かわいいおじさん

これまで色々なタイプのおじさんと接してきたが、中にはかわいいおじさんもいた。

かわいい、といっても愛でたくなるということではなく、「だめだこりゃ、まあいいか」と思えるおじさんである。

私はこれまでの仕事で、いわゆる営業畑で元気いっぱいでやってきたおじさんと、管理畑で頭脳労働してきたおじさんの大きく2パターンを見てきた。

かわいいタイプは圧倒的に前者に多い。

ある時、とあるお願いを営業おじさんがしてきた。私はこのおじさんの指示系統の部下ではなかったから、理由を話して適任者を伝え、根回しもするので、そちらに対応してもらうのが今後のことも考えればベストと伝えた。

おじさんはこう答えた。

あのね、うーん、難しいことはわからないけどね、僕はあなたにやってもらえたらなー!って思うんだよね!!

びっくりするほど答えになっていない。

そしておじさんの目はなぜかとてもキラキラしている。

数多の営業現場をくぐり抜けてきたおじさんは人心掌握術に長けている。そしてなにより、ピュアだ。

目的のためにはひた走る。社内規定やルールなんて関係ない。こうすれば会社のためになると思ったことは全て正義であり、それを邪魔する人なんているわけないと言わんばかりの強い意志。

すごいよ、おじさん。

そうして私は本来の上司に言い訳を並べて、そのかわいいおじさんの頼まれごとに勤しむのでした。

後日、お礼と称して飲み会に連れて行くまでが、パッケージ。おじさんと飲むことがご褒美とでも思ってるのだろうか。しかし、このかわいいタイプのおじさんは飲み会の扱いも簡単で楽だからまだいい。

その辺はまた別の機会に。

私とおじさんの戦いはまだまだ続く。

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