【人財育成論第11回】ISO30414の各指標が大事なわけ
最近、人的資本(Human Capital)についての動きが顕著になっています。そうした中、ISO30414が注目を浴びているのは、それが具体的な開示基準として活用できるからです。ISO30414は、11の「CORE AREAS FOR REPORTING」というものがあり、それぞれに指標が設定されています(今後解説していきます)。
それぞれに指標が設定されていて、それぞれ数値を算出する、そして、それらが公開されることになります。
数値がなぜ大切なのか?~人的資本の開示
企業が人的資本の現状を公表するために、ISO30414は重要な役割を果たします。I
指標と数字をセットに公開することで、どういう企業なのか、人事の状況が把握できます。ISO30414でできることは内部的には、以下のようなメリットがあります。
このように人事戦略を進めるうえでの情報が可視化され、経営戦略との融合が可能になってきます。
他社、とくに取引先にとっても有用な情報です。事業やサービスの裏に、どういう人材がいるのか、が把握できます。今後の取引関係を続けていく上で
も、重要な情報です。
当然、会社や取引先、投資家のためにもなりますが、社会的にも意味があります。どういった人的資本からなる企業であるのか、どのように人的資本を扱っているのか、こうしたことを明確にすることは、まさに社会的責任の領域に近いということです。個人的にはCSRリテラシー、SDGsなどのコンサルティングや活動にも関わっていた時に、退職率などやハラスメント発生件数についての情報が必要と言ってきたこともあるので、やっとこういう時代が来たかという思いでいっぱいです。
人事情報をまとめるのが面倒?ISO?という人事のあなたに
さて、ISO30414で人事情報をまとめないといけない・・・というのを聞いて人事の担当者の中には、ISO、特に品質管理あたりのめんどくさい手続きを想像した人もいるでしょう。不安もあるでしょう。
安心してください。簡単に言いますと、財務部門が経営数字をまとめるような、対外的にこれまでやっていたことを人事部門がやるだけのことにしかすぎません。
しっかりデータを内部で持っていたらそんなに難しいことではないです。それどことろか、ある意味チャンスでもあります。
第一に、指標化して数値を測定することで、人事の課題が「可視化」されるからです。これのメリットは多大です。分析をすることで、自分たちの人的資本についての課題が発見できることでしょう。第二に、人的資本が組織の成長にどのくらい貢献しているのか、その貢献度を測定・検討できる。人的資本を定量化しやすくなりますし、経営戦略上で議論の土台になります。
こうしたメリットがあるわけですから、是非このチャンスを生かすべきだと思います。これからISO30414について解説していきます、
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