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時空を超えて届く、信頼の言葉

ここは沖縄の写真館

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私たちの写真館では「レンタル琉装」というサービスを行っています。
琉装とは沖縄の民族衣装。歴史ある鮮やかな「琉装」を身にまとい、写真撮影を体験していただけます。
琉装のまま外を一日散歩できるようなプランもあります。

観光に来たお客様はもちろん、地元の方にも人気のレンタル琉装写真館。そんな写真館に、一組のご夫婦が来店されました。東京から旅行で来られたご予約のお客様。

簡単な受付を済ませ、奥様はお支度に入りました。
「沖縄には何回も来たことがあるんだけどね、一度でいいから琉装を着てみたいと前から思っていたの!」
ニコニコ笑顔で奥様が仰います。
「そういえばこのお店、文教スタヂオさんのお店なんですね」
突然会社名を呼ばれて、私はドキッとしました。

奥様の仰る通り、ここは私が勤める文教スタヂオが運営するレンタル琉装のお店。ですが、店名に文教スタヂオの文字はありません。それにこのお店で「文教スタヂオ」を知っているというお客様に出会ったのは初めてだったので驚きました。

「奥様、文教スタヂオをご存知なのですか?」驚く私に、もちろんという表情で頷く奥様。

お話をうかがうと、奥様はツアー会社にお務めだそうで。
「入社してまだ間もない頃に仕事で文教スタヂオの社員さんとご一緒することがよくあって、写真の文教さんがどんなお仕事をするかよく知っていたの。だからこのお店のホームページで文教スタヂオの名前を見つけた時、良い記念になるに違いないと思ったのよ。文教スタヂオさんなら間違いないって
私はその言葉を聞いて嬉しい気持ちと共に身が引き締まる思いでした。

お支度を終えて琉装を身に纏った奥様。お店の外に出発していよいよ撮影開始。
お客様には撮影を通じて沖縄の文化や歴史にも触れていただきたいという想いも込めて、様々な撮影スポットを巡っていただきます。
「ガジュマルを背景に撮ってもらえるの? 沖縄らしくっていいわねぇ」
「現地の人に撮ってもらうと、観光もできてお得だな」

移動中もご夫婦に楽しんでいただけているようで私は嬉しい気持ちになりました。
その後撮影を無事に終えお店へ移動。撮影した写真データをご覧いただきます。

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御嶽(うたき:琉球神道の拝む所)で撮影したお写真を特に気に入っていただけました。撮影中の奥様を夢中で携帯撮影する旦那様を写した一枚も、大変喜んでいただけました。
ご満足いただけたようで、私はホッと胸を撫でおろすことができました。

「文教スタヂオなら間違いない」
奥様がくださったこの言葉は、脈々と受け継がれてきた会社の歴史を改めて感じさせてくれるものでした。
これまで会社を支えてきた先輩方の技術と努力に対するお客様からの信頼が、時空を超えて私たちのいる現代に届いた。
その期待を裏切らないようにより一層頑張らなければと、私は改めて身が引き締まる思いでした。

「ありがとうございました。良い記念にしてくださいね」
最高の想い出をご用意させていただいた後、お客様の後ろ姿に私はこの言葉を添えます。
私自身も「文教スタヂオ」の一員であるという誇りを胸に。