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人の成長を促すための1on1 | なぜ対話が個人の成長を促すか

みなさん、1on1やってますか?最近では会社が推進したり、マネジメント意識の高い人が進んで行ったり、いろんな広がりを見せていますね。

では、「1on1の目的って何?」と訊かれて即答できる人はいますか?

意外と少ないと思います。そもそも、1on1に目的をもって行っている人が多くないですからね。雑談で終わったり、逆に重すぎる話になったりします。今回はそんな人たちのために1on1の目的について考えてみようと思います。

さて、1on1の目的ですが、乱暴にいうと「個人の成長を促すこと」この一点に尽きます。しかしなぜ個人の成長を促すための方法が個人間の対話なんでしょうね。セミナーやワークショップ、もしくはスキルチェックテストではいけなかったんでしょうか?

実はこの問いかけ、つまり「なぜ個人の成長に対話という方法を使うのか」というのがけっこう重要ではないかと私は考えています。というのは、「成長」という言葉の定義に関わる問題だからです。

成長という単語を辞書で引いてみましょう。ネットですが、goo国語辞書にはこう書かれています。

1 人や動植物が育って大きくなること。おとなになること。「子供が成長する」「ひなが成長する」「経験が人を成長させる」
2 物事の規模が大きくなること。拡大。「事業が成長する」「経済の高度成長」

1on1がめざす個人の成長は1の意味ですね。例として「経験が人を成長させる」と書かれています。よく見かけますが、核心を突いたよい表現ですね。

育って大きくなるのが「成長」です。では、人が成長するというのは身体以外に何が「大きく」なることなんでしょうね?大事なのはそこだと思います。

ここで1on1の条件をおさらいしてみましょう。

1. 上司もしくはそれに相当する人と一対一で行う
2. 対話形式で行う
3. 形式は規定されているが、目的は規定されていない。やるものの自由

上記の3つの条件から思うに、1on1というのは形式しか定義されていない。つまり、一対一で話し合うということ以外の決まり事はないということです。目的はやる人の自由です。1on1が雑談にしかならなかったとして、それが間違いというわけではないのです。

しかし人と人とが対話するわけですから、対話した後にお互いに前向きな気持ちで終われることは大事な気がしますね。個人と話すということは、つながりを感じたいという欲求を満たしたい人間の本能に根差しているものと思います。

その上で「成長」です。「何かが大きくなること」を成長と言っていましたね。その何かとは、「視野」だと私は思います。言い換えると、「普段は気に留めなかった事象、他人事だと思っていた社会問題などの身の周りのこと」を「自分事」として捉えられるようになるまで視野が拡大することを「成長」と呼んでいいと思います。

さて、成長とは視野が拡大することだと言いました。では視野を拡大させるにはどうしたらいいか?私はここで1on1の「対話形式」というものがキーポイントになると考えました。

対話によって個人にアプローチする方法で最も難易度が高いものは、「個人的な経験を糧とすること」です。しかし最も有効な方法でもあります。自分自身を振り返り、経験を活かして自己認識を高めるのが成長の第一段階です。これはグループワークでもいいんですが、プライベートなこともさらけ出す必要があるので一対一で行うのが効率的だと思います。

いいかえると、対話によって自己の経験をふりかえり、自己認識を深めることが対話によって得られる最大のメリットということになります。悲しいかな人は一人で自分を省みることはできないので、対話する相手が必要になるということだと私は認識しています。

ここまで考えると対話による成長とは、自己認識を深めて、結果として視野を拡げて社会問題を自分事として捉えることだと言えるでしょう。

そして対話による成長を促すためには、話し合うことよりも「自問自答を促すこと」のほうが大事だと思えてくるわけです。つまり、「相手と対話する形式を取ることで、自分自身との対話を促すこと」が大事だと思えます。


今回はこんな感じでしょうか。1on1の目的や方針について、少しでも参考になれば幸いです。私との1on1に興味を持たれた方は、以下からご連絡いただければ相談に乗りますのでお気軽にどうぞ。

読んでいただきありがとうございました。

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