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家族と精神障害⑤よくある周りからの誤解3つ

こんにちは。
家族に精神障害があることって、なかなか人に話せなかったりします。
今でも姉のこと聞かれたら何て答えようかなとドキドキしてしまうこともあります。

「お姉さんて何してるの」と聞かれると
「家事手伝いかな〜」なんて適当にかわしたりしてました。

「ちょっと病気で働けなくて」なんて言っても良い気もするのですが、なんか可哀想に思われたり、それで詮索されるのもちょっと抵抗がありました。

私の場合は姉に精神障害があります。
姉が発症した時、私は高校3年生でした。

基本的に自然と話題に出さなくなります。それは今もそうで。
この人になら話しても大丈夫かなという感覚が、最近はかなり研ぎ澄まされてきた気がします。
今話してもいいなと思うのは、家族以外だと家族会で出会うような同じように家族に精神障害がある人たちですね。あと、私のパートナーくらい。

本当は何にも気にせず話せる社会になるといいのになと思います。

今まで話したことで、相手の精神障害に対する偏見に基づく発言や家族に対する無責任な発言に傷ついたこともたくさんありました。

私が思う一番気をつけたほうがいいパターン「親友・恋人なら理解してくれる」
私の経験からすると仲の良さはあんまり関係なかったですね。
本人が身近にそういう人がいて、家族会とか正攻法の対処までたどり着けてるかが大きい。
身近にいるだけだと無理解(精神障害は甘えみたいな考え)であることも多い。
ちょっと話して無理そうなら傷つく前に引いた方がいいと思います。

よくある誤解①精神障害=その人の全て
姉が精神障害であるという話をすると、精神障害の人としてしか見てくれなくなる場合があります。
私は精神障害は姉の一部だという捉え方をしていて、あくまで一面に過ぎないと思っています。それが関与している部分もあれば、そうでない部分もあると。
この辺が本当に伝わらないことが多い。
私は当時付き合っていた人に姉が精神障害であることを話していました。
それでその人が何かについて好きだと話していて、「私の姉もそういうの好きだよ」と言った時に「俺も病気か」と呟かれたことがあります。
正直言葉を失いました。私はあくまで家族としての姉の話をしていたつもりでしたが、彼にとっては精神障害の人としか見ていないんだなと気づいてしまいました。

よくある誤解②精神障害は家族がなんとかしなきゃいけない
こういう認識を当たり前に思ってる人が本当に多いし、私もかつてそう思っていました。
姉が精神障害があって、両親も疲弊しきっているという話を友達にすると、
友達から「それはおもちちゃんがどうにかしてあげなよ〜」と言われたりしました。
それは私もどこかでそう思っていて、友達はそれを見透かしてそのまま言った気もするのですが。
これが実際にどんなに重い一言なのか、やはり当事者ではないとなかなか分からないと思います。
私が逆の立場だったらと思うと、正直とてもとても言えない一言です。
精神障害を持つこどもを親が監禁して、そのまま亡くなってしまったなんていう痛ましい事件もありましたが、家族が背負う限界を感じずにはいられません。
家族だけでどうにかしろという空気は本人も家族も不幸にするし、生きづらい社会を作っていきます。
介護とかの問題にも通ずる話ですが、当事者になった時に初めてその孤独と責任の重さや先の見えない辛さを実感することになると思います。
精神障害への偏見が大きいことで助けを求めることをためらう人や、本人や家族が精神障害であることを受け入れられない人が多くいます。
社会全体で支えていけるような支援サービスが必要なのだと思います。

よくある誤解③精神障害になったら人生終わり
姉に精神障害があるという話を出すと、お通夜のような空気になることがあります。
「精神障害」というワード自体が日常会話の中のタブーのようになっている気もします。
人と精神障害について話すと「精神障害はなったら二度と治らない」「精神障害になったら人生終わり」「精神障害はやばい人」のように思っている人が多いなと感じます。
これは社会に出て同僚でたまに「適応障害」が出るようになってから、こういう認識を周りに持ってる人が多いと気づきました。
「あの人は昔心の病気で長期で休んでいて・・」なんて噂もよく聞きます。
私からすると「ふーん」なのですが。
心の病気の話が好きな人は多いと思います。私も姉の話をすると興味本位で色々聞かれたりして、それはそれで嫌な思いをしたりしました。
どこかで自分もそういう節があるんじゃないかと内心思ってる人は多いんでしょうね。
こういう偏見がある人は本当に自分がそうなったり、大事な人がそうなった時、きっと苦しむんじゃないかなと思います。
精神障害は簡単ではありませんが、適切に治療をすれば上手く付き合っていくことは可能なんじゃないかなと、10年以上闘病している姉を見ていて思います。少しずつですがリカバリーに向かっていると思うので。
姉が精神障害であることで、自分の中の精神障害への偏見はかなり減ったし、自分や周りがいつそうなっても冷静に受け入れて、対処を考えやすい状態になったと思います。
これは本当に生涯を通して役に立つ得難い学びだと感じています。




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