 触れて思うのは星くずだった記憶 湯船に浮いたのは そしてそのメモ 睫毛はくらやみを覆い 水平線を食べ尽くした そのくらやみの中だけで僕は走れた 嘘つき北極星は 目覚めるとポストの中にいる 狂ったコンパスを持つことがファッションを語る上では重要らしい 君が生まれる前の君は 僕が溶けていく姿をビデオに焼き残した人で いまの君は教科書のインクの匂いが好きな人だからまた僕に出会った 経験済みの感情が音を立てなくなったとき 電化製品が共鳴した ああ 性能の高い機械はわた

          星の教科書

          詩を書く日

          詩が生まれない日々をよそに 世界は美しくいてくれる 何万分の一を言葉にしている時間には 陽の光が動いた音さえも聞こえない部屋に籠り ただ時間を解剖している 部屋にいる間に拾いきれない出来事が 口惜しいわたしたち 図書館に行っては 人生で出会いきれない言葉たちに 思いを馳せて 悲嘆し 諦める 知らない美しさが 知られないまま潜んでいることが この世界での唯一の救い

          詩を書く日

          ラクーンとそのひかり

          ラクーンとその先っぽが集めたひかりは 夏の記憶をはらんでいるか 陽のひかりを借りて 愛に透明性をもとめていたころを もう忘れたかのような顔して 今では世界からわたしを守ろうとしている 一年を通して同じ愛しか持てない人が羨ましかった 欲しいのは変わらない愛じゃなくて 変わらない自分 人は一人で全ての季節を内包しているらしい 人生でそれだけを信じて 今日もちいさな世界をただ眺めている 愛に意思はなく肌触りだけ

          ラクーンとそのひかり

          愛想の暮れ

          この鉤括弧は裏拍子  無愛想 活字は読めない マリーンルージュの愛嬌 よもやまに ぷかぷか揺られる 一生部屋の中から景色を眺める日は来ず 雑踏の中で点と点を結びつける

          愛想の暮れ

          ふたり

          色鮮やかなきみは 高画素機を怖がるし 顕微鏡も覗けない 生きたい叫びは やさしい方がよく見えて しずかな方がよく聞こえる きみに薪をくべて きみにずっと話しかけるよ そしてそれを眺め続ける 真っ白でしかいられないきみは ぼくがいる間 朗らかに燃え続けている

          タンゴはうたう

          タンタン タンゴはピュアすぎて 言葉からはなれてひとりになった とおくとおくの むかしの記憶 音にはならず 石碑で踊る絵になった いつしか おもいを伝えるために 月にも 星にも 風にもなった く とも ぶん とも 仲よしだけど ひとりになりたいときもある きみを傷つけるのが こわいんだ あの あかちゃんの初めてのタンゴ まわりのみんなは えがおになった この ぶんめいが 消えたとしても あなたの 名前は タンゴのまま

          タンゴはうたう

          無題

           わたし            終り     ふれる    いのち          二人        自由         あさひ       ねむる     眺め    紡ぐ    ことば           きおく      隣り       夕陽   ひとり      いたみ         遠く                     貴方

          マルニ

          惑星いっこくれるとか 花束のための庭園をつくるとか 国境を吹っ飛ばすとか そんなことは愛じゃなくって あなたの本当にほしいものを あなたの手で 淡々とただ淡々と創っているのを眺めるのが永遠の願い あの建築様式は 変わらないことがその終わり 恐れを感じるあなたを信じる 葛藤する君が美しいから ただただ そのもくげき者でありたい

          物分かりがいいから

          物分かりがいいから 生まれたときからすべてを知ってるよ 地球に四季はない 1日は16時間 赤ちゃんは父と母から生まれない 人間は101%の水でできている 咲いている花はすべてAIに許された命 慰めの言葉は明治時代から禁止になった みんな暇潰しに人を愛している 物分かりがいいから 地球が終わる日に生まれてきた

          物分かりがいいから

          ルーチン・ワーク

          スニーカーのすり減ったかかとに気づく マグカップの洗い残し イヤホンがプツプツ音を立て始めた 出会えば幸運と噂のパン屋のトラックは 毎週、火・日、9:23うちの前を通り過ぎる 行ってきますを言わなくなって5年 今日はとても寒い あっ、咳をしても一人。 生きていてねは傲慢で 健康こそが愛のことば 今、向こうの窓の灯りがついた 私を作るのは音楽や言葉ではない ただの毎日だと知る

          ルーチン・ワーク

          忘れる

          朝焼けは昨夜の曇り空を モクレンの木は散っていった花びらを 足音は眠っていた自分を忘れている この写真は日付を 手紙の文字は書き手のことを 好奇心の気配は痛みを忘れている 付箋は一枚の紙だったことを 足跡は百貨店に並んでいたことを 夕焼けは昨日の空の色を忘れている 暗がりで見える一点は星だったことを 電球の灯りは風だったことを 毛布は私の体温を忘れている 大丈夫 明日には忘れているよ もし覚えているのなら 元の場所へかえすといいよ 忘れたもの 取りに行かなくていいもの