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442の組織的守備

こんにちは!

今回は久しぶりの、どのように試合を見ればいいのか。その1つとして、わかりにくい組織的な守備について考えていきたいと思います。

ぜひ、お付き合いください!

1 見るべきポイント

守備って実は、簡単そうに見えて結構見ていて楽しいポイントなんです。では。どんなところを気をつけてみるといいでしょうか?ポイントは3つあると思います。

・危険なエリアへのケア
・ボールを誘導すること
・取りどころの共有

この辺りを気を付けてみるようにしています、これができると見ていてもやっていてもすごく面白くなると思います!(完全に私見です)

2 危険なエリアへのケア

守備を考えるときには、まず相手はどこを狙っているかを考える必要があります。

図1

組織的守備①

一般的には図1のような数字の順だと思います。1はCBの裏のスペース、2はCFの足下(いわゆる縦パス)、3がサイドの裏ですね。基本的には中央のへの縦パスがゴールに一番近いため出させてはいけない。もう一つ覚えておくといいのは、パスの出し手と受け手が近ければ近いほど、パス精度が上がるということ

図1のように相手が守備のブロックを作っている場合は、スペースがあまりありませんが、カウンターなどの場合は広大なスペースがあるので危険です。単純にカウンターなどの場合で点が動きやすいのは、そのCBの裏のスペースが一つの要因だと思います。

ここまでゴールを守るときの基本的な守備の意識です

3 ボールの誘導と取りどころの共有

では次に、どのようにボールを奪取するか。今回はゾーンディフェンスではなくプレスによってどのようにボールを奪取するか。そのあたりを関上げていきたいと思います。

図2 制限をかけない守備

組織的守備②

図2はプレスをかけていない場合です。ボールホルダーにかなりのパスコースやドリブルコースがあるのがわかると思います。上記でも説明しましたが、失点しないように守るエリアがある以上、何もしなければCBやCHが前にプレスすることはできません。危険なエリアが多くなるわけですから。

ではここでやらなければいけないのは、ボールを誘導又は制限すること=相手の選択肢を減らす動きを取る必要があります。

ここではオーソドックスなことをお話しします。

図3

組織的守備③

図3はプレスをかける場合です。先ほどまでの話では、守備は失点しないようにすることは最低限です。その中でボールを「奪取」するために必要なプレスです。必要なのは相手の選択肢が多くて、後ろの選手が出れないのでその選択肢を削る必要があります

①ボールサイドのCFがボールホルダーにプレスをすること。その時、必ず相手のCHへのパスコースを切って、可能なら逆CBに展開されないように、内側からプレスをすることです。

図4 

組織的守備④

図4の黒の×印はプレスによってなくなった選択肢です。CBへの展開とCBのドリブルをケアしていますね。そうすると、CBのパスコースはGKへのパスを除けばこれぐらししかありません。

たまにとんでもないパスやドリブルではがされることもありますが、それは仕方がない。大事なのは選択肢が減ってSHとCHが守備の予測をしやすくなった=プレスの予測をしやすくなる=強気でプレスをかけられる

これが組織的に連動して守備をするということです。基本的には

①相手の選択肢を減らす
②後ろの選手が予測しやすいうようにする
③予測しながら次々とプレスに行く

これが基本的な形になっています。

今回の誘導は一例で、サイドに追い込むだけではありません。例えばあえて中に行かせて、中央でボール奪取するパターンもあります。要するに、上記の基本的な形ができていればいいんです。そのために一番必要なことが、相手の選択肢を減らすということです

4 プレス=圧力だということ

実はもう一つ大事なことがあります。それはコースを制限するだけのプレスは意味がないということ。もう少し詳しく言うと、コースを制限するだけのただのジョグはなんの意味もないということです。遅いプレスと感じる原因の1つですね。

例えば栃木SCのプレス。基本的に少しでもバックパスや横パスがあれば、スプリントをかけてプレスを行いっています。

図5

栃木SC右肩上がり

昨年の図で申し訳ないのですが、図5をご覧ください。栃木の場合は本当にプレスが徹底されており例え相手のSBにボールが相手陣で出た場合でも、スプリントをかけてプレスします。それをスイッチとして、素早く相手選手全員にマークがつきます。

ここで大事なのは、

1 相手にスプリントをかけるプレスが相手への圧力になり、行動を制限す  るということ。

2 スプリントをかけることで、後ろの選手に守備に行くぞ!という明確なスイッチになるということ

プレスとは圧力なんです。それが感じられなければ、相手はたとえ選手がいても、余裕をもってプレーできてしまうし、後ろの選手は選択肢を制限できていないと感じてしまい、前に連動してプレスすることができなくなってしまいます

大宮の場合、開始数分はいいプレスやカウンターができているように見えませんか?これはCFがしっかりプレスにスプリントをかけていて、守備のスイッチ役と選択肢の制限をできているからだと思います。

5 もし制限ができていなければどうなるか?

図6

組織的守備⑤

CFが選択肢を減らさないとこれだけスペースがあります。もう少し詳しく見てみましょう。

図7

組織的守備⑥

最初に説明した、優先順位を思い出してみてください

まずSHは相手CBのドリブルやボランチへのコースを制限するために、内側によります。

CHも縦パスへのコースが制限されていないので、守備の優先順位を考えると前に出れない。

いわゆる後ろに重たい状態の守備ですね。

ヴェルディ戦で多かったのがこれで、CBのドリブルで黒川選手が内側にポジション取り。なのに矢島選手がジョグでしかプレスをかけず、相手SBに簡単に持ち込まれる。ここで、最終的にプレスのスイッチを入れていたのは三門選手でした。これが三門選手が外せない理由でしょうね

この守備、開幕戦で前にだけ行くサッカーから一番危険なボランチを見る守備に変えた状態の守備で、11節時点でほとんど進歩していません。

見るべき時は、一番わかりやすいのは、だれがスプリントをかけて守備をしているのか、どこに誘導しようとしているのか。それは闇雲なプレスではないか。この辺りを見てみると楽しいかと思います。

6 最後に

組織的な守備を仕込むことは実はかなり難しいんです。全員が連動して、理解しないといけないですから。それに対して今の大宮の守備は、厳しいことを言うとあまりにもお粗末すぎる。これでは勝てない。

昨年も中盤以降は勝てていませんが、理由が全然違います。高木監督の時は、541の守備の構造的な穴を突かれていました。つまり3バックでの守備はできていました。対して今年は442の守備の基本的なこともできていない状態です

今現状、自分たちでしっかり判断できてると感じる選手は菊池選手、大澤選手、柴山選手、三門選手、石川選手、小野選手。それくらいですかね、コンスタントに守備をできていると感じるのは。悲しいですが…。

こう考えると実は、守備に関しては一朝一夕で大きく改善することはないと思います。だからこそ、やれることをするとしたら、誘導は二の次で、守備のスイッチを入れるためのスプリントとプレスバックをどれだけできるか。これに関しては意識の問題なのでできなくはないと思います。次節以降はそこに注視してみていこうと思います。

ヴェルディ戦は個人的には勝たないといけない試合だったと思います。内容より結果ですね。ただ、何も変わってないように見えて、前への意識や点をとるためにリスクを負うシーンも増えたと思います。

これからどうなるかわかりませんが、変わらず応援していこうと思います。

では今回はこの辺りで!

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