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詩/命について

命について

震えが止まり
どうにも愛されないのだという
鈍痛のような悲しみ

愛も止んだ
絶対零度の世界に吹き込んでくる
温もりを持たぬものの影

時間として計測される
その直視し得ぬものに人のつけた名が
命である

そうして温もりを持たぬものが再び
風のない
凍てついた世界すら暖めていくのだから
それでも愛されていたのだと
気づくだろう

長生きしたいね

1998年6月

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