見出し画像

盤上の向日葵(上・下巻)の感想。

柚月裕子さん(以下柚月さん)の
盤上の向日葵(上・下巻)の感想になります。

あらすじ(Wikipediaより参照)


~遺留品の名駒を手掛かりに白骨死体事件の真相を追う2人の刑事の捜査と、奨励会を経ずに実業界からプロ棋士となった青年の数奇な半生を並行して描き、山形・天童で「竜昇戦」に臨む青年に迫る。~

感想

柚月さんの作品は、他にも読んでおりますが
今一番新しい文庫かな?(調べてない)
こちらの作品を最近読んだので書いていきたいなと思います。

流石柚月さんといった感じ。
流石柚月さんと書かれてもピンと来ない方もいるかもしれませんね(笑)

とにかく引き込まれる

これに尽きますね。
読む手が止まらない止まらない・・・
読む手が止まらない、作品は他にもありますが
多くは無いので、やはり際立ちますね。
特に「数奇な半生を並行して描き」
この辺りの描かれ方の鮮やかさには驚きを隠せなかったです。

よく読んでる内に
「あれ?どれがどうで?どうだったっけ?」的な事もあるじゃないですか?
そんな事は一切起きない。
もちろん自分の読書力?にもよるとは思いますが
やはり作品によっては、こんがらがってしまう物もあって・・・(言い訳)
この作品の流れる様な描かれ方は、素晴らしかったです。

事件発生と様々な人物の過去が描かれ
刑事さんが事件を追うが、事件の全貌が全く見えない上巻

上巻から続き、描かれていく過去
そして現代、事件へと繋がり、次第にわかっていく下巻

しかしミステリー具合としては
正直イマイチ というのは否めなかったかなと思いました。
展開が読めちゃう。という事はないのですが
読後感として、尻すぼみは感じました。

ただ!飽きる事無く、最後まで読めたのも事実。

総評として

飽きさせる事なく、流れる様な物語は
流石の一言に尽きる。
尻すぼみ感は否めないにしても、一読する価値は充分にあり
あくまで、「読後感として」であって
読んでいる最中は、その様な感じは一切感じさせない。
上記通り流れる様な物語であり
緩やかに加速し、急速し、緩やかに失速していく
失速という表現は、少々語弊がありますが
この辺りの緩急のつけ方、本当に本当に流石の一言に尽きます。
柚月さん入門の一つとして、丁度いいラインな気がします。
個性際立つキャラが登場する作品が多い中
今回は登場人物の濃さも、丁度良く
クセが強くないまでも、クセが無い訳ではない ぐらいで
本当に丁度良かったです。
何か読んでみようかなぁ・・・といった時にオススメ出来る
そんな作品の一つです。
柚月さんファンにとっては、少しスパイスの薄い作品かもしれません。

拙い感想文ですが、何かの参考になれば幸いです。
お読み頂きありがとうございました。

この記事が参加している募集