見出し画像

マーケティングのコストを抑えてパフォーマンスを最大化しよう【第17回利益を生み出すマーケティング】

本記事はエイドリアン・スライウォツキー著「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」をマーケティングに応用した内容となっています。

利益アップにつながらなければマーケティングに価値はない。「利益を生み出すマーケティング」というタイトルで、利益につながる実践的なマーケティング手法を紹介しています。

第17回は「わずかな価値差をめぐるゲーム-景気循環利益モデル」に基づいたマーケティングを紹介します。

景気循環利益モデルとは、要約すると

①固定費を抑えて損益分岐点を下げる

②外部要因が変動しても利益を生み出す仕組みを作る

という2つで構成されています。これを現代マーケティングに応用して説明します。

マーケティングのコストを出来る限り削減する

景気循環利益モデル①「固定費を抑えて損益分岐点を下げる」は多くのビジネスで必要不可欠な考え方ですが、現代マーケティングに当てはめて考えると、「マーケティングの予算をいかに適性に抑えるか」ということになります。

現代マーケティングはマスマーケティングとは異なり、「大量の資金を投じれば大量の顧客を得られる」という考え方はせず、「顧客一人一人と向き合い、対応を最適化することでLTV(顧客生涯価値)を最大化する」という考え方が根底にあります。

つまり、お金をかければかけるほど上手くいくわけではなく、コストパフォーマンスを最大化する方法を考え、そのポイントでの固定費を最小化させ、いわば最小コストで最大利益を生み出すマーケティングこそ、正義となります。

では、実際にマーケティングにどれくらいの予算を投じれば良いのでしょうか?弊社としては一般的なマーケティング活動(WEB/SNS集客など)には最大でも月100万、ほとんどのビジネスは月の売上の5%の予算で十分な効果が得られると考えています。もしこの金額より多くの予算を割いている場合は即座に見直しを図るべきです。

このようにしてマーケティングにかかる固定費を抑えることができれば、利益が大きくなるだけでなく、その利益で顧客満足度の向上を図る施策を打ったり、余裕があれば新たな自社独自のマーケティング活動を展開することができます。

ここではマーケティングのコストを抑えるコツについて、ポイントをまとめておきます。

・マーケティング活動を効率化する

・社内リソースと社外リソースを戦略的に使い分ける

それぞれ詳しく説明します。

マーケティング活動を効率化する

まずはマーケティング活動全体を見渡して、効率が悪いためにコストパフォーマンスが下がっている部分を見つけ、改善しましょう。

例えばSNS運用について考えると、メンバーの持っている能力と与えられている仕事がマッチせずに無駄な工数が発生しているケースが見られます。

細かい作業が苦手なのに毎日の投稿制作に従事されているメンバーは、そこに大きな負担を感じて生産性が下がり、コストに対するパフォーマンスが低下します。

逆にクリエイティブやデザインが好きなのに戦略策定を任されてしまうと、左脳的な判断に時間がかかり、同じパフォーマンスに対して多くの工数を取られてしまいます。

また別の視点として、チームの作業引継ぎや受け渡しでいちいちメールの工数が発生したり、データ移動の工数が発生したりすると、そこも無駄なコストが発生してしまうポイントとなります。

チーム全体を見渡し、適材適所で人員を配置し、クラウドを用いて無駄なコミュニケーションが発生しないように気をつけながら効率化していってください。

社内リソースと社外リソースを戦略的に使い分ける

社内リソースに対してマーケティング活動のあれもこれもお願いしようとすると、メンバーの大きな負担になってしまうのは、皆さんも経験があるかと思います。

基本的に社内リソースは2,3個のタスクに集中してもらい、それ以外の業務は外部の専門的なリソースに頼るのが得策です。

社内リソースと社外リソースの使い分け方は様々ですが、現代マーケティングの勝ちパターンとしてあるのが以下の使い分け方です。

・社内リソースは自社独自のマーケティング手法やイベント・キャンペーン施策の創出に従事する

・社外リソースには、より汎用的なマーケティング(コンテンツマーケティングやオムニチャネル・マーケティング)の専門家として業務をやり抜いてもらう

このようなハイブリッド型マーケティングチームを組織することで、よりコストパフォーマンス的に優れた、現代マーケティングとして成功しやすい活動を行うことが可能となります。

マーケティングDXの導入

マーケティングの固定費を抑え、利益を生み出す仕組みを作る上で、昨今では「マーケティングDX」が注目を集めるようになりました。

これはマーケティング活動において今まで人間が従事していた作業的な業務を機械やプラットフォームの力に任せ、さらに機械だからこそ出来る「大量対応、即時対応」を実現していくことでマーケティングをデジタルと融合させていく取り組みです。

マーケティングDXのコスト面での大きな特徴として

「集客が拡大しても固定費がそこまで増大しない」

という点が挙げられます。

例えばSNS集客はマーケティングDXの入り口チャネルをプラットフォームの力によって半自動化する手段ですが、SNS運用に対するコストは1つのアカウントを運用し続ける限りそこまで変動しません。しかし、プラットフォームのアルゴリズムに評価されて多くのリーチを獲得できるようになると、集客は拡大し、フォロワーも増えていきます。

他にもMA(マーケティングオートメーション)ツールは一番最初に構築コストがかかり、ツールの利用料や保守運用コストもかかりますが見込み客の数がどんどん増えていっても、そのランニングコストはほぼ変わりません

弊社のマーケティング支援サービスOmniDXもマーケティングDXのコスト的な価値を大きく評価し、低価格で入り口から出口までのマーケティングDXシステムを構築するプログラムを提供しています。

このようにマーケティングDXを実現することで固定費を抑えることができ、政治経済的な急変やリーマンショック、コロナ禍のような時代を変える事象に対しても柔軟に対応できるブランドやサービスを展開することができます。

まとめ

今回は景気循環利益モデルに基づき、マーケティングのコストを抑える重要性について紹介しました。ポイントをまとめると

・マーケティングにかけるコストは売上の5%程度に抑える

・マーケティングDXにいち早く取り組み、外部要因に強いブランドを構築する

繰り返しになりますが、現代マーケティングはお金をかければかけるほど上手くいくものではありません。正しいリソースと正しいタイミングで、戦略的なマーケティングを行っていきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?