お肉美味しいイェーイ 2022/6/29
はさもうと思って力入れたらパキッと割れる。
そうです。古い洗濯バサミ壊しがち人間こと、私です。
調子にのって食べすぎたフライドポテトのせいで、昨日の夜から胃が重気持ち悪い。
私はいつになったらこの負の連鎖から抜け出せるのだろうか。自分の胃を過信しすぎている。
自分で言いたかないけど、もう若くないので油が辛くなってしまった。焼肉に行ってもそんなに食べられないし、あんなに大好きだったカルビも1〜2枚食べたら、あ、もう大丈夫ですんであとは皆さんで……となってしまう。
いつからこんな脆弱な胃になってしまったのだろう。
焼肉といえば数年前、社畜時代に会社の先輩とちょっと高い焼肉屋さんに行ったときのことを思いだす。
焼肉といえば、スーパーで買った肉を自宅のホットプレートで焼くか、食べ放題に行くかが主で、たま〜〜〜にお祝いごとでちょっと高めのチェーン店に行く、みたいなイメージだった私は、その時初めて個人経営の焼肉店に足を踏み入れた。
黒い壁と黒い床。テーブルの真ん中には七輪が置かれ、メニューには見たこともない名前の部位が並ぶ。なんとなく見上げた天井には、丸いガラス玉がたくさんついた、どこで売っているのかわからないオシャレ照明が輝いていた。
仕事終わりで疲れた足を休ませていると、向かいに座った先輩が慣れた手付きでメニューをめくっている。どれが食べたい?と聞かれて、とっさに「ハラミ食べたいです」と答えた。好物だがいつも通りすぎる。
飲み物を選ぶと、オールバックで長い髪を後ろで束ねた黒服の店員さんがやってきた。オシャレな店は店員さんもオシャレなのか。固まる私をよそに、先輩が聞いたこともない部位の肉を注文していく。途中で聞こえたハラミしか、私には理解できなかった。
お待ち下さい。パタン、と注文を取るあの電子機器のフタを閉じる音がして、店員さんが去っていく。テーブルにはいつの間にか水が運ばれてきていた。
店内は美味しそうな匂いがいたるところからしていて、肉を焼く音、控えめなボリュームの会話が聞こえる。空腹MAXだった私は、注文のとき、たまごのってるご飯にする?と先輩に聞かれた気がしたが、どう答えたっけ、とぼんやり考えていた。
しばらくして四角くて黒いお皿にのった肉が到着する。
きれいにさしが入った肉がきれいに並べられ、店員さんが端から手で指しながら説明してくれた。こちらからザブトン、ハチノス、ハラミ、サガリです。ご飯こちらに失礼します。ごゆっくりどうぞ。
……ハラミだ、ハラミはわかった。あと、ザブトンはテレビで聞いたことある。希少なやつ。しかし、特にプレートがあるわけではないので、もうすでにどれがなんだか全くわからなかった。とりあえず、横で湯気をたてるご飯にはたまごはのっていない。
とりあえず焼かねば、とトングを持つと、先輩が「サガリ食べたいな〜」とお皿を見る。
どれだ、どれなんだサガリは!?
なんか異様に薄いやつか?いや、厚みのあるやつかな……もはやハラミがどれなのかもわからない。
お皿の上の肉をじっと見つめるが、全然わからん。みんな部位とか理解して食べてるの?お肉美味しいイェーイ!じゃだめ?
「え〜っと……サガリ……ってどれでしたっけ」
トングを持ったままチラっと先輩の方を見ると、美味しそうにお酒を飲んでいた。グラスを置くと、お皿を見つめて、うーん、と考える。
「わかんない、どれでも良いんじゃない?」
美味しければ。あはは、と先輩が笑う。わかってなかったんかい。先輩もまた、お肉美味しいイェーイ!の人だった。
とりあえず焼こうか!と、良い感じに温まった網に肉をのせていく。片面が焼けたら裏返して、ちょっと焦げ目がついたサガリ(仮)を先輩のお皿と自分のお皿へin。
冷麺を食べるときにしか使ったことがない銀の箸で、サガリ(仮)をひとくち。疲れた体には、確かになんの肉でも最高に美味しかった。
社会人になり、自分のお金でちょっと高い肉を食べている、という状況も相まって、幸福感が急上昇した私は、1枚1枚肉を味わって食べる。なんだかわからんがめちゃくちゃ美味しい。あ、これはハラミだ。ハラミはわかる。
しばらく先輩と肉を食べていると、途中でもう1人、仕事が終わった別の先輩が合流した。隣に座るなり、生で。と店員さんに注文する。肉が焼けている網を見ると、キラキラした目でこちらを向いた。
「ねえ、これ美味しそう!なんて名前の肉?」
「わかんないです」
「ん?」
「名前はわかんないけど、美味しいお肉です」
わかんないのかよ……と不思議な顔をする先輩の横で、名前のわからない美味しいお肉はじゅうじゅうと焼けていく。
焼肉しばらく行ってないなあ。
コロナ禍前はちょくちょく行ってたのに。しかも立ち仕事だったせいかほとんど太らなかった。あ、太らなかったのもまだ若かったから……?
今でもお肉の部位はよくわからない。美味しければ良いと思う。
今日のお昼頃呟いたサブウェイのツイートは、公式さんからのリプ含め、いつもの数倍の反応に怖くなって削除しました。全く不適切とかではなかったのですがなんだか怖くなってしまったので。消した方が良いかな……とか考えるのも地味にストレスでして……。驚きのチキンでごめんなさい。
ツイートにいいねくれた方、ありがとうございました。せっかくいいね頂いたのにすみません。いつもありがとう。愛してるよ。届いてるかはわからないけど。