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悲しかった話は悲しかった話として話す

以前、とある場所で、とある方に
「自死遺族であることを結婚相手やその家族に何か言われたり、結婚を反対されたりってことはなかったですか?」
と聞かれたことがある。

私は20年以上前に自死により兄を亡くしている。
夫と出会ったのはその後なので夫は兄と会った事はない。
私は夫と付き合い始めてから割りとすぐに兄の事を話した。
あまり覚えていないのだが泣きながら話す私の話を
優しく聞いてくれていたと思う。
義両親にも何か言われたことはない。

私は幸い自死遺族に対して偏見を持つ人たちと今までご縁がなかったので、上記の質問をされた時に少し驚いた。
私自身はご縁がなかったが、
世の中にそういう偏見を持つ人がいると言うのは分かるし、
精神疾患の遺伝的要因をとても気にする人がいると言うことも分かる。

でも、私は、
それを自死遺族側が気にして、なにか負い目を感じることはないと思っている。隠していたり、これはタイミングをみて話さないといけない、などと身構えていると、話しをされる相手も身構えて聴く話なのか、と重く受け取りかねない。(実際重い話ではあるのだが。)
話す側がただ、身内の最後の時の話として、
自身のとてつもなく悲しかった出来事として話せば、
受け取る側の受け取り方も違ってくるように思うのだ。
相手の出方を窺う話し方ではなく、
素直な気持ちで話す方が良いと思う、という事だ。

ただ、話した結果、
相手がそれを受け入れられない人や家族だと分かったら、
それはそれで仕方がないことなのだ。それで破談になったとしたら、
考え方の相違が結婚前にはっきりして良かったと言える。
私だったらそのような相手はこちらからお断りである。

世の中は優しい人で溢れているし、
自分を大事にしてくれる人はたくさんいる。
余計な事は考えずにただそちらに目を向ければいいだけの事だと思う。


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