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詩 対話

視線の先
助けを求める
彼女はもう
いつかの時代の人

生きることは
苦しさとともに

名前もない
時代背景を
語る多くの中の
ひとり

いつかどこかのまちで
照らされ誰かの目に
とまったとき
彼女はまた
生きている

いつかどこかの
わたしもまた
何かの名前をもって
存在すること
理解する

多くの画家は
もういない
絵のなかで出会う
市井の人と
目を合わせ

いつまでも過去と
対話していよう
ざらざらとした
この空の下





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