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恋愛観の変遷

早稲田大学教授の岡室美奈子さんという方が、昨日のNHK番組「あさイチ」で、テレビドラマに見る日本の恋愛観の変遷について解説なさっていて、興味を引かれました。大まかにいうと、1980年代は、憧れのキラキラした恋愛、1990年代は、自分にも手の届きそうな恋愛、そして、恋愛ドラマの冬の時代2000年代を経て、2010年以降は、多様な恋愛を題材としてテレビの恋愛ドラマはできているそうです。2016年放送の「逃げるは恥だが役に立つ」では、主人公たちは契約結婚、彼らの周りでは、年の離れた人の恋愛や同性の恋愛が繰り広げられる。けれども、ドラマを貫くテーマは、恋愛・結婚の先にあるパートナーシップの構築だといいます。また、今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の場合は、身分違いで結婚には至らないけれど「ソウルメイト」として絆を深める恋が描かれるのだろうと岡室教授は推察しています。
実は、私は彼女が挙げた代表的な恋愛ドラマを20代だった1980年代も、それ以後もまったく見ていません。自分では意識していなかったけれど、恋愛に大して興味が無かったのかも。でも、コロナ禍の中、アマゾンプライムで「逃げ恥」は見て、面白いと思ったし、今、「光る君へ」も見ています。どちらも主人公に共感できるように感じていたので「パートナーシップ」とか「ソウルメイト」とか言われると、なるほどなあと思います。私は主と従、守り・守られるなど、立場を基盤とした関係ではなく、平等で尊重・尊敬し合い、時に応じて調整し合える関係が理想だと思っているので、このふたつは違和感なく見れたのかもしれない。
でも、これって恋愛だけかしらとも思います。「ソウルメイト」とか「パートナーシップ」の精神を分かち合える人は、恋愛対象でなくても、特別な存在で、そういう人がいてくれたなら、人生はすごく豊かになるでしょう。現代人は、人間関係のややこしさを苦手とする一方で、心を分かち合う深い関係を求めているのかもしれません。
旧約聖書を見てみると、同じ価値観を分かち合う間柄から恋愛に発展した例は、後にイスラエル王となったダビデと彼の二人目の妻アビガイルが挙げられると思います。けれども「ソウルメイト」というならば、何といっても、そのダビデと前王の長男ヨナタンだと、旧約聖書を読んだ大方の人は思うのではないでしょうか。


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