「天国にいる大切な人」と想い出を創りたい… そんな男性のお手伝いをしたお話
アミーゴたちは全国各地で記念撮影をしています。
カメラの前に立つお客様は、様々な想いを胸に秘めて写ります。
百人百様のその想いを、カメラマンであるアミーゴたちは知ることができません。
ファインダーをのぞいても、心の内までのぞくことはできませんから。
ですが、お会いしてからお別れするまでのわずかな時間、アミーゴたちはお客様の胸中に全力で想いを馳せます。お客様のお気持ちに最大限寄り添って、自分に出来ることはないかと精いっぱい考えています。
なぜならそれが「特別な1枚の想い出創り」に繋がると信じているから。
今日はそんなお話です。
* * *
東京の街並を一望できる展望台。アミーゴはパノラマの絶景をバックに、お客様へ記念撮影サービスを提供しています。
その日は見事な日本晴れ、景色も澄み渡っていました。
正午をまわって少し落ち着いた時間帯。撮影ブースにご年配の男性客が一人やってきました。アミーゴは念のため伺います。
「何名様ですか?」
「二人で来ました」穏やかな口調で男性は答えます。
返答を受けてアミーゴは辺りを見回しますが、お連れ様が遅れてやってくる様子はありません。
おや?と小首をかしげつつ、男性の顔に向き直りました。すると彼の目線は、意味有り気に、ご自分のお手元に注がれていました。視線を追うと男性の手には白い包みが大事そうに抱えられています。
その瞬間、胸がドクンと波打ちました。鼓動が早くなります。
まさか、お連れ様というのは、
あの白い包みの中にいらっしゃるのでは?
そう思い至ったとき、アミーゴは自分に何が出来るのかを、短い時間で精一杯考えました。
撮影場所にご案内すると、男性はゆっくりと包みをほどき始めました。出てきたのは立派な額に入った女性の写真。
見たところ男性客と同じお年ごろでしょうか。お客様は写真を大事そうに抱え、そのまま撮影用のイスに座られました。
「この撮影、絶対に失敗する訳にいかない!」アミーゴは思いました。
ストロボ光が写真の額に反射しないよう注意を払います。向き、角度、お客様にご協力いただきながら入念に入念に調整します。
そして…
「お二人で、最高の笑顔でお願いします」
高まる想いを必死で抑えながら、元気のいいお声がけで撮影を行いました。辺り一帯に染みわたる、シャッターの切れた心地いい響き。アミーゴは撮影の余韻を感じながら、お写真の女性の表情もわずかに微笑んだ気がしていました。
撮影が終わってもアミーゴの心持ちは未だ緊張で満たされていました。キレイに撮影できているか、そこが問題です。
写真が仕上がりました。お客様は手に取ってしばらく眺めておられましたが、やがてアミーゴに視線を戻すと、ゆっくりと口を開きました。
「妻との、とても良い記念になりました。本当にありがとう」
「こちらこそ大切な写真を撮影させていただきありがとうございました!」
アミーゴもお客様に御礼の言葉を伝えました。
「ここは妻がずっと行きたいと言っていた場所でした。素晴らしい天気の今日、二人でここに来ることが出来て、写真も一緒に撮ってもらって… 本当に良かった」
お客様の目には、いつの間にか涙が滲んでいました。そして晴れやかな表情で
「ありがとう」
男性は白い包みと記念写真を大事そうに抱えながら立ち去っていかれました。アミーゴは今でもその後ろ姿が忘れられません。
今は亡き奥さまとの思い出。男性客がどのような想いをもって写真を撮られたのか知ることは出来ませんが、お客様の気持ちに寄り添って一緒に想い出を作る姿勢が大切だと改めて教えてくれたエピソードでした。100人お客様がいれば100通りの想いがあります。
全国各地のアミーゴは、お客様からの様々なリクエストにお応えすべく日々、撮影技術向上に努めています。AMIGOにぜひご希望のイメージをリクエストください。