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観た映画から再確認する自分の好みについて

最近映画を2本観た。映画を観るのにある程度の体力と意気込みを必要とするので、長期休暇ぐらいでしかその機会は訪れない。

1本目:「ソーシャルネットワーク」

Meta(旧:Facebook)の創設者、マーク・ザッカーバーグの映画。下記サイトにマーク・ザッカーバーグの半生を映画化とあるがそんなことはなかった。

この映画を観ようと思ったきっかけを少しだけ。

以前、エニアグラムとトライタイプがわかるテストを受けたことがあり、その時の結果が5w4、トライタイプ538と出た。

トライタイプは性格や能力のタイプではなく、防衛戦略や動機付けのタイプである。そのため、典型的なタイプの特徴と、実際の人間の性格・能力の傾向は必ずしも一致しない。

https://casual-typology.blogspot.com/2021/07/tritype.html#toc_headline_7

ソーシャルネットワークに登場するマーク・ザッカーバーグがトライタイプ538なのではないかと上の引用元のサイトにあったので観ることにした。

僕自身、Facebookに触れたことはなく、マーク・ザッカーバーグのついての知識もイーロン・マスクと殴り合いをしようとしていたぐらいしか知らない。あと、世界長者番付上位。


感想に入る。ネタバレあり。


ちょっと思っていた内容と違った。あらすじを見て、マーク・ザッカーバーグがFacebookを立ち上げるまでの映画かと思っていたが、Facebook立ち上げまでとそれに付随する2つの訴訟問題について場面転換(時系列も現在と過去を行き来する)しながら進んでいく映画だった。

めちゃくちゃ端折ってあらすじを書く。主人公はマーク・ザッカーバーグ

①ハーバード大学に所属するマークが別大学の彼女に振られる。

②振られた腹いせにハーバード大学のコンピュータをハッキングして、女子学生の写真を集め、顔の格付けサイトを立ち上げる。その後、保護観察処分を受ける。

③その能力に目を付けた、同大学の3人にあるサイトの制作依頼を持ち掛けられ承諾する。

④依頼を受けた上のサイトの内容から着想を得て、親友のエドゥアルド・サベリンにCFO(最高財務責任者)の就任を依頼し、共にFacebookをつくっていく。マーク本人はCEO(最高経営責任者)

⑤そんな中、Napsterの設立者であるショーン・パーカーがFacebookを目にしマーク達に連絡をとる。

⑥マークはスポンサー探しに奔走するエドゥアルドをそっちのけにショーンに入れ込んでいき、エドゥアルドとの間に亀裂が生じ始める。

⑦Facebookが巨大化している事実を知ったメンバー(③でマークに依頼した3人)から自分たちのアイデアをパクったとして訴えられる。また、エドゥアルドからも彼のFacebookの持ち株が30%から0.03%に減ったこと、CFOを降任させられたこと(マーク本人が意図したことかはいまいちよくわからなかった)で訴えられる。

大筋の流れはこんな感じ。

※マーク・ザッカーバーグが所属していたハーバード大学には「フラタニティ」と呼ばれる団体があるようだ。僕はこのあたりの社会・文化的事情に
明るくないので映画を観終わった後に調べた。映画の面白さにはそこまで関与しないと思われる。

ぶっちゃけ、訴訟問題にはそこまで興味が持てなかった。Facebook設立にまつわる事件は事件なんだけど、本筋はそこじゃないと思う。

また、親友とされるエドゥアルド・サベリンとの出会いの描写もなく、マークはエドゥアルドのどこに惹かれてCFOの就任以来をするまでの仲になったかなどが知りたかった。

さらに言うと、Facebookができるきっかけって彼女に振られた腹いせなん?

在学中から何かのアイデアがあったわけではないのか。そうだとすると行き当たりばったりでFacebookはできたの?

僕としては、マークのFacebookに対する熱い想いやビジョンみたいなものを掲げながら大学生活を過ごし、紆余曲折を経てFacebookができたみたいなものを想像していた。その紆余曲折が訴訟問題だとは思ってもみなかった。事実は小説よりも奇なりではなかったということだ。

実際は、本人たちしか知らないドラマティックな事態があったことだろう。そういったものを見たかった気持ちがある。

映画の中で、マークを演じるジェシー・アイゼンバーグの表情があまり楽しそうでなかったのも気になった。大学のコンピュータをハッキングしていた時は楽しそうな気がしたが、その後は親友ともめるシーンや訴訟のシーンもあってか険しい表情が多いように見受けられた。

マークの性格的に表情にあまり出ないというのは演じる上ではなんらおかしくはないが、疲れてムスッとしている人物という印象が強かった。

もっとアメリカの文化背景とか知っていればもう少し楽しめたのか?あまり関係しなさそうではありそうだが。

良かった点

大学のコンピュータをハッキングして、セキュリティの脆弱性を指摘したところ。プール付きの家で仲間と遊んでいたシーン。

映画「ソーシャルネットワーク」から再確認した自分の好み

目的とそれを目指す理由、トラブルとそれを解決するまでの過程、人間関係こういったものが丁寧に描写されたものが僕の好みだと思う。時系列が前後するのは集中できないので個人的にあまり好きではない。

多分、フィクション系の作品を見た方がいいのだろう。トライタイプ538についての理解は遠ざかったので、またどこかで調べようと思う。

2本目:「セブン」

日本でもおなじみの7つの大罪をモチーフにした連続猟奇殺人事件の映画

Amazon Prime Videoのウォッチリストに入っていたので観た。

感想に入る。こちらもネタバレあり。

ウィリアム・サマセット(モーガン・フリーマン)とデビッド・ミルズ(ブラッド・ピット)の2人の刑事が主役。

序盤に起きた殺人事件を追っていく中で、現場に残された痕跡から7つの大罪に基づく殺人事件であることが判明する。中盤までは犯人の情報が出てこなく、映画の半分以上経って裏技的な方法でようやく犯人の情報がわかる。

ジョン・ミルトンの「失楽園」やキリスト教に関するものが出てくるので
それらに詳しいともう少し作品に入り込めるかもしれない。僕はほぼ知らなかった。時代背景なども映画に関連しているらしい。

いきなり結論にいくが、とある理由からデビッドが犯人を射殺して物語は幕を閉じる。デビッドにとってはただの連続殺人犯というわけではない。

一から十まで説明することが必ずしもいいわけではないが、それにしても「え、これで終わり?」感が半端なかった。

まず、犯人の連続殺人の理由が不明。一応、犯人の中での理由は多少は触れられているがよくわからなかった。

また、犯人が判明するのが遅い。しかもそれまでに登場していた人物とは言いいがたい人物であった。これは好みの問題だろう。

続いて、7つの大罪になぞらえて殺人事件が起こる、いわゆる見立て殺人であるため、なぜ7つの大罪が動機となり得るのかの理由が必要になってくると思うのだが、「7つの大罪」というテーマが先出しされるため、サスペンス物の根幹の一つである動機が少し薄れてしまっていると感じた。それを活かしてうまく理由付けができればいいと思う。

犯人の計画は、主役の刑事二人に見つかったことで途中で変更を余儀なくされる。自分の邪魔をした相手に興味を示すというのは不自然ではないが、その後の7つの大罪に関する殺人のなぞらえ方がなんともしっくりこない。

犯人自身も被害者に含める計画を犯人自ら立てるのは、一見すると面白そうに感じるがなんとも言い難い結末ではある。勝ち逃げみたいなもの。

刑事二人と犯人の内面を視聴者が想像できるかどうかというのがこの映画の面白さにつながるといっていいと思う。僕には犯人の内面がよくわからなかった。

良かった点

風景や街並み、建物の内外観など、作品からただよう陰鬱さがうまく映像化されていたと感じた。ブラッド・ピットがかっこいい。モーガン・フリーマンは味がある。

映画「セブン」から再確認した自分の好み

ミステリーやサスペンス物であれば、やはり犯人が誰かと、動機は何かというのが大きいと思う。あとはサスペンス物に限らず魅力的な登場人物がいてほしい。

心理描写が上手いとなおいい。これは映像作品よりも紙媒体の方が演出しやすいのかもしれない。個人の感じやすさの違いもあるかも。

これは個人的な好みだが、犯人は序盤から登場していてほしい。ポッと出だとストーリーの進行上、舞台に上がる出番が来たので出てきたという違和感がある。(もちろん、作品自体が創られたものではあるので全体構成はおかしくないのかもしれないが、序盤からの方が作品としてのインパクトがあるように思う。やはり個人の好みの問題ではある。)

犯人は意外性がある人物かつ動機もありきたりでないもの、この2つが揃うと面白さの度合いがかなり上がる。動機の設定は難しそうだ。

あとは、自分の知識や知能、理解力、感性などの問題もあるのだが、作品中だけの知識で完結するものの方が好ましい。予備知識があればもっと作品を楽しめるというぐらいのテイストがベスト。予備知識がなければ、そもそも楽しめない部分が何かあるなと感じてしまうものは避けたい。

まとめ


特に意図したわけではないが、二作品とも監督がデビッド・フィンチャーだった。

面白い映画を見つけるのは難しい。あらかじめある程度の情報収集は必要になってくると思う。「パラサイト 半地下の家族」みたいな起・承が面白い映画の方が好きだ。特に映画は終わりよければ全てよし、とはいかないかな。序盤が退屈に感じると、動きがあるところまでとばしたくなる。

とは言うものの、自分の好きなものが出てくるとわかっている作品だけを観るのも予定調和みたいで面白くないんだよな。何気なくみた作品が自分の好みのものだったというのがベストだ。そうなると数を増やすことになるんだけど、なかなか難しいものがある。

一応、誤解のないように言っておくと僕は批評するのが目的で映画を観ているわけではない。面白いと感じたものがあれば素直にそれを書く。好みの幅が狭いだけだと思う。

挙げた二つの映画が好きな人には悪いが、どちらもアマゾンで結構な高評価ではあるものの、やはり人の評価はあてにならないものだ。

映画というのは観るのに向き不向きがけっこうあると思う。

映画評論家は大変だと思った。好きであれば苦じゃないのかも。

普段、あまり映画を観ない人間が好き勝手に語った。

おわり

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