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戦略人事を進める方法~【解説】人的資本可視化指針(第7回)

戦略人事。今回はどのように戦略人事を進めればいいのか?人事部門に参考となる情報を提供したいと思います。

人事の方へ:皆さんの会社は経営戦略が組織マネジメントを通して社員レベルまで落とし込めていますか?経営戦略を実行できる組織体制ができていますか?人事評価は経営戦略の特徴を強調できていますか?

筆者作成

既存制度の運用が過度に重視されてきた人事ですが、今後は、人事は経営戦略の基盤となることを明確に意識し、経営戦略においても人事なりのイニシアティブを発揮していくということになります。経営に積極的に参画し、経営陣の一員としても人を送り込み、経営戦略「全体」に口を出していく。つまり、経営に人事面を中心に影響力を及ぼしていくということです。具体的には、各部門の成果を出すための組織設計、人事配置などを経営戦略面できっちりみていくことです。


筆者作成

やるべきこと1:収益向上、利益増大を促す人的資本の条件整理、要件の具体化

まず第一に、収益向上、利益増大を促す人的資本の条件整理、要件の具体化が求められます。収益向上、利益増大を促す人的資本の条件整理、要件の具体化をするためには、まずどういった人材やチームの行動が利益増大につながったのかを把握する必要があります。
利益増大をもたらした人材やチームはどういった人・チーム?どういった行動をとった?どういうタイミングか?どういう事業企画でか?それはなぜか?を考えてみることをおススめします。

そのためにはまずは人事評価結果と経営・事業成果を分析することです。人事評価結果をある視点で分析することってなかなかしないと思います。特に事業成果や業績と比較検討させたりといった「データ分析」までしているところは少ないでしょう。しかし、人事評価結果は宝物です。業績を出した事業責任者は見つかるでしょうし、その業績は運が9割なのか、いやいや論理的に説明つくのか、研究してみるのも手かもしれません。「新規事業」に焦点を当てて、ケーススタディ的に「人的資本」の動き方を分析、検討、議論していくといいでしょう。可能ならロジックモデルで整理することも大切です。

やるべきこと2:事業開発、イノベーション実践、儲ける仕組み企画、成果を出すコンピテンシーを企画

やるべきことその2は、事業開発、イノベーション実践、儲ける仕組み企画、成果を出す「コンピテンシー」(優れた成果を創出する個人の能力・行動特性)を企画することです。まずは事業開発、イノベーション実践、儲ける仕組み企画で成果を出した「モデル人材」をリストアップし、結果を出した行動要件をヒアリングし、整理し、可視化、明確化することが望ましいです。
結果を出す人の行動を行動要件として具体化できれば、人材育成方法、組織のマネジメント方法など「人的資本」の方向性が見えます。ビジネスモデルを考えながら、人事部門としてイノベーション実践、儲ける仕組み企画、成果を出す人の「コンピテンシー」を考えるだけであっても、人的資本経営に何かしら意味のある事でしょう。

人事にとって「新規事業企画」「事業開発」とかと言った言葉は心理的距離が遠いかもしれません。しかし、人事評価の業績評価において、人事部門は一枚かんでいます。そこの関心を大きく持って、深く考えて考察しょうということです。

是非是非勇気をもって戦略人事の一歩を踏み出してください!より人事部門の新たなやりがいを見出せると思います。事業責任者への善きアドバイザー、コンサルタントになれるかもしれません。ただし、経営向上に貢献に影響する行動は多様ですし、様々な因果関係が複雑に絡み合って行われているので、そこだけは注意はしておいてください。

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